コソボでもウクライナと同様、西側の「見えざる手」が紛争を助長している（要点）

以下はコソボで高まっている緊張についての解説記事の要点。
In Kosovo as in Ukraine, the same Western ‘invisible hand’ foments conflict


　NATOは1999年に民族浄化を捏造してユーゴを爆撃・解体し、コソボにテロ組織コソボ解放軍の元メンバーによる傀儡政権を据え付け、2008年にコソボにセルビアからの一方的な独立宣言をさせた。現在のアルバニア系のコソボ首相アルビン・クルティはは2021年9月に、コソボ北部の多数派を占めるセルビア人にコソボのナンバープレートと身分証明書を受け入れさせ、コソボへの出入りを禁止するか、またはセルビアが発行したプレートと証明書を持つ旅行者に一時的な書類を発行しようとした。セルビア人はこの措置に対して道路封鎖を組織し、コソボ警察はこれを暴力的に弾圧、セルビア軍は警戒体制に入った。クルティ首相は今また2022/08/01から同様の措置を講じようとしたが、これは1ヶ月延期になった。

　EUの仲介で2013年に結ばれたブリュッセル合意では、プリシュティナ（コソボの首都）はセルビア本国との繋がりを持つセルビア自治体連合を結成する義務を負うことになる筈だったが、これは現在に至るまで履行されておらず、EUは（ミンスク合意を履行するようキエフに圧力を掛けたことが無いのと同様に）この合意を履行するようプリシュティナに圧力を掛けたことは無い。セルビアのヴッチ大統領は2022/07/31に、ブリュッセル協定が調印されてから3,390日が経過したが、今だに連合が形成される兆候は無いと発言している。ウクライナのケースと同様、これはセルビア人に対する暴力のエスカレートを齎す可能性が非常に高い。

　セルビアとボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人は、欧州で唯一、西側の対ロシア制裁への参加を拒否し、ウクライナに於けるロシアの特別軍事作戦を一貫して公然と支持しているので、西側諸国、EU、NATOから絶えず圧力を受けている。ウクライナのナチがロシアに圧力を掛ける為に利用されているのと同じく、コソボのアルバニア人は、ベオグラードに圧力を掛ける為に利用されるかも知れない。