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キューバ

★2023/11/02の国連総会で、米国が1960年以降キューバに課している経済封鎖についての決議投票が行われ、賛成187の圧倒的多数によって可決された。反対したのは今回もまた米国とイスラエルだけだ。
米帝対全世界:国連決議で米国のキューバ封鎖に全世界の97%が反対

2022/11/22、モスクワのソコル地区のフィデル・カストロ広場で、高さ3mのフィデル・カストロ像の除幕式が行われた。カストロ自身は個人崇拝には断固として反対していたので、キューバにはこの種の記念碑は存在しないが、キューバ以外には数多く存在する(ヴェトナム、南アフリカ、ナミビア、アンゴラ、タンザニア、モザンビーク)。ロシアとキューバは常に蜜月関係だったと云う訳ではなかったろうが、プーチン大統領はロシアとキューバの友情を「共通の遺産」と呼び、「我々は共同で団結を強化し、自由、平等、正義と云う偉大な価値観を守り続けます」と発言した。この種の個人を記念するものに対する私の感想は昔から相反していて、「ケッ、現実を美化しやがって」と云うヒネた気持ちと、「まぁいいじゃないの、理不尽に虐げられた人々にはヒーローが必要だよ」と云う寛大な気持ちが両方同時に存在する。

Putin Invokes Castro’s Legacy

★キューバに対する制裁に反対する国連決議について、ベン・のートン氏の記事の要点。
キューバの封鎖に全世界が185対2で反対———米国とイスラエルは国連のならず者国家だ(要点)

2022/08/05に落雷によって発生したキューバのマタンサスでの大規模火災を巡って、ヴェネズエラとメキシコは協力支援を派遣、ガーナは物資を送った。ボリビア、ニカラグア、チリ、中国、ガイアナ、バルバドス、イラン、ロシア、サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)から連帯のメッセージが送られた。が、そんな中でアメリカ合衆国だけは、「技術支援」を提供するとは言いつつも具体的な物的支援についての言及は無く、キューバに対する制裁を止めるとも、テロ支援国家リストからキューバを外すとも言わない。これらがキューバへの支援物資の到着と銀行取引を困難にすると判っているにも関わらず。米国ではキューバに連帯する活動家達が"Sanctions fuel the fire(制裁が火災に油を注いでいる)"と云うキャンペーンを張って抗議している。米帝の所業は人道犯罪と呼ぶべきだ。
Cuba leads heroic recovery effort


アメリカ帝国は中国の人道犯罪がどうのと騒いでいるが、キューバに対する人道犯罪なんかもう60年も続いている。そんな無法な経済攻撃の中で立ち続けて来たキューバがどれだけ凄いことか。
キューバに対する米国の封鎖は60年に

米帝政府は2021/11/15にキューバで「抗議行動」を組織しているが、ホワイトハウスが予め支持と脅迫を表明している(何と云う茶番!)ことから見るに、またぞろカラー革命に発展させたいのだろう。
THE UNITED STATES IS ORGANIZING A COLOR REVOLUTION IN CUBA FOR NOVEMBER 15

2021年9月、USAID(米国際開発庁)はキューバに於ける人権侵害の追跡、政治犯の支援、労働搾取の暴露、独立ジャーナリストへの資金提供、「民主主義へ向けた共通目標の構築」の為に600万ドル以上の助成金を提供。世界中で何が民主主義かを決められるのは米帝のみである。
Cuba Money Project

CIAのフロント組織のひとつ、Creative Associates International(略してCAI。紛らわしい!)についての解説。1979年創設で、世界85ヵ国以上で活躍。キューバの反政府抗議行動やアフガンの「復興」にも関わっており、人道主義っぽい理念を掲げて莫大な儲けを上げている。キューバの2021年のカラー革命未遂で扇動役を果たしていたのがラッパー達。米帝は文化的事業を通じて工作員を養成し、外国のレジームチェンジ工作ではなく草の根運動であるかの様に見せ掛けて、ソフトパワーによる侵略を繰り返している。
CAI: The Regime Change NGO That Acts Like The CIA You’ve Never Heard Of


カラー革命での大統領候補だった元CIAの二重スパイの証言。CIAは15年掛けて対キューバ・カラー革命工作「ジェネシス計画」を仕組んだ。政界・学界・財界で人材を育成し、抗議活動でカオスを作らせてメディアでそれを宣伝し、米軍の介入を「お願い」させると云う筋書き。
CIA Stories: The Cuban Who Conned the CIA


キューバ革命について情熱的に語るマイケル・パレンティ。抽象的な理念ではなく人々の生活が革命によって具体的にどう変わったのか、それが彼の判断基準。資本主義諸国の反共主義者達が目を背けている問題が正にこれ。
Michael Parenti on the Cuban Revolution


英語で34分。マックス・ブルーメンソール×ジミー・ドア。キューバに対するアメリカ帝国の介入の歴史は本当にイカれていて、例えばCIAは1960年に「マイアミを」爆撃して、それをカストロの所為にすることを考えていた。キューバの民主主義云々の与太話は全部嘘と妄想だ。
CIA Considered Bombing Miami To Blame Cuba!


キューバは世界で孤立などしていない。米帝の悪辣な介入に反対する人々は世界中に大勢居る。そして米帝の制裁と称する経済的暴行の被害を受けている国々は他にも沢山有る。
キューバ:ニューヨークの中心にキューバ支援の電光掲示板が設置される

キューバに対するソフトクーデターの試みを正面から非難するディアスカネル大統領。共産主義/社会主義諸国は100年前から同じ様な介入を繰り返し受け続けて来た。彼等の態度が硬化し「反米」と化すのに何の不思議が有るだろうか。
ディアスカネル:キューバに対するソフトクーデターを企んでいる

アメリカ帝国が世界中に輸出しているのは民主主義ではない、帝国主義であり、新植民地主義。それが最もあからさまに為されているのがラテンアメリカ諸国。白人のやることは500年前から殆ど変化していない、手口がより巧妙になっただけ。
キューバや中南米に対するアメリカの懸念は介入のめくらまし

フィデル・カストロにインタビューしたことも有るチョスドフスキー教授の2016年の記事。米帝はNED等を通じてキューバの体制転覆工作を試みているが、この記事ではヴェネズエラ情勢にも介入しているハンス・ザイデル財団の役割に焦点を当てている。
To the People of Cuba: Is Washington Preparing a “Soft Coup”? The Co-optation of Cuban Intellectuals

「文化的ヒットマン」が若手のアーティスト等を助成金等によって買収・洗脳し、反植民地主義の牙を抜いている問題については、故アンドレ・ヴルチェク氏が"Aurora”と云う小説で痛烈に風刺している。これを読んだ或るアーティストは「俺もこの通りだ」と頭を抱えたとか。


キューバで起こっている反政府抗議活動の裏には、例によってNEDやUSAIDの影。米帝はジャーナリストやブロガーやミュージシャンを「支援」することでカラー革命工作を行っているが、成功の見込みは薄い。
THE BAY OF TWEETS: DOCUMENTS POINT TO US HAND IN CUBA PROTESTS
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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