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朝鮮の残虐行為:忘れられた米国の戦争犯罪と人道に対する罪(要点)

以下はカナダの視点から朝鮮半島の分断の歴史を振り返る記事の要点。
The Korean Atrocity: Forgotten US War Crimes and Crimes against Humanity


 第二次世界大戦末期、ソ連はロシアと国境を接する朝鮮半島北部を、米軍は南部を占領した。1年後、ワシントンのカナダ外交官ラルフ・コリンズとハーバート・ノーマンからオタワへ電報が送られ、米国当局者の個人的な認識が伝えられたが、それに拠ると北部ではロシア当局に対して相当な大衆の支持が有り、他方朝鮮民間人に対する米国占領軍の「保守的」な性格に対するロシアの非難にはそれなりの正当性が有った。南部では軍事政権による左派に対する強硬な弾圧が行われ、チョムスキーの言では約10万人が殺害された(最大50万人とする説も有る)。

 モスクワは全ての外国軍が1948年1月までに朝鮮から撤退することを提案したが、ワシントンはこれに異議を唱え、国連朝鮮臨時委員会 (UNTCOK) を創設して米軍占領地域で選挙を行うことを要求した。ソ連圏はUNTCOKをボイコット。カナダはUNTCOKに参加したものの、マッケンジー・キング首相は非公式に「米国務省は自らの政策を推し進める為に、国連を武器として利用している」と述べた。

 1948/05/10、朝鮮南部で選挙が行われたが、それに先立って「共産主義排除」キャンペーンが展開された。左派政党はこれに抗議して選挙への参加を拒否し、済州島で暴動を起こしたが、残忍な弾圧を受けて3〜4万人の農民が殺害された。南部の選挙はUNTCOKの監督下で行われたが、北部ではソ連がそれを許可しなかった。選挙の結果朝鮮半島は南北に分断されることになった。カナダは真っ先に大韓民国を承認し、南部は「自由選挙」を行ったが、北部での選挙は「民主的な方法で行われなかった」と主張したが、後にレスター・ピアソン外相は辞任した後で「李政権は北部と同様に独裁的で、全体主義的だった。実のところ、幾つかの点ではもっとそうだった」と発言している。

 公式の説明では1950/06/25にソ連の支援を受けた北が南に侵攻したときに朝鮮戦争が始まったことになっているが、これは全くの誤りではないにしても、不完全。実際には南の李承晩が故意に戦闘を開始し、その後北を非難することに成功した。挑発を待ち望んでいた北は南の攻撃を利用し(ソ連に扇動された訳ではない)、ソウルを占領する目的で独自に攻撃を開始した。その後大規模な米国の介入が続いた。

 米軍が朝鮮半島に介入した後、ワシントンは国連にこれを支持するよう働き掛けた(この順番は逆ではない)。朝鮮国連軍はダグラス・マッカーサー元帥の指揮下に在ったが、マッカーサーは国連に服していた訳ではない(従って朝鮮国連軍は「国連」と名前が付いてはいるものの、法的には米帝の私兵集団の様なものだ。因みに日本の自衛隊は今だにこの一部だ)。

 DPRKの民間人200万と兵士50万、中国の兵士100万、ROKの民間人100万と兵士1万、国連軍の兵士95,000(内カナダ人516)が戦争で死亡した。マッカーサーは極く一部を除いてDPRKの「全ての通信手段、全ての設備、工場、都市、村を破壊する」よう爆撃機に指示した(つまり無差別攻撃。紛れも無く戦争犯罪だ)。

 カナダ軍はDPRKと中国の「chinks(中国人の蔑称)」の「黄色い大群」を蔑視した。或る大佐は「防御陣地に殺到する大群を任意で殺害する」重要性について書いている。軍寄りの本には「一部の兵士は、西洋の偏見が朝鮮人に対するあからさまな軽蔑に発展するのを許した」と淡々と書かれている。

 第二次大戦中に経験したことの無い程の絶え間の無い爆撃が行われ、全体的な死者数は驚くべきものだった。全朝鮮人の10人に1人、約300万の民間人がこの戦争によって死亡した。第二次世界大戦の大規模な荒廃から立ち直り掛けていた世界にとってさえ、朝鮮は人が作り出した地獄であり、20世紀中最も暴力的な行き過ぎが行われた場所であった。が、カナダ保守政権にとってはそれは「やるだけの価値は有った」ものだった。
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川流桃桜

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