左派のファシスト2.0化
2022/03/20に配信された、「世界の植民地勢力に対するロシアのウクライナでの防衛戦争」に関する議論。植民地主義と奴隷制の上に成り立つ西洋と、それらを持たなかったロシア人の態度は違うとした上で、今の欧米の左派を、「白人ナショナリスト」「植民地主義の左派」「レーニンが100年前に批判した日和見左派」「ファシズムと戦うと称しながら植民地支配を支持した左派」と扱き下ろしている。20世紀のグローバルサウスの多くの国々にとって、ソ連が提示した共産主義/マルクス・レーニン主義とは単なる経済システムや統治機構のことではなく、脱植民地主義や祖国独立・解放闘争や人種差別との戦いを意味していたことを、もう一度再考すべきではないか。と云うかそうしないと、これからの多極化時代を全く理解出来なくなる。新植民地主義や帝国主義、新自由主義をラディカルに批判しようとしない/批判出来ない左派は、ジャン・ブリクモン氏の言う「自覚無き帝国秩序の手先達」にしか成れない。
WATCH: NEGATING COLONIAL LIES ABOUT RUSSIA
#OmaliTaughtMe Sunday Study: Negating Colonial Lies About Russia!
ハキム氏が、西洋の富裕な白人の左派によく見られる傾向としての反共主義についての個人的な感想を述べている。これは故アンドレ・ヴルチェク氏なども指摘していたことだが、彼等は理想通りに展開する現実の革命など存在しないことを理解しようとしない。彼等は上から目線で「ああすれば良かった。こうした方が良かった」などと、「有り得たかも知れない革命」を基準に、様々な社会主義実験を評価し、その成果を屢々無視する。そして現実の複雑なコンテクストやニュアンス、或いは端的に事実を全く無視して、「権力に飢えているだけの冷酷非情な独裁者」と云う安直なイメージを好む。それは正に資本主義プロパガンダ路線と一致している為に彼等は屢々持て囃されるが、それはその「独裁者」を支持して懸命に努力した何百万人もの声無き人々の意思と尊厳を蔑ろにするものだ。
Left Anticommunism: An Infantile Disorder
【推奨】社会活動家チャールズ・ピアース氏による論説。西側の自称左派の多くがウクライナ紛争に関する無知や誤解によって、実質的に、ジャン・ブリクモン氏の言う「自覚無き帝国秩序の手先達」に成り果ててしまっている現状を指摘している。私も「ロシアの工作員」呼ばわりされる様になった者の一人として言わせて貰うと、私自身としては別にロシアに傾倒した覚えは無く、自分は昔から極く普通の反戦主義者だと思っている。だが以前の数々の嘘からどうやら何も教訓を学んで来なかったリテラシーの低い「左派」達が、どんどん帝国主義プロパガンダに好き放題自分達を洗脳させて行ってネトウヨ化して行ったので、リテラシー・ギャップによる世界観の隔たりが最早容易には埋め様が無い程にまで拡大してしまったのだ。私が親ロシアになった訳ではない、彼等の方が親帝国主義的傾向を強めて行ったのだ。この記事ではウクライナ紛争に関する基本的な背景事情を説明してあるけれども、正直に言って日本語環境ではアクセスが難しい情報ばかりなので、本気で戦争に反対したかったら、自動翻訳で構わないので海外の情報に接する習慣を身に付けないと、どんどん認知的な檻の中に閉じ込められて行ってガラパゴス化して行くだけだと思う。
(↓普通の人は誰だって戦争には反対だ。だが「戦争の最初の犠牲者は真実である」ことを理解していないと、戦争に反対しているつもりで戦争を支持することになる!)

Ukraine War, Divided Left: “Social Patriots” and the “Anti-Imperialism of Fools”!
ウクライナ戦争、分裂する左翼---「社会愛国主義者」と「愚か者たちの反帝国主義」!
アーロン・グッド、ベンジャミン・ノートン、シェイマス・Mの3氏による鼎団。何故西側の学者(特に新左翼)は帝国主義やディープステートの現実が見えないのか/見ようとしないのかを論じている。まぁ体制内で生き残りたかったら細分化された既存の枠組みに嵌めて現実を捉えねばならないので、既存の枠組みで捉え切れない現実は除外されてしまう。現実を捉える為に新しい枠組みを模索する様な人が「陰謀論者」の枠に括られてしまうのは、既存の文化的再生産システムの中で生きようとすると避けられない事態だとも言える。これを掬い取って報いられる様な新しい制度が作られれば良いのだが、今はまだその様な制度は存在しない。腹を括った草の根の諸個人のガッツだけが頼りの状況だ。
How Western academia ignores imperialism and state criminality (with historian Aaron Good)
アーロン・グッド氏はディープ・ステートに関するこの本の著者。
★ヴァネッサ・ビーリィ氏の記事。西側の代表的な反体制派知識人であるノーム・チョムスキー氏が、彼自身が正に批判している体制派知識人として振る舞っている事例を挙げている。
現実のノーム・チョムスキー(要点と補足)
狐狸庵居士さんのウクライナ情勢解説記事。この方の様に、「日本の大手メディアはひとつ残らず大政翼賛化して嘘ばかり流しているのだから、一般市民が騙されてロシアを悪魔視してしまうのは仕方が無い」と云う見解の持ち主を時々見掛けるが、私はそうした意見には一理有るとはおもいつつも、全面賛同はしない立場だ。「マスコミが堕落したら市民が洗脳されるのは当然」とする見方は、余りにも市民の自主性を軽視している様に思う。マスコミが嘘を吐いていたら、「嘘を吐くなコンチクショー!正しい情報は一体何処を探せば見付かるんだ?」と努力するのが、責任感の有る真っ当な市民の義務ではなかろうか。伊丹万作は1946年に、小出裕章氏は2011年に、騙された側の責任を問うた。COVID-19パンデミック詐欺も、ウクライナ紛争も、冷静に虚偽報道の行間を読んで自分の頭で考えることが出来ていたら、そこらの中学生であっても「何かおかしいな」と気が付くであろう綻びなど幾らでも有る。それらを悉く見過ごしてしまったのは、騙された方が自らの知性を適切に働かせなかった所為ではなかろうか。伊丹万作の言葉から引こう。
「「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。」
『ウクライナ問題の正体』第3部、その2、「ウクライナ軍は勝っている!?」
米帝では中絶の権利を巡る対立が連日報道されているが。これを疑うべき理由が幾つか。
・ロー対ウェイド事件の判決が覆されることについて事前に漏洩が行われたが、これは米国史上前例が無い。
・中絶の権利とは即ち「自分の体に関することは自分で選択して決める(My Body, My Choise)」権利のことだが、これを擁護する同じリベラルが、COVID-19ワクチン強制問題に関しては人々の肉体主権を積極的に否定している。
・これを報道しているマスコミは、これより遙かに大規模な反COVID-19「対策」デモについては熱心に黙殺乃至軽視している。
・ウクライナのナチ支援と対ロシア・レジームチェンジ工作の失敗、制裁による食料や燃料価格の高騰等の問題がこれによって覆い隠されている。
・中絶問題よりも遙かに包括的な問題は独占金融資本の政治的支配だが、共和党も民主党も、戦争やファシズム2.0や経済崩壊に対する解決策を持ち合わせていない。
つまり中絶問題とは、表面的な左右対立の構図を作り出し、より根本的な問題から人々の目を逸らす為の、管理された見せ物として機能している。

A Struggle for Abortion Rights?
ウクライナ紛争を巡って「もっと強いNATO」を求める大馬鹿野郎のスラヴォイ・ジジェクを酷評した記事。
「実際のところ、スラヴォイ・ジジェクは、仰々しい分析や、一貫性が無く屢々相矛盾する哲学的なタワゴト、勿体振った言い回しによって、搾取システム自体を「白塗り」しようとする疑似マルクス主義の山師以外の何者でもない。」
彼は1999年のNATOによるユーゴスラヴィアの爆撃も支持したし、「共産主義を擁護するフリをしている時でさえ、ジジェクはそれを言葉だけで、抽象的な理論的問題として行なっており、社会政治的な分野への応用から意図的に切り離している。」彼は彼自身が批判した「カフェイン抜きの革命、革命の匂いがしない革命」を望む「神経質なリベラル」に過ぎない。

Slavoj Žižek, an apologist of Capitalism disguised as "Marxist philosopher"
現実の裏側を読むことを売りにしている思想家スラヴォイ・ジジェクは、何故か西側のフェイクニュースやプロパガンダの裏側を読むことは全く出来ないらしく、COVID-19パンデミック詐欺や気候変動詐欺に関して次々体制派に与した挙句、今ではウクライナの味方をしなければ左派ではないとかもう末期的なことを言っている。完全にNATOのプロパガンダに絡め取られてまるっきり論理的な思考が出来ていない彼の知的な袋小路は、西側には最早本物の反戦左派が存在しないことを象徴している。彼は「レミングの群れを導くレミング」だ。

A LEMMING LEADING THE LEMMINGS: SLAVOJ ZIZEK AND THE TERMINAL COLLAPSE OF THE ANTI-WAR LEFT
★西側には何故最早左派は存在しないのかについての、ジャン・ブリクモンの2013年のエッセイの要点。
自覚無き帝国秩序の手先達:おめでたい左派(要点)
わざわざ字幕を付けてくれた方には悪いが、何だかもうチョムスキーの耄碌っぷりと言うか、西側の既存の左派の傲慢さと知的限界が露呈している様なインタビュー動画。ウクライナ問題に限らず、チョムスキーの近年の発言はもうがっかりさせられてばかりだ。インタビューを行っている側の『インターセプト』も体制寄りのガス抜き要員でしかないと私は思っていたのだが、その評価が再確認された。
知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」―全世界必見の動画!【日本語字幕付き】
エドワード・カーティン氏の記事。左派の反戦主義者はウクライナ紛争についても、反ロシア戦争プロパガンダの嘘を見抜いているかどうかで立場が全く真逆のものとなる。右派やネオコンは真っ直ぐ批判すれば済むが、実際には帝国主義やエリート層による略奪に奉仕している左派はより悪臭を放っている。
The Subtleties of Anti-Russia Leftist Rhetoric
最近のチョムスキー氏のインタビューより。これが名著『マニュファクチャリング・コンセント』の曾ての共著者とは信じ難い。
「(西側の)戦争報道には「重大な嘘」は無いと思います。米国のメディアは一般的に、ウクライナでのロシアの犯罪を報道する上で非常に信頼出来る仕事をしています。戦争犯罪の裁判の可能性に備えて国際的な調査が進行中であることが有益であるのと同様、それは有益なことです。」
Noam Chomsky: Propaganda Wars Are Raging as Russia’s War on Ukraine Expands
一応反戦主義者と云うことになっているクリス・ヘッジズ氏の記事より。彼はNATOのユーゴ爆撃を「必要なことだ」と支持した前科が有り、フェイクニュースをちゃんと見抜けているのかどうかは疑問。彼もまた現実とは懸け離れ他空想の世界の住人だ。
「プーチンの報復主義は我々自身のものと一致している。
ロシア軍の徴集兵の無秩序、愚劣さ、士気の低さ、そして数日でウクライナを転覆出来ると確信しているロシアの最高司令部の諜報活動の度重なる失敗は、ロシアが世界的な脅威であるという嘘を暴露している。」
「『ロシアの熊は実質上自らを無力化した』と歴史家のアンドリュー・バセヴィッチは書いている。
だがこれは戦争メーカーが国民に伝える真実ではない。9週間の屈辱的な軍事的失敗にも関わらず、ロシアは世界的な脅威になるために誇張されなければならないのだ。」
Chris Hedges: The Age of Self-Delusion
カナダやニュージーランドで起こっていることは正にファシズム2.0だと私は思うが、既存の左派は自由主義の伝統に積極的に背を向け、疑問や批判や抵抗に与する者達を「ファシストの反ワクチン」と罵倒する政治家を寧ろ支持している。ファシズムが「社会全体の為の個人の否定。国家への個人の完全服従」だとするなら、ファシストは正に彼等の方だ。

Why the left now looks more like the hard right
COVID-19パンデミック詐欺開始以降、既存の左派の大半は完全に間違った側に付いてしまって、今だに軌道修正が出来ずにいる。彼等が支持しているのは、
・経済全体の閉鎖と、失業拡大と賃金削減。
・何世紀もの労働者階級闘争の成果であった市民の自由(言論、結社、抗議、運動等の自由)の破壊。
・反体制派の見解や議論の検閲と、全体主義的な政府のプロパガンダによるメディアの飽和。
・不潔なマスクの着用等、体制への忠誠を示す儀式の強要。
・子供達の教育のキャンセル。
・捏造された科学に基付く恣意的な公衆衛生命令による人々の日常生活の細かい管理。
・殆どの人にとって不必要で、多くの人にとって有害で、あらゆる人にとって効果の無い実験的遺伝子治療の強制。
・自分の身体的主権を国家に譲り渡すことを拒否した二級市民の悪魔化、軽視、スケープゴート化、差別。
・救世主ワクチンの手品によるビッグファーマの荒稼ぎ。
・労働者階級の娯楽・文化の追求を停止させ、人生のあらゆる快楽と喜びを吸い取る。
今や左派の多くは右派反動勢力の様に見える。そしてその政治空間の空白を寧ろ右派が埋めている。左派はパンデミック詐欺を契機に「人々」から完全に離反した。

Left, Right, Left, Right, Left …
COVID-19パンデミック詐欺に於て既存の左派組織はその殆どが似非科学による公衆衛生対策を装ったファシズム2.0に取り込まれてしまった。その現実を前に失望と戸惑いを感じている少数派は今だに「何故?」と問い続けているが、はっきりした答えは出ない。
The inexplicable response of the Left to the Covid crisis
COVID-19パンデミック詐欺に於て既存の左派は極く少数の例外を除いて対応を180度間違え、科学は政治化された。原因としては密かな権威と支配の待望、新自由主義に於ける国家の役割についての誤解、科学の盲信等が挙げられるが、とにかく左派は恥ずべき歴史的大敗を喫した。
THE LEFT’S COVID FAILURE
史上最悪の大規模人体実験であるCOVID-19ワクチン接種はグローバルな大衆洗脳工作によって可能になっているが、この全体主義体制を側面支援しているのが左派の連中。彼等は自分の無謬性を信じて疑わないので、容易にカルト的思考に陥る。
Vaccine Virtue Signaling And The Cult Of Woke
カナダのフリーダムコンボイ2022に対して、アムネスティ・インターナショナル、Antihate.ca、カナダ共産党等は公然とこれを嘲罵し、ヴェネズエラのオリノコ・トリビューンなぞは彼等を自国のグアリンバに喩えている。多民族が抗議に参加していると云う現実を無視し、ラテンアメリカやウクライナのファシストを支援しているオタワのファシスト政権を支持する彼等は労働者階級を裏切っている。
THE OUTRAGEOUS DEPTHS TO WHICH THE FALLEN LEFT HAVE DESCENDED
多くの左派が非科学的で抑圧的なCOVID-19「対策」を支持しているが、その原因として考えられるのは、
・政治的記憶喪失:医療・公衆衛生業界がどれだけ腐っているかを忘れている。
・統計的事実を誤解していたりCOVID-19の定義を理解していない。
・トランプが反対したと云う理由で、ロックダウンもまた人を殺すことを認めることが出来ない。
・ワクチンに関するリスク計算を行う能力が無い。
・民主党と共和党の政治的闘争を巡る混乱。
今や左派は公然と自由の抑圧を支持し、反労働者階級的スタンスを取っている。
How the organized Left got Covid wrong, learned to love lockdowns and lost its mind: an autopsy
WATCH: NEGATING COLONIAL LIES ABOUT RUSSIA
#OmaliTaughtMe Sunday Study: Negating Colonial Lies About Russia!
ハキム氏が、西洋の富裕な白人の左派によく見られる傾向としての反共主義についての個人的な感想を述べている。これは故アンドレ・ヴルチェク氏なども指摘していたことだが、彼等は理想通りに展開する現実の革命など存在しないことを理解しようとしない。彼等は上から目線で「ああすれば良かった。こうした方が良かった」などと、「有り得たかも知れない革命」を基準に、様々な社会主義実験を評価し、その成果を屢々無視する。そして現実の複雑なコンテクストやニュアンス、或いは端的に事実を全く無視して、「権力に飢えているだけの冷酷非情な独裁者」と云う安直なイメージを好む。それは正に資本主義プロパガンダ路線と一致している為に彼等は屢々持て囃されるが、それはその「独裁者」を支持して懸命に努力した何百万人もの声無き人々の意思と尊厳を蔑ろにするものだ。
Left Anticommunism: An Infantile Disorder
【推奨】社会活動家チャールズ・ピアース氏による論説。西側の自称左派の多くがウクライナ紛争に関する無知や誤解によって、実質的に、ジャン・ブリクモン氏の言う「自覚無き帝国秩序の手先達」に成り果ててしまっている現状を指摘している。私も「ロシアの工作員」呼ばわりされる様になった者の一人として言わせて貰うと、私自身としては別にロシアに傾倒した覚えは無く、自分は昔から極く普通の反戦主義者だと思っている。だが以前の数々の嘘からどうやら何も教訓を学んで来なかったリテラシーの低い「左派」達が、どんどん帝国主義プロパガンダに好き放題自分達を洗脳させて行ってネトウヨ化して行ったので、リテラシー・ギャップによる世界観の隔たりが最早容易には埋め様が無い程にまで拡大してしまったのだ。私が親ロシアになった訳ではない、彼等の方が親帝国主義的傾向を強めて行ったのだ。この記事ではウクライナ紛争に関する基本的な背景事情を説明してあるけれども、正直に言って日本語環境ではアクセスが難しい情報ばかりなので、本気で戦争に反対したかったら、自動翻訳で構わないので海外の情報に接する習慣を身に付けないと、どんどん認知的な檻の中に閉じ込められて行ってガラパゴス化して行くだけだと思う。
(↓普通の人は誰だって戦争には反対だ。だが「戦争の最初の犠牲者は真実である」ことを理解していないと、戦争に反対しているつもりで戦争を支持することになる!)


Ukraine War, Divided Left: “Social Patriots” and the “Anti-Imperialism of Fools”!
ウクライナ戦争、分裂する左翼---「社会愛国主義者」と「愚か者たちの反帝国主義」!
アーロン・グッド、ベンジャミン・ノートン、シェイマス・Mの3氏による鼎団。何故西側の学者(特に新左翼)は帝国主義やディープステートの現実が見えないのか/見ようとしないのかを論じている。まぁ体制内で生き残りたかったら細分化された既存の枠組みに嵌めて現実を捉えねばならないので、既存の枠組みで捉え切れない現実は除外されてしまう。現実を捉える為に新しい枠組みを模索する様な人が「陰謀論者」の枠に括られてしまうのは、既存の文化的再生産システムの中で生きようとすると避けられない事態だとも言える。これを掬い取って報いられる様な新しい制度が作られれば良いのだが、今はまだその様な制度は存在しない。腹を括った草の根の諸個人のガッツだけが頼りの状況だ。
How Western academia ignores imperialism and state criminality (with historian Aaron Good)
アーロン・グッド氏はディープ・ステートに関するこの本の著者。
★ヴァネッサ・ビーリィ氏の記事。西側の代表的な反体制派知識人であるノーム・チョムスキー氏が、彼自身が正に批判している体制派知識人として振る舞っている事例を挙げている。
現実のノーム・チョムスキー(要点と補足)
狐狸庵居士さんのウクライナ情勢解説記事。この方の様に、「日本の大手メディアはひとつ残らず大政翼賛化して嘘ばかり流しているのだから、一般市民が騙されてロシアを悪魔視してしまうのは仕方が無い」と云う見解の持ち主を時々見掛けるが、私はそうした意見には一理有るとはおもいつつも、全面賛同はしない立場だ。「マスコミが堕落したら市民が洗脳されるのは当然」とする見方は、余りにも市民の自主性を軽視している様に思う。マスコミが嘘を吐いていたら、「嘘を吐くなコンチクショー!正しい情報は一体何処を探せば見付かるんだ?」と努力するのが、責任感の有る真っ当な市民の義務ではなかろうか。伊丹万作は1946年に、小出裕章氏は2011年に、騙された側の責任を問うた。COVID-19パンデミック詐欺も、ウクライナ紛争も、冷静に虚偽報道の行間を読んで自分の頭で考えることが出来ていたら、そこらの中学生であっても「何かおかしいな」と気が付くであろう綻びなど幾らでも有る。それらを悉く見過ごしてしまったのは、騙された方が自らの知性を適切に働かせなかった所為ではなかろうか。伊丹万作の言葉から引こう。
「「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。」
『ウクライナ問題の正体』第3部、その2、「ウクライナ軍は勝っている!?」
米帝では中絶の権利を巡る対立が連日報道されているが。これを疑うべき理由が幾つか。
・ロー対ウェイド事件の判決が覆されることについて事前に漏洩が行われたが、これは米国史上前例が無い。
・中絶の権利とは即ち「自分の体に関することは自分で選択して決める(My Body, My Choise)」権利のことだが、これを擁護する同じリベラルが、COVID-19ワクチン強制問題に関しては人々の肉体主権を積極的に否定している。
・これを報道しているマスコミは、これより遙かに大規模な反COVID-19「対策」デモについては熱心に黙殺乃至軽視している。
・ウクライナのナチ支援と対ロシア・レジームチェンジ工作の失敗、制裁による食料や燃料価格の高騰等の問題がこれによって覆い隠されている。
・中絶問題よりも遙かに包括的な問題は独占金融資本の政治的支配だが、共和党も民主党も、戦争やファシズム2.0や経済崩壊に対する解決策を持ち合わせていない。
つまり中絶問題とは、表面的な左右対立の構図を作り出し、より根本的な問題から人々の目を逸らす為の、管理された見せ物として機能している。

A Struggle for Abortion Rights?
ウクライナ紛争を巡って「もっと強いNATO」を求める大馬鹿野郎のスラヴォイ・ジジェクを酷評した記事。
「実際のところ、スラヴォイ・ジジェクは、仰々しい分析や、一貫性が無く屢々相矛盾する哲学的なタワゴト、勿体振った言い回しによって、搾取システム自体を「白塗り」しようとする疑似マルクス主義の山師以外の何者でもない。」
彼は1999年のNATOによるユーゴスラヴィアの爆撃も支持したし、「共産主義を擁護するフリをしている時でさえ、ジジェクはそれを言葉だけで、抽象的な理論的問題として行なっており、社会政治的な分野への応用から意図的に切り離している。」彼は彼自身が批判した「カフェイン抜きの革命、革命の匂いがしない革命」を望む「神経質なリベラル」に過ぎない。

Slavoj Žižek, an apologist of Capitalism disguised as "Marxist philosopher"
現実の裏側を読むことを売りにしている思想家スラヴォイ・ジジェクは、何故か西側のフェイクニュースやプロパガンダの裏側を読むことは全く出来ないらしく、COVID-19パンデミック詐欺や気候変動詐欺に関して次々体制派に与した挙句、今ではウクライナの味方をしなければ左派ではないとかもう末期的なことを言っている。完全にNATOのプロパガンダに絡め取られてまるっきり論理的な思考が出来ていない彼の知的な袋小路は、西側には最早本物の反戦左派が存在しないことを象徴している。彼は「レミングの群れを導くレミング」だ。

A LEMMING LEADING THE LEMMINGS: SLAVOJ ZIZEK AND THE TERMINAL COLLAPSE OF THE ANTI-WAR LEFT
★西側には何故最早左派は存在しないのかについての、ジャン・ブリクモンの2013年のエッセイの要点。
自覚無き帝国秩序の手先達:おめでたい左派(要点)
わざわざ字幕を付けてくれた方には悪いが、何だかもうチョムスキーの耄碌っぷりと言うか、西側の既存の左派の傲慢さと知的限界が露呈している様なインタビュー動画。ウクライナ問題に限らず、チョムスキーの近年の発言はもうがっかりさせられてばかりだ。インタビューを行っている側の『インターセプト』も体制寄りのガス抜き要員でしかないと私は思っていたのだが、その評価が再確認された。
知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」―全世界必見の動画!【日本語字幕付き】
エドワード・カーティン氏の記事。左派の反戦主義者はウクライナ紛争についても、反ロシア戦争プロパガンダの嘘を見抜いているかどうかで立場が全く真逆のものとなる。右派やネオコンは真っ直ぐ批判すれば済むが、実際には帝国主義やエリート層による略奪に奉仕している左派はより悪臭を放っている。
The Subtleties of Anti-Russia Leftist Rhetoric
最近のチョムスキー氏のインタビューより。これが名著『マニュファクチャリング・コンセント』の曾ての共著者とは信じ難い。
「(西側の)戦争報道には「重大な嘘」は無いと思います。米国のメディアは一般的に、ウクライナでのロシアの犯罪を報道する上で非常に信頼出来る仕事をしています。戦争犯罪の裁判の可能性に備えて国際的な調査が進行中であることが有益であるのと同様、それは有益なことです。」
Noam Chomsky: Propaganda Wars Are Raging as Russia’s War on Ukraine Expands
一応反戦主義者と云うことになっているクリス・ヘッジズ氏の記事より。彼はNATOのユーゴ爆撃を「必要なことだ」と支持した前科が有り、フェイクニュースをちゃんと見抜けているのかどうかは疑問。彼もまた現実とは懸け離れ他空想の世界の住人だ。
「プーチンの報復主義は我々自身のものと一致している。
ロシア軍の徴集兵の無秩序、愚劣さ、士気の低さ、そして数日でウクライナを転覆出来ると確信しているロシアの最高司令部の諜報活動の度重なる失敗は、ロシアが世界的な脅威であるという嘘を暴露している。」
「『ロシアの熊は実質上自らを無力化した』と歴史家のアンドリュー・バセヴィッチは書いている。
だがこれは戦争メーカーが国民に伝える真実ではない。9週間の屈辱的な軍事的失敗にも関わらず、ロシアは世界的な脅威になるために誇張されなければならないのだ。」
Chris Hedges: The Age of Self-Delusion
カナダやニュージーランドで起こっていることは正にファシズム2.0だと私は思うが、既存の左派は自由主義の伝統に積極的に背を向け、疑問や批判や抵抗に与する者達を「ファシストの反ワクチン」と罵倒する政治家を寧ろ支持している。ファシズムが「社会全体の為の個人の否定。国家への個人の完全服従」だとするなら、ファシストは正に彼等の方だ。

Why the left now looks more like the hard right
COVID-19パンデミック詐欺開始以降、既存の左派の大半は完全に間違った側に付いてしまって、今だに軌道修正が出来ずにいる。彼等が支持しているのは、
・経済全体の閉鎖と、失業拡大と賃金削減。
・何世紀もの労働者階級闘争の成果であった市民の自由(言論、結社、抗議、運動等の自由)の破壊。
・反体制派の見解や議論の検閲と、全体主義的な政府のプロパガンダによるメディアの飽和。
・不潔なマスクの着用等、体制への忠誠を示す儀式の強要。
・子供達の教育のキャンセル。
・捏造された科学に基付く恣意的な公衆衛生命令による人々の日常生活の細かい管理。
・殆どの人にとって不必要で、多くの人にとって有害で、あらゆる人にとって効果の無い実験的遺伝子治療の強制。
・自分の身体的主権を国家に譲り渡すことを拒否した二級市民の悪魔化、軽視、スケープゴート化、差別。
・救世主ワクチンの手品によるビッグファーマの荒稼ぎ。
・労働者階級の娯楽・文化の追求を停止させ、人生のあらゆる快楽と喜びを吸い取る。
今や左派の多くは右派反動勢力の様に見える。そしてその政治空間の空白を寧ろ右派が埋めている。左派はパンデミック詐欺を契機に「人々」から完全に離反した。

Left, Right, Left, Right, Left …
COVID-19パンデミック詐欺に於て既存の左派組織はその殆どが似非科学による公衆衛生対策を装ったファシズム2.0に取り込まれてしまった。その現実を前に失望と戸惑いを感じている少数派は今だに「何故?」と問い続けているが、はっきりした答えは出ない。
The inexplicable response of the Left to the Covid crisis
COVID-19パンデミック詐欺に於て既存の左派は極く少数の例外を除いて対応を180度間違え、科学は政治化された。原因としては密かな権威と支配の待望、新自由主義に於ける国家の役割についての誤解、科学の盲信等が挙げられるが、とにかく左派は恥ずべき歴史的大敗を喫した。
THE LEFT’S COVID FAILURE
史上最悪の大規模人体実験であるCOVID-19ワクチン接種はグローバルな大衆洗脳工作によって可能になっているが、この全体主義体制を側面支援しているのが左派の連中。彼等は自分の無謬性を信じて疑わないので、容易にカルト的思考に陥る。
Vaccine Virtue Signaling And The Cult Of Woke
カナダのフリーダムコンボイ2022に対して、アムネスティ・インターナショナル、Antihate.ca、カナダ共産党等は公然とこれを嘲罵し、ヴェネズエラのオリノコ・トリビューンなぞは彼等を自国のグアリンバに喩えている。多民族が抗議に参加していると云う現実を無視し、ラテンアメリカやウクライナのファシストを支援しているオタワのファシスト政権を支持する彼等は労働者階級を裏切っている。
THE OUTRAGEOUS DEPTHS TO WHICH THE FALLEN LEFT HAVE DESCENDED
多くの左派が非科学的で抑圧的なCOVID-19「対策」を支持しているが、その原因として考えられるのは、
・政治的記憶喪失:医療・公衆衛生業界がどれだけ腐っているかを忘れている。
・統計的事実を誤解していたりCOVID-19の定義を理解していない。
・トランプが反対したと云う理由で、ロックダウンもまた人を殺すことを認めることが出来ない。
・ワクチンに関するリスク計算を行う能力が無い。
・民主党と共和党の政治的闘争を巡る混乱。
今や左派は公然と自由の抑圧を支持し、反労働者階級的スタンスを取っている。
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