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所謂「ディープステート」の系譜

情報量が膨大なので要約はしないで紹介だけしておくが、カナダの歴史家マシュー・エレット氏がシャルルマーニュの昔まで遡って西洋のディープ・ステートの系譜を初心者向けにざっくり解説する動画。まぁ細かい点では私も色々同意しかねる点は有るのだけれども、現時点で表面だけ見ていては色々と説明の付かない点を上手く説明してくれるディープ・ステート説としては非常に有力なものではないかと思う。
Matthew Ehret on the fascistic origins of the EU

 ★マシュー・エレット氏によるディープ・ステート史観について詳しくは『ふたつのアメリカの衝突』三部作を参照のこと。大分荒削りな所も多いが非常に示唆に富む傑作。
共存共栄の多極化世界へ向けた心構えの指南署
  

アーロン・グッド氏によるディープ・ステートの解説。「アメリカ帝国のディープ・ステートとは、名目上の民主主義下に於けるトップダウンのガヴァナンスを指す。ディープ・ステートは単に以下のものを意味する訳ではない:
 ・CIA
 ・「ユダヤ人」
 ・フリーメイソン
 ・英王室
 ・マフィア
 ・ビルダーバーグ/CFR(外交問題評議会)/三極委員会/ダボス
 ・イルミナティ
 ・共産主義者
 ・(リバタリアンが言う意味での)「政府」
 ・LGBRQの秘密結社
 ・連邦準備制度
 ・ブラックロック/ヴァンガード/ステート・ストリート
 ・トカゲ人間/エイリアン
 ・アルゴリズム/確率的な問題(没人間的な構造に起因する偶然)
 ・連邦政府の官僚

 ディープ・ステートは以下のものである。
 ・親ファシズム(ヒトラーに資金提供したのは誰だったか?)
 ・寡頭制(オリガーキー)
 ・資本主義
 ・帝国
 この辺の話題に関して、日本語圏での言説は概してレヴェルが低く、基本的にネトウヨ向け。都市伝説を適当に繋ぎ合わせた様な、まともに読むに耐えないものが殆どなので、学術的な検証やジャーナリズムの基準に耐え得る本がもっと訳されることが望ましい。
The deep state is not a crazy conspiracy. It's how empire overrides democracy


アメリカ帝国のディープ・ステートについて論じた American Exception: Empire and the Deep State の著者、アーロン・グッド氏のマルチポラリスタによるインタビュー・シリーズ動画。マルクス主義的な歴史学者よりはもう少し洗練された帝国の権力構造を描いたC・ライト・ミルズの名著『パワー・エリート』の様な知見を踏まえた上で、何故米帝の民主主義制度は機能しないのか、何故米帝の外交政策は変わらないのか等を論じている。アメリカ合衆国はそもそも帝国主義的ベンチャー・ビジネスとして始まり、例えば人種差別の様な文化的特徴はそこから生まれた訳だが、リベラル派の歴史観はこうした表面の裏側に有る力学を無視したがるので(特に経済的な面について)、結果的に帝国主義的事業に対して支持・迎合してしまうことになる。名目的な民主主義の下では大事な決定は人民の目には触れない水面下に潜ることになるのだが、帝国の維持に必要な組織犯罪は(ピーター・デール・スコット氏が指摘している様に)ガヴァナンス・システムの不可欠の一部であって、冷戦期にはこれは反共主義の名の下に機能していたが、「共産主義の脅威」が消失した後になっても続いている為、これを理解するには単なる反共主義以上の説明が必要になる。
Origins of the US empire and deep state (with historian Aaron Good)

 「アメリカ帝国とディープ・ステート」シリーズの一覧はこちら。
US Empire and the Deep State series
 アーロン・グッド氏の著作はこれ。


エリック・ズエッセ氏の記事。冷戦の起源を大英帝国のセシル・ローズに求めており、米国を通じて世界を支配しようとした英帝の帝国主義者達の第二次大戦当時の代表がチャーチル。米帝は自国内に多くのローズ主義者を抱えており、ソ連にもトロツキーと云う独自の帝国主義者が居たが、FDRとスターリンは共に強烈な反帝国主義者だった。FDRが道半ばにして斃れていなければ、世界はFDRとスターリンの指導の下二極構造で安定し、国連は現在よりも強大で当初の理念通りに機能し(そして日本の憲法9条はGHQ民政局のニューディーラー達が思い描いた通りに機能し、日本の安全保障は自衛隊ではなく国連軍が担当し)ていたかも知れない。だが現実にはローズ主義者に囲まれたトルーマンとアイゼンハワーが冷戦を開始して世界平和の希望を潰した。

How the Cold War, Which Never Actually Stopped, Actually Started

『ふたつのアメリカの激突』の著者マシュー・エレット氏のインタビュー。FDRやスターリンやJFKが闘っていた相手は、チャーチルやケインズが所属していた帝国主義=反実体経済=マルサス主義のグループ。彼の歴史解釈は過激だが、現状では確かに一聴の価値が有ると思う。
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川流桃桜

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