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「ロシア語話者は彼等の言語を諦めない限り、二級市民になるでしょう」:ドンバスからの、ウクライナの将来についての見解(要点)

以下は2014年以来ドネツクに在住しているノヴォロシアの歴史に関するジャーナリスト、ウラディスラフ・ウゴルニイ氏のインタビュー 'Russian-speakers will be second-class citizens unless they give up their language': A view on Ukraine's future from Donbass の要約。



ウクライナ西部出身の兵士達は、ハリコフやキエフを自分達の故郷だとは思っていない。彼等は武器を手に入れる機会を得る為に入隊し、欧米からの大量の人道援助と武器はウクライナ西部で立ち往生し、最前線に行くことは無い。これは西部の分離主義者の後押しとなる。ガリツィアは常に分離主義に傾いていたが、2014年のクーデターが成功して権力を握った為、今はその主張を引っ込めている。

 西部ではバンデラ主義が盛んで、これはロシア人、ポーランド人、ユダヤ人に対する憎悪に基付く「田舎の」イデオロギー。東部のナショナリズムはもっと洗練されていて、右派セクターやアゾフ大隊等はこちら。アゾフメンバーの多くはウクライナ南東部のロシア語圏、ノヴォロシア、主にドネプロペトロフスク地域の出身だ。ウクライナ東部のナショナリズムはより軍国主義的であり、西欧やロシアの多くの超右派グループと同様、第三帝国の美学を採用している。ウクライナ南東部の人々はロシアが関与した主要な戦争で戦った歴史が有るが、ガリツィアは主にゲリラ戦でその土地の為に戦って来た。

 ウクライナ東南部は非常に多様で、分離主義の程度も様々。ソ連時代に主要な産業の中心地だったドネプロペトロフスクは多くの共産党指導者(ブレジネフ等)を輩出し、ウクライナ独立後も政権を維持した。彼等はロシアのエリート達によって自国が食い荒らされるのを恐れ、国民国家として独立を正当化する為に、ナショナリズムしか訴えるものを持っていなかった。西部のエリート達は裕福ではなかったが、政治的・文化的アジェンダを推進するのに長けていた為、ロシアからの独立を望んでいた南東部のエリートの財政を利用してナショナリズムを広めた。

 2014年から2015年の不況の後、東部地域に資金が流入し始めたが、当時はこれらをウクライナ共通の国民的アイデンティティに組み込む為の具体的なことは何も行われていなかった。但し「ウクライナ国民国家」はユーロマイダン後の唯一の政治プロジェクトであって、代替案は無かった。人々は圧力を受け、ロシアではなくウクライナのアイデンティティを選択した。

 ゼレンスキーの場合はコロモイスキーやティモシェンコの方針を採用し、ウクライナの為にロシアと戦う限りは何語を話しても良いと云うことにしたが、成功はしなかった。但し彼はポロシェンコと違って莫大な軍事費を使い込まなかった為、国の防衛能力を大幅に向上させ、国のアイデンティティと国家プロジェクトを強化した。ナショナリストからは距離を置いていたゼレンスキーは西部からの支援を殆ど受けておらず、2019年の大統領選でも、西部の人々はポロシェンコの方を好んだ。

 イデオロギーの面でウクライナを支配するのはガリツィアの人々。東南部の人々の貢献がどれだけ大きくとも、ロシア語話者はロシア語を放棄するまで、二級市民であり続けるだろう。ロシア語話者に対する弾圧を終わらせ、ウクライナのアイデンティティを民族性や言語から分離しようとする試みは常に失敗する。クライナで現在権力を握っているエリート達が南東部出身なのは事実だが、彼等はアイデンティティとしてはガリツィアが提供する以外のものを何も持っていない。
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川流桃桜

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