食肉の危機
メルコラ博士の記事。植物ベースの代替肉/偽肉/合成肉は既に"Impossible Burger"や"Beyond Burger"と云う商品名で発売されていて、色々結構な宣伝文句が並べられている。が、
・これらは可能な限り本物の牛肉の味と食感を模倣すべく遺伝子操作された酵母から加工された偽の血液や農薬を含んだ成分を含む、スーパー加工食品、つまり新種のジャンクフードだ。原料は確かに植物かも知れないが、主な成分は全て高度に加工された濃縮物、オイル、フレーバー。これらは健康に悪影響を与え、肥満の蔓延、心血管疾患の発生率の上昇、全死亡リスクの増加を齎す。
・両者の総脂肪とカロリー量は、本物のビーフ・バーガーと略同じであり、どちらも処理されたナトリウムを含んでいる。
・これらに含まれる遺伝子操作された酵母細胞(大豆レグヘモグロビン)の安全性についての独立した調査は行われていない。メーカーの自己申告のみ(因みに米国で栽培されている大豆作物の94%は遺伝子組み換え)。
・両者の親会社がこれら集中飼料生産による牛肉生産の環境への影響を調査させたところ、二酸化炭素排出量は一部のカテゴリーで最大96%削減された。が、再生農業の場合の実質総排出量はマイナスだった。合成肉より再生農業による肉の方が二酸化炭素排出量は少ない。
・ジャンク・フードはジャンク・サイエンス、つまり健康を犠牲にして利益を上げることを目的とした情報に基付いている。砂糖、タバコ、オピオイド等の前例を考えれば、誇大広告を鵜呑みにしてはいけない。
The Fake Meat Scam
現代文明の技術に頼らずに昔ながらの移民的生活を営んでいるアーミッシュは、「神が自然に従って動物を飼育することを意図したと信じる方法で動物を飼育」しているが、米農務省が義務付けている化学防腐剤を使用していない為、連邦判事から多額の罰金と懲役刑で脅されている。米農務省の「有機認定」基準では、添加物を使わない農業は違法なのだ。そもそも仲介業者である巨大な食肉会社に中抜きされて利益を上げるのは難しく、食肉加工免許を取得する為には法外な費用が掛かる(最初の1ポンドの肉を売る前に10万ドルの債務を負わなければならない)。利益とカネが最優先される社会で、巨大企業は食肉の独占を狙っている。
Amish Organic Farmer Faces Hefty Fine, Jail Time for Producing Clean Meat
米FDAは通常の承認手続きを回避して、遺伝子編集された牛の市場出荷について「低リスク」とのお墨付きを与えた。ブラジルでは「予期しないDNAの変化」が懸念された為、同様の試みが2019年に中止されている。米国人は2年以内に遺伝子編集肉を口にする可能性が有るが、或る世論調査ではGM食品に満足しているのは32%に過ぎない。
FDA Gives Green Light to Gene-Edited Cattle
2015年の研究。合成肉は家畜よりも必要な農業投入物や土地は減るものの、より集中的なエネルギー使用を必要とする可能性が有る。「合成肉は地球に優しい」と云う話は全体像を見てから判断する必要が有る。
Anticipatory Life Cycle Analysis of In Vitro Biomass Cultivation for Cultured Meat Production in the United States
イスラエルに造られた世界初の培養肉(≠植物ベースの合成肉)生産用のメガラボでは、1日にハンバーガー5,000個分(500kg)の培養肉を生産する。鶏肉、豚肉、羊肉の養殖製品が生産されているが、次は牛肉。
5,000 Burgers Per Day: World's First Mega Lab-Grown Meat Factory Opens
「フード・システムの砂時計」。現在の世界の食糧供給体制に於いては生産者と消費者は大勢居るが、中間業者が極端に寡占化され、これらが世界の食の在り方を支配している。合成肉市場が拡大すると伝統的農家の破壊が更に進み、企業による寡占が加速することになる。

Figure 3 - uploaded by Lanka Horstink
AI管理の3Dプリンターで作られる合成肉は既に実用化の段階に。2022年末までには数千のレストランに供給され、消費者は自分で肉をデザインすることも可能。2029年までには1,400億ドルの市場を生み、世界の食肉消費の10%を占めると予想されている。食肉が「再定義」される。
Redefine Meat Brings 3D-Printed Steaks To Restaurants
米オレゴン州では家畜の屠殺は虐待、人工授精と去勢は性的暴行と再定義され、伝統的な畜産業は不可能になった。農家が潰れるお陰で州は「動物の聖域」になるそうだ。
Oregon initiative would ban animal slaughter, breeding
気候変動詐欺によって伝統的な小規模農家は益々「環境に優しくない」ものとして排斥され、ゲイツやベゾスは人々に本物に肉ではなく合成肉(大企業がラボで作った肉)を食べさせようとしている。
The Real Reason Bill Gates, Jeff Bezos and Google Want You to Eat Lab-Grown ‘Meat’
コロナウィルス・パニックによる経済悪化の所為で、安い肉に対する需要が高まっている。が「普通のハンバーガーを食べることは、メキシコのシングルマザーにCOVID-19の中で働くことを強いること」。そして安い肉には抗生物質、遺伝子組み換え酵母、ホルモンが入っている。
CHEAP MEAT is to blame for Covid-19 outbreaks at meat plants, ‘experts’ declare – so you might as well eat the damn bugs
2016年に「ビヨンドミート」と云う企業が発売した、植物から作られた合成肉を使った「ビヨンドバーガー」についてのQ&A。非常に結構なことばかり書いてある。これだけ読んだら確かにヴィーガンとか菜食主義者の中には飛び付く人が出て来るかも。
The Beyond Burger: Everything You’ve Wanted to Know
合成肉産業の可能性を示す「アート」として展示された「ウロボロスステーキ」は、ヒトの頬の内側から採取した細胞を3ヶ月培養して作ったもの。映画『ソイレント・グリーン』で描かれたヒトがヒトを食べる技術が現実のものに。
You can now eat human steak, scientists insist it’s not cannibalism
米国では偽肉(合成肉)は既に16の企業によって販売されており、ヴィーガンや菜食主義者向けのマーケティングも為されている。小規模農家は最早必要無く、大規模畜産工場すら不要。実験室で筋肉細胞を培養すれば良い。
16 Popular Fake Meat Brands – The Complete List of Products (2022)
2018年に米FDAが開いた公開討論では、合成肉(動物細胞培養技術を使用して生産された食品)を何と呼ぶべきかで大激論。「クリーンな肉」「人工肉」「試験管内肉」「細胞培養製品」「培養肉」「培養組織」。食肉業界は「クリーンな」と云う表現に大反発。

The Farcical Battle Over What to Call Lab-Grown Meat
ロックダウン政策開始から僅か数ヶ月で、合成肉の売り上げは264%急増。業界全体への投資は2020年には78億ドルに達している。合成生物学は収益性が非常に高い超成長産業。これが「持続可能な農業」の中身だ。

Bill Gates Wants Rich Countries To Move To 100% Synthetic Beef
ビル・ゲイツは気候変動に対処する為、先進諸国は100%合成牛肉に移行すべきだと発言。温暖化ガス削減を名目に、種苗のみならず食肉までもが知的所有権による囲い込みの対象とされ、人類の食料供給システム全体が市場ベースで投資家達に管理されることになる。
Bill Gates: Rich nations should shift entirely to synthetic beef
遺伝子編集によって「角の無い安全な牛」が開発され特許申請が為されているが、米FDAの研究では牛のゲノムに抗生物質耐性を与える予定外の細菌由来のDNAもまた挿入されており、予期せぬ影響が引き起こされる可能性は否定出来ない。
Genetically engineered hornless cattle: flaws in the genome overlooked
・これらは可能な限り本物の牛肉の味と食感を模倣すべく遺伝子操作された酵母から加工された偽の血液や農薬を含んだ成分を含む、スーパー加工食品、つまり新種のジャンクフードだ。原料は確かに植物かも知れないが、主な成分は全て高度に加工された濃縮物、オイル、フレーバー。これらは健康に悪影響を与え、肥満の蔓延、心血管疾患の発生率の上昇、全死亡リスクの増加を齎す。
・両者の総脂肪とカロリー量は、本物のビーフ・バーガーと略同じであり、どちらも処理されたナトリウムを含んでいる。
・これらに含まれる遺伝子操作された酵母細胞(大豆レグヘモグロビン)の安全性についての独立した調査は行われていない。メーカーの自己申告のみ(因みに米国で栽培されている大豆作物の94%は遺伝子組み換え)。
・両者の親会社がこれら集中飼料生産による牛肉生産の環境への影響を調査させたところ、二酸化炭素排出量は一部のカテゴリーで最大96%削減された。が、再生農業の場合の実質総排出量はマイナスだった。合成肉より再生農業による肉の方が二酸化炭素排出量は少ない。
・ジャンク・フードはジャンク・サイエンス、つまり健康を犠牲にして利益を上げることを目的とした情報に基付いている。砂糖、タバコ、オピオイド等の前例を考えれば、誇大広告を鵜呑みにしてはいけない。
The Fake Meat Scam
現代文明の技術に頼らずに昔ながらの移民的生活を営んでいるアーミッシュは、「神が自然に従って動物を飼育することを意図したと信じる方法で動物を飼育」しているが、米農務省が義務付けている化学防腐剤を使用していない為、連邦判事から多額の罰金と懲役刑で脅されている。米農務省の「有機認定」基準では、添加物を使わない農業は違法なのだ。そもそも仲介業者である巨大な食肉会社に中抜きされて利益を上げるのは難しく、食肉加工免許を取得する為には法外な費用が掛かる(最初の1ポンドの肉を売る前に10万ドルの債務を負わなければならない)。利益とカネが最優先される社会で、巨大企業は食肉の独占を狙っている。
Amish Organic Farmer Faces Hefty Fine, Jail Time for Producing Clean Meat
米FDAは通常の承認手続きを回避して、遺伝子編集された牛の市場出荷について「低リスク」とのお墨付きを与えた。ブラジルでは「予期しないDNAの変化」が懸念された為、同様の試みが2019年に中止されている。米国人は2年以内に遺伝子編集肉を口にする可能性が有るが、或る世論調査ではGM食品に満足しているのは32%に過ぎない。
FDA Gives Green Light to Gene-Edited Cattle
2015年の研究。合成肉は家畜よりも必要な農業投入物や土地は減るものの、より集中的なエネルギー使用を必要とする可能性が有る。「合成肉は地球に優しい」と云う話は全体像を見てから判断する必要が有る。
Anticipatory Life Cycle Analysis of In Vitro Biomass Cultivation for Cultured Meat Production in the United States
イスラエルに造られた世界初の培養肉(≠植物ベースの合成肉)生産用のメガラボでは、1日にハンバーガー5,000個分(500kg)の培養肉を生産する。鶏肉、豚肉、羊肉の養殖製品が生産されているが、次は牛肉。
5,000 Burgers Per Day: World's First Mega Lab-Grown Meat Factory Opens
「フード・システムの砂時計」。現在の世界の食糧供給体制に於いては生産者と消費者は大勢居るが、中間業者が極端に寡占化され、これらが世界の食の在り方を支配している。合成肉市場が拡大すると伝統的農家の破壊が更に進み、企業による寡占が加速することになる。

Figure 3 - uploaded by Lanka Horstink
AI管理の3Dプリンターで作られる合成肉は既に実用化の段階に。2022年末までには数千のレストランに供給され、消費者は自分で肉をデザインすることも可能。2029年までには1,400億ドルの市場を生み、世界の食肉消費の10%を占めると予想されている。食肉が「再定義」される。
Redefine Meat Brings 3D-Printed Steaks To Restaurants
米オレゴン州では家畜の屠殺は虐待、人工授精と去勢は性的暴行と再定義され、伝統的な畜産業は不可能になった。農家が潰れるお陰で州は「動物の聖域」になるそうだ。
Oregon initiative would ban animal slaughter, breeding
気候変動詐欺によって伝統的な小規模農家は益々「環境に優しくない」ものとして排斥され、ゲイツやベゾスは人々に本物に肉ではなく合成肉(大企業がラボで作った肉)を食べさせようとしている。
The Real Reason Bill Gates, Jeff Bezos and Google Want You to Eat Lab-Grown ‘Meat’
コロナウィルス・パニックによる経済悪化の所為で、安い肉に対する需要が高まっている。が「普通のハンバーガーを食べることは、メキシコのシングルマザーにCOVID-19の中で働くことを強いること」。そして安い肉には抗生物質、遺伝子組み換え酵母、ホルモンが入っている。
CHEAP MEAT is to blame for Covid-19 outbreaks at meat plants, ‘experts’ declare – so you might as well eat the damn bugs
2016年に「ビヨンドミート」と云う企業が発売した、植物から作られた合成肉を使った「ビヨンドバーガー」についてのQ&A。非常に結構なことばかり書いてある。これだけ読んだら確かにヴィーガンとか菜食主義者の中には飛び付く人が出て来るかも。
The Beyond Burger: Everything You’ve Wanted to Know
合成肉産業の可能性を示す「アート」として展示された「ウロボロスステーキ」は、ヒトの頬の内側から採取した細胞を3ヶ月培養して作ったもの。映画『ソイレント・グリーン』で描かれたヒトがヒトを食べる技術が現実のものに。
You can now eat human steak, scientists insist it’s not cannibalism
米国では偽肉(合成肉)は既に16の企業によって販売されており、ヴィーガンや菜食主義者向けのマーケティングも為されている。小規模農家は最早必要無く、大規模畜産工場すら不要。実験室で筋肉細胞を培養すれば良い。
16 Popular Fake Meat Brands – The Complete List of Products (2022)
2018年に米FDAが開いた公開討論では、合成肉(動物細胞培養技術を使用して生産された食品)を何と呼ぶべきかで大激論。「クリーンな肉」「人工肉」「試験管内肉」「細胞培養製品」「培養肉」「培養組織」。食肉業界は「クリーンな」と云う表現に大反発。

The Farcical Battle Over What to Call Lab-Grown Meat
ロックダウン政策開始から僅か数ヶ月で、合成肉の売り上げは264%急増。業界全体への投資は2020年には78億ドルに達している。合成生物学は収益性が非常に高い超成長産業。これが「持続可能な農業」の中身だ。


Bill Gates Wants Rich Countries To Move To 100% Synthetic Beef
ビル・ゲイツは気候変動に対処する為、先進諸国は100%合成牛肉に移行すべきだと発言。温暖化ガス削減を名目に、種苗のみならず食肉までもが知的所有権による囲い込みの対象とされ、人類の食料供給システム全体が市場ベースで投資家達に管理されることになる。
Bill Gates: Rich nations should shift entirely to synthetic beef
遺伝子編集によって「角の無い安全な牛」が開発され特許申請が為されているが、米FDAの研究では牛のゲノムに抗生物質耐性を与える予定外の細菌由来のDNAもまた挿入されており、予期せぬ影響が引き起こされる可能性は否定出来ない。
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