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フード・システムの再編

1960年台にロックフェラー財団が推進した「緑の革命」が何故失敗だったのかを、インドの事例から読み解く記事。緑の革命が齎したのは:
 ・肥料の過剰使用による土壌の枯渇
 ・化学物質による地下水汚染
 ・生殖能力の喪失
 ・気候変動
 ・地域格差
 ・生物多様性の喪失
 ・持続不可能な農業方法の使用の増加
 ・浸水
 ・ローンの負担に苦しむ農家

 緑の革命が実際に人々の生活を向上させ、飢餓や食糧不足の解決に役立つのであれば、コストやリスクを勘案した上で必要に応じて実施すれば良いが、実際にはそんな必要は無い。M.S.スワミナサン氏は「緑の(green)革命」に代わる「常緑(evergreen)革命」を唱えている。
Evergreen Revolution
 スワミナサン氏が2015年に発表した、緑の革命についての評価論文。
The Transition from Green to Evergreen Revolution

【推奨】「地球に優しい農業」として推進されているものは本当は何なのか、コリン・トドハンター氏の力作記事(電子書籍、と云う扱いらしいが)。
Food, Dispossession and Dependency. Resisting the New World Order
 機械翻訳だとは思うが、トドハンター氏の記事を邦訳している記事を見付けたのでこちらも紹介しておく。
食料、収奪、依存 新世界秩序に抵抗する

★2019年にカナダの政府機関が発行した、デジタル技術と生物学的システムの融合についての白書の概要。
バイオデジタル収束の探究(概要)

スリランカの経済危機の原因は例えばCOVID-19「対策」による観光収入の激減だが、他に国の主な輸出品である茶の大幅減産が有る。原因は有機農業への強引な切り替えに現場が全く対応出来なかった為で、WEFが望む様なトップダウン式の「地球に優しい」SDGs改革は、人間、特に貧しい人々には非常に厳しかったりする。フォーリン・ポリシーはこれに乗じて、「化学肥料の適切な使用やバイオエンジニアリングを用いた土壌の改善、より農薬や除草剤が少なくても大丈夫な遺伝子組み換え作物の導入など、技術的な解決策」の必要性を説いているが、現場のニーズを無視した改革は、こうしてSDGsパワーエリート層に付け込まれる隙を作ることになる。

「国内の農業をすべて有機農業にする」というスリランカの壮大な計画はなぜ失敗してしまったのか?
 スリランカのゴーターバヤ・ラージャパクサ前大統領が自国の農業を破壊した方法については、彼のCOP26でのスピーチを読めば分かる。ESGスコアは優秀でも、農民の生活は大打撃を受けた。
If you want to know how Sri Lanka’s president destroyed his country, read his COP26 speech
 スリランカの有機農業危機について日本語で読める記事をもう一点。「中国より恐ろしい」と云うアホなタイトルは誰が考えたのやら。
中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算

農業システムの乗っ取りについての私のTwitterでのスレッド。
川流桃桜@UnmasktheEmpire @kawamomotwitt

★メルコラ博士の記事の要点。ロックフェラー財団は米国のフード・システムをグレート・リセットしようとしている。
進行中のロックフェラーのアジェンダ:米国のフード・システムのグレート・リセット(要点)

前掲のライアン・マターズの3部作その2。現代のアグリビジネスの忌まわしい歴史、世界の種子供給の集中管理を行うビル・ゲイツの計画、遺伝子ドライブ技術が引き起こす人口削減の可能性について。
The Agriculture Cartel: Cotton, Concentration Camps and Conspiracies

米国の食料供給システムは僅か10社によって牛耳られている(生産者と消費者は多いが中間業者が極端にう少ない、所謂砂時計型)。この巨大な搾取的寡占体制に君臨する彼等が「社会に対する責任を果たしたい」とか言っている時、それを真に受けるべきだろうか?

These 10 companies make a lot of the food we buy. Here’s how we made them better.

今更繰り返すまでも無く、農薬への曝露が様々な慢性疾患を引き起こすことには膨大な証拠が有る。アグリスティカル(食料+医療)業界は、問題を引き起こした同じ企業が問題解決を担当する、と云うマッチポンプ的な仕組みの上に成り立っている。
Pesticides and human chronic diseases: Evidences, mechanisms, and perspectives

「製品の真のコスト」を測定するオランダの「社会的企業」"True Price"は2012年設立。率いているのはWEFの元&現「グローバルシェイパー」。持続可能の大義名分の下にあらゆるものに価格を付けまくっている組織。

ABOUT TRUE PRICE

ライアン・マターズ氏の3部作記事の第1部。第二次大戦後、ロックフェラー財団はGMO等の環境や人々の健康を破壊する危険なバイオテクノロジーによる農業の変革に着手し、それを成功させた。今彼等はCOVID-19危機と気候変動を口実に、更にドラスティックな変革に取り掛かっている。
The True Cost of Rockefeller Agriculture & the New Food Agenda

「フード・システムの砂時計」。現在の世界の食糧供給体制に於いては生産者と消費者は大勢居るが、中間業者が極端に寡占化され、これらが世界の食の在り方を支配している。合成肉市場が拡大すると伝統的農家の破壊が更に進み、企業による寡占が加速することになる。

Figure 3 - uploaded by Lanka Horstink

元国連特別報告者のオリビエ・デ・シュッター氏に拠れば、食料安全保障に関するグローバルサミットは、農民や社会運動を犠牲にして大企業によって支配されるリスクが有る。AGRAは大企業の利益の為に公的資源を流用した。
UN under fire over choice of ‘corporate puppet’ as envoy at key food summit

市民社会と先住民機構(構成員3億人以上の、500以上の市民社会グループのグループ)は、国連のフード・システム・サミット(UNFSS)をボイコット。アジェンダ2030路線は企業植民地化の試みであり、食糧不安と不平等を悪化させるだけだと非難している。
The UN Food Summit Ignored Indigenous People And Pushed The Great Reset Agenda

「食糧システム変革の為の科学に基付いたグローバル・プラットフォーム」EATのパートナーには、財団、学術機関、シンクタンク、企業等が名を連ねているが、草の根の農民組織は見当たらない。
Partnerships

ロックフェラー財団の提唱する「SDG 2:飢餓ゼロ」。
 ・小規模農家への支援
 ・再生農業の採用増加
 ・真のコスト計算の普及
 と欺瞞的な文句が並ぶ。
Imagining Bold Food Futures to Achieve SDG 2: Zero Hunger

「温室効果ガスの排出を止めなければ!」と云う物語には、「現行の農業形態は問題だ!」と云う主張も含まれる。二酸化炭素は地球の生態系に偏在するので、「気候変動を止めたければ生態系全体を適切に管理しなければ!」と云う話に繋がる。
Agriculture, Climate Change and Carbon Sequestration

2021年7月のロックフェラー財団の報告書「食糧の真のコスト」。食糧が健康・環境・生物多様性・生活・経済に齎すコストを考慮に入れると現行のシステムは変えねばならない、と、何十年もその問題を作り出して来た張本人が言っている。
True Cost of Food Measuring What Matters to Transform the U.S. Food System

ロックフェラー財団の「食糧の真のコスト」の報告書等はここからDL出来る。
True Cost of Food: Measuring What Matters to Transform the U.S. Food System

ロックフェラー財団の「食糧の真のコスト」公式CM。諸問題を作り出して来た張本人が持続可能性や公平性、健康や生物多様性等の為に食料システムの改変を訴えている。
What is the True Cost of Food?


エングダール氏の記事。「緑の革命=伝統的農家の破壊とアグリビジネスによる収奪」を進めて来たロックフェラー財団は「食糧の真のコスト」なる概念を提唱し、ゲイツ財団、WEF、国連等と共に食料システムの改革を叫んでいる。農業から持続可能性を奪って来た張本人達がその「解決」を訴えている。
Sinister Rockefeller Food System Agenda — They Created it and Now Want to Destroy It

世界経済フォーラムが指南してくれる、人口過剰や気候変動や自然保護に役立つ持続可能な食べ方の例:
 ・週に牛肉バーガー1個、魚2食分、卵は1〜2個まで。
 ・毎日牛乳1杯とチーズ少々。
 ・蛋白質は主に豆類やナッツから。
 ・毎食の半分は野菜か果物、1/3は全穀粒物シリアル。
This is how to eat to save the planet, according to scientists

欧州委員会の"Farm to Fork"戦略公式ページ。「食料システムを公正で健康的で環境に優しいものにすることを目指した欧州グリーンディールの核心」なのだそうだ。

Farm to Fork strategy
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一介の反帝国主義者。
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