作られた経済危機
ベン・ノートン氏による来るべき債務危機、特に米国についての解説。2008年以降FRBが続けて来たゼロ(実質マイナス)金利政策により、富の移転が加速(米国の貧しい半分は株全体の0.6%しか保有していない)しており、不動産分野で人為的に作られたバブルは爆ける時を待っている。遅かれ早かれ2008年を上回る危機がやって来る。
A huge debt crisis is coming
日本経済崩壊予測に関するシンシア・チャン氏の記事。依然としてブレーキ無しで突っ走る日銀と、急ブレーキを掛けたFRB。この食い違いが具体的にどう展開するのかは私には予測出来ないけれども(どちらへ進んでも結局は地獄だ)、遅かれ早かれ円が崩壊して、中央銀行のグローバリスト的金融再編に飲み込まれるであろうことは想像が付く。政治的・軍事的に日本は十全な独立主権国家とは言えないが(従って勿論民主主義国でもない)、経済的にもそうだ。中国やロシアの様に中央銀行を政府の管理下に置く方向に通貨制度を変えて行かないと、国民の生活が犠牲にされることになる。
Is Japan Willing to Cut Its Own Throat in Sacrifice to the U.S. Pivot to Asia?
日本は、米国の「アジア基軸」を追従して自らの首を絞めるのか?
★ロシアの石油に価格上限を設定すると云うG7の決定について、アンドリュー・コリブコ氏の分析。
ロシアの石油価格上限設定により、予測不能な結果が生じる可能性が有る(要点)
★ベン・ノートン氏の記事から貿易に関するグラフを抜き出してみた。対ロシア制裁やノルドストリームの破壊によって記録的な儲けを上げているのは誰か?
ノルドストリームを妨害したのは誰? 米国はロシアを弱体化させる「途轍も無い機会」を自慢。CIAは知っていた(抜粋)
ソレッレ・アモーレ氏の解説。近年最大の金融危機がやって来る、或いは既にやって来ていることは、最近の幾つもの展開から明らか。まぁ「ピンチはチャンスだ」とか前向きなことを言われても、世渡りの下手な一般庶民の一人としては頭を抱えて危機が拡大するのを傍観するしか無い。
It's HERE: the financial crash of a generation (has already begun)
人為的に作り出された金融危機の問題は「それは起こるのか」ではなく「何時起こるのか」だと思うが、今やそれを公然と指摘するアナリスト達も現れて来た。「この危機的状況から身を守るためにできることはほとんどありません。安全な側にいるよう心がけましょう」とか言われても、貧しい庶民に何程のことが出来るのだろうか。
The Expected Financial Crash Is Finally Here
MoA2022年10月03日 予想された金融危機がついに到来
2022/06/21に、元はブルームバーグで報じられた件だが、ラリー・サマーズ元米財務長官は、世界市場に大混乱を齎しているインフレを抑えるチャンスが有るとすれば、米国の失業率は長期間大幅に上昇する必要が有ると述べている。ロンドンでの講演で彼はこう発言したそうだ、「インフレを抑えるには失業率が5%を超える状態が5年続く必要が有ります。つまり7.5%の失業率が2年続くか、6%の失業状態が5年続くか、10%の失業状態が1年続く必要が有ります。」失業率が高くなると、商品を購入する自由裁量所得が減り、需要が減り、物価が低下する、と云う理屈らしいが、そもそも物価が高騰しているのは失業率が低く需要が高いからではなく、数々の実体経済破壊政策に因るものだ。インフレを抑える政策と云うのはつまりは失業率を上げる政策と云うことだが、高失業率と高インフレが共存してスタグフレーションになると目も当てられない結果になる。因みに6月上旬に発表されていた米国の失業率は3.6%だった。
5 years at 6% unemployment or 1 year at 10%: That’s what Larry Summers says we’ll need to defeat inflation
2022/08/31のエングダール氏の論説。エネルギー危機はロシアではなくベルリンとブリュッセルが意図的に仕組んだものであり、2022年のウクライナ危機より何年も前から徐々に進められて来たものだ。グローバル・パワーエリート層は庶民の生活を犠牲にして産業の空洞化を進める為に自殺的なアジェンダを遂行している。金融本主義者達と彼等が愛するグリーン・アジェンダは、99%の人々の利害と完全に相反しているのだ。
Europe’s Energy Armageddon From Berlin and Brussels, Not Moscow
以下は別リンクと邦訳。
Europe’s Energy Armageddon from Berlin and Brussels, Not Moscow
モスクワでなく、ベルリンとブリュッセル発のヨーロッパのエネルギー・アルマゲドン
★2022/09/16の記者会見でロシアのプーチン大統領は、欧州のエネルギー危機は無謀なグリーン・アジェンダから始まったとの見解を述べている。
ウズベキスタン訪問中最後の記者会見(抜粋)
英国を拠点とするリスク分析企業、Verisk Maplecroft の2022/09/01の報告。食料とエネルギーの価格上昇に伴って世界中で市民不安指数(Civil Unrest Index/CUI)が増大しており、198ヵ国の内101ヵ国でリスクが増加し、減少したのは僅か42カ国だった。
図1:2022年第2四半期〜第3四半期、50%以上の国で市民不安のリスクが高まる。

図2:市民不安指数の6ヶ月予測は暗い状況を描いている。
特に大きなリスク増加が予測されるのはボスニア・ヘルツェゴビナ、スイス、オランダ、ドイツ、ウクライナ。

101 countries witness rise in civil unrest in last quarter
チェコの元大統領ヴァーツラフ・クラウスは2022/08/26にのインタビューで、現在の世界的な経済危機の原因がウクライナ紛争だけであると云う考えを一蹴し、「これは西側の自業自得だ。ロシアの侵略はそれに拍車を掛けただけだ」と発言。ロシアはガス、石油、石炭の主要供給国だが、国際市場での「プレーヤーの一人」に過ぎず、「インフレの急上昇とエネルギー価格の大幅な上昇」を引き起こした最大の原因は、「『グリーンの精神錯乱』、即ち気候変動との戦いだとされているものとEUのグリーン・ディール」であり、ウクライナ紛争を解決しなければ状況は益々悪化するだけだ、「欧米、特に米国はロシアとの交渉を開始する必要が有る。多少なりとも知性を持つ人間であれば誰にでも解る話だ」と主張している。彼はまたロシアとの話し合いが必要だと云う今までの主張を繰り返し、そうした発言によって「プーチンの代弁者」の烙印を押される可能せについて尋ねられるとこう答えた、「そんなことを言うのはバカだけだ。バカが何を言おうと私は気にしない。」
Blame West for global inflation ― former Czech president
WEFは西洋自由民主主義ナチ陣営が対ロシア制裁によって自ら招いた(が、ロシアの所為にしている)エネルギー危機に際して、2011/03/11後の日本に学んで、節電やクールビズや活動時間帯調整や省エネ行動や再エネをやれと言っている。この完全に人為的なエネルギー危機は続けようと思えばずっと続けられるので、欧州はこの先、2011年の日本の様な状態を何年も続けろと言われているに等しい。
Lessons From Japan On How To Handle An Energy Crisis
フュルミヒ弁護士によるチョスドフスキー教授のインタビュー。COVID-19騒動が経済危機を作り出す為の巨大な詐欺であることについての簡単なおさらい。非西側諸国の共謀についてはお二人は意図的な共謀を疑っている様だが、この点は私は少し単純過ぎるのではないかと思う。
Prof. Michel E. Chossudovsky | Session 108: fiat iustitia
エングダール氏の分析。中央銀行が仕組んだ金融市場の崩壊によって、今後数ヶ月で史上最悪の経済不況が起こる。一般的な通念に反して、世界の金融システムの中心は株式市場ではなく債権市場。ここ14年間行われて来た前代未聞のゼロまたはマイナス金利によって作られた低利金融バブルの規模は途方も無いものだが、FRBが2022/06/15に決定したここ30年間で最大の単一利上げによって、債券の価値は崩壊する。債券価格が下がると銀行の資本価値も下り、仏独日の銀行が最もリスクに曝されることになるが、2008年とは違って今日の中央銀行は、ゼロ金利と更なる量的緩和を繰り返すことは最早出来ない。「世界的に計画された金融津波は始まったばかりだ。」

Global Planned Financial Tsunami Has Just Begun
エングダール氏の記事。米ユニオン・パシフィック鉄道は厳しい輸送制限措置を開始したが、これは窒素肥料やディーゼル排気液DEFの供給に影響を与える。またバイデン政権はガソリン価格の高騰に対して偽の救済策を発表し、バイオディーゼルとエタノール燃料の割合を増加させたが、これはトウモロコシの高騰に引き起こす。また鳥インフルエンザ詐欺の再起動によって卵/鶏蛋白質源が大幅に失われた。カリフォルニアとオレゴンでは旱魃により農家への灌漑用水が大幅に削減され、米帝の食糧安全保障は1930年代以来、意図的に重大な危機に晒されている。
EUもまた自殺的な対ロシア制裁とグリーン・アジェンダによって食糧危機を迎えており、他にも旱魃や大雨、上海のロックダウンが世界各地のサプライチェーンを脅かしている。国連世界食糧計画のビーズリー事務局長は「第二次世界大戦以来、これに近い前例は無い」と宣言した。
Biden Cynically Uses Ukraine to Cover Food Sabotage
「過去1世紀程のあらゆる主要な経済不況または景気後退はFRBの行動の意図的な政治的結果である」と主張して来たエングダール氏の論説。「インフレとの闘いに関するFRBの最近の声明と行動は、彼等が今後数ヶ月で本格的な世界的不況を引き起こすことを計画していることを示している。」FBRは賃金とインフレの間には反比例の関係が有るとするフィリップス曲線に基付いて、「インフレを『殺す』為に金利を引き上げることを正当化して来た(例:1979〜82年のボルカーによるインフレ)」が、2020年以降のロックダウンは賃金や景気とは全く関係が無い上、グローバル化した世界経済に於ては制裁(特に対ロシア)は脅威的なインフレの可能性を高めることになる。この状況でFBRが金利を引き上げれば、待っているのは1930年代を凌ぐ世界大恐慌だ。
Fed Inflation Lies, Russia Sanctions and a New World Order
エングダール氏の論説。西側が課した様々な制裁はウクライナでのロシア軍の軍事行動の殆ど影響を与えていないが、西側諸国、特に米帝とEU経済に強い影響を及ぼしている。欧州のディーゼル燃料価格は制裁開始前に既に30年の高値だったが、これは戦争とは何も関係も無く、2020年3月以降の世界的ロックダウンと、ウォール街と世界の金融会社の石油・ガス会社への投資撤退、所謂グリーン・アジェンダ/ESGの結果だ。2020年にはロシアは米帝に次ぐ世界第2位のディーゼル燃料輸出国であり、1日当たり100万バレル以上を輸出していた。内約70%は、EUとトルコ向け。EUは石炭も制裁対象に加えたが、恐らく今後石油とガスも続くだろう。
ディーゼル・エンジンは従来のモーターの中でエンジン効率が最高であり、ガソリン・エンジンよりも遙かに燃費が良い為、自動車燃料の略50%を占めているが、代用燃料は存在しない。既にロックダウンによって輸送、建築、農業、自動車のディーゼル需要は崩壊していたが、ディーゼル燃料が世界的に一時的または長期的に不足すると、サプライチェーン全体が凍結し、結果は壊滅的なものとなる。
原油価格の高騰、ロックダウンとその後の貿易再開に於ける供給の混乱によりディーゼル燃料価格はEUではここ1年で約2倍にまで高騰していたが、対ロシア制裁がそれに拍車を掛けている。石油危機だけではなく世界的なエネルギー危機が迫っている。
NATO Sanctions and the Coming Global Diesel Fuel Disaster
A huge debt crisis is coming
日本経済崩壊予測に関するシンシア・チャン氏の記事。依然としてブレーキ無しで突っ走る日銀と、急ブレーキを掛けたFRB。この食い違いが具体的にどう展開するのかは私には予測出来ないけれども(どちらへ進んでも結局は地獄だ)、遅かれ早かれ円が崩壊して、中央銀行のグローバリスト的金融再編に飲み込まれるであろうことは想像が付く。政治的・軍事的に日本は十全な独立主権国家とは言えないが(従って勿論民主主義国でもない)、経済的にもそうだ。中国やロシアの様に中央銀行を政府の管理下に置く方向に通貨制度を変えて行かないと、国民の生活が犠牲にされることになる。
Is Japan Willing to Cut Its Own Throat in Sacrifice to the U.S. Pivot to Asia?
日本は、米国の「アジア基軸」を追従して自らの首を絞めるのか?
★ロシアの石油に価格上限を設定すると云うG7の決定について、アンドリュー・コリブコ氏の分析。
ロシアの石油価格上限設定により、予測不能な結果が生じる可能性が有る(要点)
★ベン・ノートン氏の記事から貿易に関するグラフを抜き出してみた。対ロシア制裁やノルドストリームの破壊によって記録的な儲けを上げているのは誰か?
ノルドストリームを妨害したのは誰? 米国はロシアを弱体化させる「途轍も無い機会」を自慢。CIAは知っていた(抜粋)
ソレッレ・アモーレ氏の解説。近年最大の金融危機がやって来る、或いは既にやって来ていることは、最近の幾つもの展開から明らか。まぁ「ピンチはチャンスだ」とか前向きなことを言われても、世渡りの下手な一般庶民の一人としては頭を抱えて危機が拡大するのを傍観するしか無い。
It's HERE: the financial crash of a generation (has already begun)
人為的に作り出された金融危機の問題は「それは起こるのか」ではなく「何時起こるのか」だと思うが、今やそれを公然と指摘するアナリスト達も現れて来た。「この危機的状況から身を守るためにできることはほとんどありません。安全な側にいるよう心がけましょう」とか言われても、貧しい庶民に何程のことが出来るのだろうか。
The Expected Financial Crash Is Finally Here
MoA2022年10月03日 予想された金融危機がついに到来
2022/06/21に、元はブルームバーグで報じられた件だが、ラリー・サマーズ元米財務長官は、世界市場に大混乱を齎しているインフレを抑えるチャンスが有るとすれば、米国の失業率は長期間大幅に上昇する必要が有ると述べている。ロンドンでの講演で彼はこう発言したそうだ、「インフレを抑えるには失業率が5%を超える状態が5年続く必要が有ります。つまり7.5%の失業率が2年続くか、6%の失業状態が5年続くか、10%の失業状態が1年続く必要が有ります。」失業率が高くなると、商品を購入する自由裁量所得が減り、需要が減り、物価が低下する、と云う理屈らしいが、そもそも物価が高騰しているのは失業率が低く需要が高いからではなく、数々の実体経済破壊政策に因るものだ。インフレを抑える政策と云うのはつまりは失業率を上げる政策と云うことだが、高失業率と高インフレが共存してスタグフレーションになると目も当てられない結果になる。因みに6月上旬に発表されていた米国の失業率は3.6%だった。
5 years at 6% unemployment or 1 year at 10%: That’s what Larry Summers says we’ll need to defeat inflation
2022/08/31のエングダール氏の論説。エネルギー危機はロシアではなくベルリンとブリュッセルが意図的に仕組んだものであり、2022年のウクライナ危機より何年も前から徐々に進められて来たものだ。グローバル・パワーエリート層は庶民の生活を犠牲にして産業の空洞化を進める為に自殺的なアジェンダを遂行している。金融本主義者達と彼等が愛するグリーン・アジェンダは、99%の人々の利害と完全に相反しているのだ。
Europe’s Energy Armageddon From Berlin and Brussels, Not Moscow
以下は別リンクと邦訳。
Europe’s Energy Armageddon from Berlin and Brussels, Not Moscow
モスクワでなく、ベルリンとブリュッセル発のヨーロッパのエネルギー・アルマゲドン
★2022/09/16の記者会見でロシアのプーチン大統領は、欧州のエネルギー危機は無謀なグリーン・アジェンダから始まったとの見解を述べている。
ウズベキスタン訪問中最後の記者会見(抜粋)
英国を拠点とするリスク分析企業、Verisk Maplecroft の2022/09/01の報告。食料とエネルギーの価格上昇に伴って世界中で市民不安指数(Civil Unrest Index/CUI)が増大しており、198ヵ国の内101ヵ国でリスクが増加し、減少したのは僅か42カ国だった。
図1:2022年第2四半期〜第3四半期、50%以上の国で市民不安のリスクが高まる。

図2:市民不安指数の6ヶ月予測は暗い状況を描いている。
特に大きなリスク増加が予測されるのはボスニア・ヘルツェゴビナ、スイス、オランダ、ドイツ、ウクライナ。

101 countries witness rise in civil unrest in last quarter
チェコの元大統領ヴァーツラフ・クラウスは2022/08/26にのインタビューで、現在の世界的な経済危機の原因がウクライナ紛争だけであると云う考えを一蹴し、「これは西側の自業自得だ。ロシアの侵略はそれに拍車を掛けただけだ」と発言。ロシアはガス、石油、石炭の主要供給国だが、国際市場での「プレーヤーの一人」に過ぎず、「インフレの急上昇とエネルギー価格の大幅な上昇」を引き起こした最大の原因は、「『グリーンの精神錯乱』、即ち気候変動との戦いだとされているものとEUのグリーン・ディール」であり、ウクライナ紛争を解決しなければ状況は益々悪化するだけだ、「欧米、特に米国はロシアとの交渉を開始する必要が有る。多少なりとも知性を持つ人間であれば誰にでも解る話だ」と主張している。彼はまたロシアとの話し合いが必要だと云う今までの主張を繰り返し、そうした発言によって「プーチンの代弁者」の烙印を押される可能せについて尋ねられるとこう答えた、「そんなことを言うのはバカだけだ。バカが何を言おうと私は気にしない。」
Blame West for global inflation ― former Czech president
WEFは西洋自由民主主義ナチ陣営が対ロシア制裁によって自ら招いた(が、ロシアの所為にしている)エネルギー危機に際して、2011/03/11後の日本に学んで、節電やクールビズや活動時間帯調整や省エネ行動や再エネをやれと言っている。この完全に人為的なエネルギー危機は続けようと思えばずっと続けられるので、欧州はこの先、2011年の日本の様な状態を何年も続けろと言われているに等しい。
Lessons From Japan On How To Handle An Energy Crisis
フュルミヒ弁護士によるチョスドフスキー教授のインタビュー。COVID-19騒動が経済危機を作り出す為の巨大な詐欺であることについての簡単なおさらい。非西側諸国の共謀についてはお二人は意図的な共謀を疑っている様だが、この点は私は少し単純過ぎるのではないかと思う。
Prof. Michel E. Chossudovsky | Session 108: fiat iustitia
エングダール氏の分析。中央銀行が仕組んだ金融市場の崩壊によって、今後数ヶ月で史上最悪の経済不況が起こる。一般的な通念に反して、世界の金融システムの中心は株式市場ではなく債権市場。ここ14年間行われて来た前代未聞のゼロまたはマイナス金利によって作られた低利金融バブルの規模は途方も無いものだが、FRBが2022/06/15に決定したここ30年間で最大の単一利上げによって、債券の価値は崩壊する。債券価格が下がると銀行の資本価値も下り、仏独日の銀行が最もリスクに曝されることになるが、2008年とは違って今日の中央銀行は、ゼロ金利と更なる量的緩和を繰り返すことは最早出来ない。「世界的に計画された金融津波は始まったばかりだ。」

Global Planned Financial Tsunami Has Just Begun
エングダール氏の記事。米ユニオン・パシフィック鉄道は厳しい輸送制限措置を開始したが、これは窒素肥料やディーゼル排気液DEFの供給に影響を与える。またバイデン政権はガソリン価格の高騰に対して偽の救済策を発表し、バイオディーゼルとエタノール燃料の割合を増加させたが、これはトウモロコシの高騰に引き起こす。また鳥インフルエンザ詐欺の再起動によって卵/鶏蛋白質源が大幅に失われた。カリフォルニアとオレゴンでは旱魃により農家への灌漑用水が大幅に削減され、米帝の食糧安全保障は1930年代以来、意図的に重大な危機に晒されている。
EUもまた自殺的な対ロシア制裁とグリーン・アジェンダによって食糧危機を迎えており、他にも旱魃や大雨、上海のロックダウンが世界各地のサプライチェーンを脅かしている。国連世界食糧計画のビーズリー事務局長は「第二次世界大戦以来、これに近い前例は無い」と宣言した。
Biden Cynically Uses Ukraine to Cover Food Sabotage
「過去1世紀程のあらゆる主要な経済不況または景気後退はFRBの行動の意図的な政治的結果である」と主張して来たエングダール氏の論説。「インフレとの闘いに関するFRBの最近の声明と行動は、彼等が今後数ヶ月で本格的な世界的不況を引き起こすことを計画していることを示している。」FBRは賃金とインフレの間には反比例の関係が有るとするフィリップス曲線に基付いて、「インフレを『殺す』為に金利を引き上げることを正当化して来た(例:1979〜82年のボルカーによるインフレ)」が、2020年以降のロックダウンは賃金や景気とは全く関係が無い上、グローバル化した世界経済に於ては制裁(特に対ロシア)は脅威的なインフレの可能性を高めることになる。この状況でFBRが金利を引き上げれば、待っているのは1930年代を凌ぐ世界大恐慌だ。
Fed Inflation Lies, Russia Sanctions and a New World Order
エングダール氏の論説。西側が課した様々な制裁はウクライナでのロシア軍の軍事行動の殆ど影響を与えていないが、西側諸国、特に米帝とEU経済に強い影響を及ぼしている。欧州のディーゼル燃料価格は制裁開始前に既に30年の高値だったが、これは戦争とは何も関係も無く、2020年3月以降の世界的ロックダウンと、ウォール街と世界の金融会社の石油・ガス会社への投資撤退、所謂グリーン・アジェンダ/ESGの結果だ。2020年にはロシアは米帝に次ぐ世界第2位のディーゼル燃料輸出国であり、1日当たり100万バレル以上を輸出していた。内約70%は、EUとトルコ向け。EUは石炭も制裁対象に加えたが、恐らく今後石油とガスも続くだろう。
ディーゼル・エンジンは従来のモーターの中でエンジン効率が最高であり、ガソリン・エンジンよりも遙かに燃費が良い為、自動車燃料の略50%を占めているが、代用燃料は存在しない。既にロックダウンによって輸送、建築、農業、自動車のディーゼル需要は崩壊していたが、ディーゼル燃料が世界的に一時的または長期的に不足すると、サプライチェーン全体が凍結し、結果は壊滅的なものとなる。
原油価格の高騰、ロックダウンとその後の貿易再開に於ける供給の混乱によりディーゼル燃料価格はEUではここ1年で約2倍にまで高騰していたが、対ロシア制裁がそれに拍車を掛けている。石油危機だけではなく世界的なエネルギー危機が迫っている。
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