fc2ブログ

プレバンキング(心理的予防接種理論)

ウクライナ紛争を巡るプレバンキングの事例について、偽情報を広めている側から書かれている記事。「偽情報と戦う」と云う口実で偽情報を広める訳だ。注意深い観察者でなければ、予め「騙されないで!」と断る嘘などと云う心理的トリックに気付くのは難しい。認知戦の現状に於て大手メディアのニュースを読むのはマジックショーを見る様なものだ。
90秒アニメで「フェイクに予防接種」、ウクライナ情報戦の次の一手とは?

ケンブリッジ大学によるプレバンキングの解説記事。TVや新聞の様なオールド・メディアが情報を殆ど独占していた時代が終わり、ソーシャルメディアによって情報がラディカルに平等に普及することが可能になった時代に於て、何が真実で何が嘘かを決めるのは個人の裁量に委ねられている。だが大量の情報が氾濫する時代に於て、人はひとつひとつの情報を全て確認することは出来ない。だからこそ、人は何を真実と捉える傾向が有るのか、そのメカニズムを詳細に理解することが重要になって来る。これは対象がどんな問題かを問わない。
Social media experiment reveals potential to 'inoculate' millions of users against misinformation

ケンブリッジ大学によるプレバンキングの解説動画。「偽情報」や「フェイクニュース」や「陰謀論」から人々を守る為に、予め何が真実で何が虚偽なのかを大衆に植え付けておこうと云う試みだ。これは無論本物の誤った情報に抵抗する為の技術としても使えるが、偽情報を信じさせる為の技術として使うことも出来る。そして最後のあてつけがましい金正恩の笑顔を見ても解る様に、嘘の世界観で世界を支配しようとしている民主主義にとっての真の脅威は、西洋の帝国主義者やグローバリスト共の方だ。
The Vaccine for Fake News


「誤情報」に対するGoogleのプレバンキング事業はドイツにまで広がっている。Facebook、YouTube、TikTok等のプラットフォームで写真や動画を使って、何が真実で何が誤情報なのかをユーザーに伝えることによって、ユーザーの「偽情報」に対する心理的抵抗力を強化するのが狙いだ。
Google to expand ‘disinformation’ campaign in Europe

プレバンキング(心理的予防接種)の手法は2022年、ウクライナからの難民を東欧諸国の市民に受け入れさせる為にも利用されている。Googleの行動技術部門のジグソーは、ポーランド・スロバキア・チェコ共和国のユーザーを対象に、難民に関する「有害な」情報についてのビデオクリップを使用している。これは「誤情報」に対する人々の心理的な「抵抗力」を高めるのが目的だ。
Google to ‘inoculate’ Eastern Europeans against disinformation

地政学アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏はプレバンキングをメディア・リテラシーの問題と結び付け、これをロシアの対ハイブリッド戦争戦略である「民主的安全保障」の一形態として捉えることが出来ると位置付けている。プレバンキングによって誤情報や偽情報の具体例を知って批判的思考力を養うことでメディア・リテラシーを上げておけば、新冷戦に於けるプロパガンダに効果的に対抗することが出来る。

Pre-Bunking, Media Literacy, & Democratic Security
 メディア・リテラシーに関するコリブコ氏の2020/08/17の記事。「脅迫や検閲ではなくメディア・リテラシーこそが、所謂プロパガンダと戦う最善の方法だ」。
Media Literacy, Not Intimidation & Censorship, Is The Best Way To Fight So-Called Propaganda

2022/08/25のAP通信は、ウクライナ難民に関する誤情報を挙げ(例によってロシアによる不安定化工作だなどと主張している)、害の無い事例を使って虚偽の主張に対する心理的防御を強化し、人々の批判的思考を鍛える「プレバンキング」の手法が有効だと主張している。「但しプレバンキング動画は特定の主張を対象としておらず、何が真実であり何がそうでないかについて主張する訳ではない。代わりに、虚偽の主張が一般的にどの様に機能するかを視聴者に教える。」と云う建前だ。
‘Pre-bunking’ shows promise in fight against misinformation

2021/10/29、NATO戦略的コミュニケーション能力向上センターによる接種理論の解説。ワクチン、気候変動、COVID-19に関する「誤情報」への対策として、「心理学と行動科学がオンラインの誤情報を軽減する為に果たすことの出来る役割を探」っている。

Inoculation Theory and Misinformation

2015年に設立された西側諜報部と繋がる言論統統制NGO、ファースト・ドラフトは2022年6月を以て閉鎖。同団体のミッションはブラウン大学公衆衛生学部のInformation Futures Labに引き継がれることになった。これは「世界中のニュースルーム、非営利団体、新興企業、政府機関、大学での業務経験が豊富な2人のコミュニケーション専門家によって共同設立・共同監督」されており、「誤情報を防ぎ、信頼を築く人々」に「リソース、スキル、知識」を提供することを使命としている。またIFL は「学界、公衆衛生、ニュースルーム、コミュニティ・ベースの組織、図書館、学校、政府機関、テクノロジー企業」とグローバルに協力している。
Information Futures Lab
 2022/06/14、情報未来研究所(IFL)の設立発表記事。「誤情報、データ不足、時代遅れのコミュニケーション慣行と闘い、イノヴェーションを促進する」ことを謳っている。

Brown School of Public Health launches new Lab to combat misinformation, data deficits, outdated communication practices — and to catalyze innovation

AP通信やWSJ、NYタイムズ等の、フェイクニュースや偏向報道を連発している恥知らずなザ・御用メディアの御用記者マーティン・ファクラー氏が情弱な読者向けに書いた本の紹介記事。「インフォデミック」に対する「コミュニケーション・ワクチン」を打って、フェイクニュースや陰謀論に対して心理的免疫を付けることを推奨している。まぁ日々大量の嘘を垂れ流している側の人間が書いていることなので挙げている具体例は笑止千万なのだが、一般論としては確かに正しいことも言っている。ここで挙げられている「ファクトチェッカー」と称するものは何れもバリバリの利害関係者で、独立した調査機関とは到底言い難い。「嘘に騙されないで」と警告しておいて騙すタイプの詐欺は有り触れたものだが、多少なりとも実例を知っていないと仲々この手口には気付き難い。私としては一般的に言って嘘を吐くより嘘を見破ったり反論したりする方が難しい(問題に対するより深い理解が必要とされる)ので、ファクトチェック記事を読み込んで何処がおかしいのかを考えることで勉強になったことも少なくない。同様の構図は例えば「ロシアや中国がフェイクニュースを流している」と云う主張についても当て嵌まる。これは西側諸国が流しているフェイクニュースだ。この点に気が付いているか否かだけでも、世の中を見る眼差しはガラリと変わる。
新型コロナのデマから身を守る方法


★誤情報に対する心理的予防接種に関する英語の動画シリーズ。
YouTubeでの実験で、誤情報に対してユーザーを「予防接種」出来る可能性が明らかに(シリーズ動画)

「プレバンキング(心理的予防接種)って何? それは誤情報病に対するワクチンです」と云う、誤情報/フェイクニュース/陰謀論を病気に例えた解説動画。つまり特定の話題(健康危機、自然災害、大きな政治的出来事)について、何を信じるべきかを予め人々に伝えておけば、いざ誤情報が「流行(viral)した際に、人々は自分の頭を使って迷わなくて済む。何が真実かを決めるのは個々人ではなく、巨大権力ネットワークが作った「ファクトチェッカー」にお任せ!と云う訳だ。
What is Prebunking? The Vaccine Against Misinformation Fever | The Quint


★プレバンキングの具体的なテクニックの紹介。
ワクチン誤情報に於けるレトリック戦略をプレバンキングする(要点)

2020年1月から2021年5月までのWHOの「インフォデミック管理」の概要。COVID-19公式物語を人々に信じさせる為に実に広範な情報管理の努力が行われていることが窺える。
An overview of infodemic management during COVID-19, January 2020–May 2021
 WHOのCOVID-19インフォデミック管理は宗教指導者、信仰に基付く組織、信仰共同体をも対象にし、彼等に政府の方針を支援させるべく働き掛けを行なっている。
World Health Organization strategy for engaging religious leaders, faith-based organizations and faith communities in health emergencies

WHOのEPI-WIN(感染症の為の情報ネットワーク)は偽情報や誤情報によるインフォデミックを防ぐ為に機械学習やAI、ビッグデータを駆使してネット、SNS、各種メディアの情報を管理し、人々の誤情報に対する「集団免疫」獲得に努めている。
Immunizing the public against misinformation
ロイターの御用記者さんが大衆洗脳の秘訣を解説して下さっています。


★「誤情報」の影響力を削ぐ為のテクニック。
コロナウイルスの誤情報と戦う為に有効だと専門家が言っていること(要点)

オンラインの「誤情報」の拡散に対抗し、人々のメディアリテラシーを教育し、グローバルな監視サーヴィスを提供するDROGのパートナーは
 ・グローバル・エンゲージメント・センター(米国務省)
 ・マイクロソフト
 ・英国内閣府
 ・オランダ内務&王室関係省
 ・欧州委員会
DROG

「誤情報」から人々を守り、「精神的抗体」を産生させ心理的抵抗を養うべく、ケンブリッジの社会意思決定ラボでは3つのゲームを作成。
 ・Bad News
 ・Harmony Square
 ・Go Viral!
 人々は楽しみながら洗脳されて行く。

A New Way to Inoculate People Against Misinformation

味覚マップを事例に、誤情報の拡散に警告を鳴らす動画。殆どは伝言ゲームに於ける不正確さが原因だが、伝えられる物語の単純性が状況を悪化させる。人々は単純さを求めるが、現実は、特に科学は複雑なものだ。
Why people fall for misinformation

「誤情報」の拡散に対抗する為の具体的なテクニックを紹介した動画(日本語字幕可)。現実にはこの構図は真逆なのだが、誤情報プロパガンダを広めている連中の手口と、それに対抗する為のヒントを知ることが出来る。
Can you outsmart a troll (by thinking like one)?

気候変動問題が「政治化」され「誤情報」が広がるのを防ぐには、専門家の間で高レヴェルの規範的合意(コンセンサス)が有ることを伝えることが重要である。
Inoculating the Public against Misinformation about Climate Change

気候変動問題について、Debunkingの為のハンドブック。「誤情報」を排除し、公式の物語に人々を誘導する為のガイド。
Debunking Handbook 2020
 気候変動問題に関する"Debunking Handbook 2020"公式CM。「誤情報」がウィルスと同じであり、拡散を防ぐ為に「予防接種」が必要であると考えられていることが判る。


西側民主主義諸国の公式の言説や政治に於ける誤情報(フェイクニュース)の浸透に対抗すべく、社会心理主義が兵器化され、「接種 Inoculation」または"Prebunking"理論が編み出された。情報の伝播を生物学的類推で捉え「精神的抗体」を産生する試みは1961年まで遡る。
Countering Misinformation and Fake News Through Inoculation and Prebunking

ソーシャルメディアのオンラインゲームを使用した実験では、「接種」理論に基付くPrebunking介入を行うことによって、「誤情報」に対する感受性を減らせることが判明している。スマホ等は「デジタルリテラシー教育ツール」として言論統制に利用出来る。
Prebunking interventions based on “inoculation” theory can reduce susceptibility to misinformation across cultures

"Prebunking"とは偽情報に対する精神的予防接種。誤った情報に対して「心理的集団免疫」を達成する為の概念。要するに最新版の検閲手法。
 誤った情報に対抗し、人々の「精神的抗体」を産生する為の「(精神的)接種」の基本要素とは:
 ・警告する。
 ・反論によって先制攻撃する。
 ・誤解を招くメッセージを微量投与する。
What Is Prebunking?

★First Draftのプレバンキング・ガイドの要点を纏めてみた。誤情報から身を守りたい人にお薦め。
プレバンキング(心理的予防接種)へのガイド:誤情報に対して予防接種する為の頼もしい方法(要点)

Team Halo:「安全で効果的」なワクチンに対する人々の信頼を構築する為に協力している世界中のボランティアの医師達。国連の「デマ」対策"Verified Initiative"の一部で、ロンドン大学のワクチン信頼プロジェクトと協力。GAVIと連携し、IKEA財団から支援を受けている。
Team Halo

一次ソースを確認する能力を持たない人々に対する洗脳工作の基本は、とにかくワクチンメーカーにとって不利な事実を一切知らせないこと。「ワクチンは必要で安全で有効」と云うメッセージだけを繰り返し刷り込んで、公式の物語に異論を唱える人々を排除する。
“ワクチンデマ”惑わされないために知っておきたいこと
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
全体像が知りたい場合は「カテゴリ」の「テーマ別スレッド一覧」を参照。

ブログランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ PVアクセスランキング にほんブログ村 人気ブログランキング
良ければクリックをお願いします。
最新記事
カテゴリ
リンク
最新コメント
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR