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ウクライナから出荷されている穀物は誰のもの?(要点)

以下はウィリアム・エングダール氏の記事の要点。「ヨーロッパの穀物地帯」たるウクライナは巨大アグリビジネスによる経済的侵略を受けてGMOを推進している。表示義務が緩いので気付いている日本人は殆ど居ないだろうが、今や世界の穀物等の多くが既にGMOに切り替えられている。
Whose Grain Is Being Shipped From Ukraine?
 Kfirfasと云う方が全文邦訳して下さっていたのでそちらも紹介しておく。
エングダール「ウクライナから出荷される穀物は誰のものか?」(2022年8月18日付)

 元々肥沃な黒土を擁するウクライナでは、2001年のモラトリアム法により、大企業や外国人投資家への農地の私的売却は一時停止され、腐敗したオリガルヒによる買い占めや、外国のアグリビジネスへの農地へのリースは出来ないことになっていた。 700万人の農民が合計約7,900 万エーカーの小さな区画を所有し、残りの2,500万エーカーは国有で、GMOは厳しく禁止されていた。だが西側のGMO企業は秘密裏に違法に特許取得済みのGMO種子をウクライナの黒土に広め始めた。小さな土地所有者は土地をオリガルヒにリースし、オリガルヒはモンサント等と秘密協定を結んでGMOトウモロコシと大豆を植えた。現在削除されている米国農務省の報告書では、2016年末までに、ウクライナの大豆の約80%、トウモロコシの10%が、違法なGMOで栽培されていた。

 2014のマイダン・クーデター後はIMFの要求である農地の強制的民営化、所得増税、年金受給開始年齢の10年遅延等が行われたが、同時に西側のアグリビジネスのGMO作物の栽培が推進された。
 
 2019年に「腐敗と闘う」と云うドラマのイメージを利用して大統領に当選したゼレンスキーが真っ先にやろうとしたのは2001年のモラトリアムの撤回で、2020年には農民と市民による大規模な抗議行動が起こった。2021年5月になるとゼレンスキーはCOVID-19のロックダウン政策と公の抗議行動の禁止を利用して法案第2194号に署名し、土地の規制を緩和した。土地の用途を一旦「耕作地」から「商業用地」に変更し、外国のアグリビジネスが購入後にこれをまた耕作地に戻せば、外国人への土地の販売禁止の原則を回避することが出来る。

 米-ウクライナ企業評議会の理事会は世界有数のGMO企業で占められている。
 ・カーギル:世界最大の民間穀物・アグリビジネスの巨人。
 ・モンサント/バイエル:GMO種子と致命的な殺虫剤であるラウンドアップの特許を所有している。
 ・コルテバ:デュポンとダウ・ケミカルズの「巨大なGMOフュージョン」。
 ・ブンゲとルイ・ドレフュス:共に穀物カルテルの巨人。
 ・ジョンディア:大手農機具メーカー。

 バイエル/モンサント、コルテバ、カーギルは既に1,670万ヘクタールの主要なウクライナ黒土農地を所有しているが、最近の世論調査ではウクライナ人の79%が、外国による買収から自分達の土地の支配権を取り戻したいと考えている。EUもGMOの規制緩和に動いており、今やGMOを持たない唯一の主要な世界の穀物供給国は、2016年にGMO作物を禁止したロシアだけだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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