リベラリズム(自由主義)再考
エリック・ズエッセ氏の記事。私自身は言葉の定義の問題には関心が薄いのだけれど(大抵はコンテクストの問題だ)、帝国主義プロパガンダを鵜呑みにして物事の本質からのらりくらりと逃げ続ける堕落したリベラル(自由主義者。自覚無き帝国秩序の手先)に対して、「進歩派」は違うのだ、と云う形で差別化を図ろうとする流れも有る様だ。下の動画は米国で最も進歩的な州であるヴァーモント州でのリベラル候補と進歩主義候補との公開討論。ウクライナ問題についての意見の違いを見れば、どちらがよりまともかは一目瞭然。「核戦争には反対だ」と云う至極シンプルなことを主張するのに、何をごちゃごちゃ「考える」必要が有るのか? 嘘を嘘だと言えないからはっきりものが言えなくなるんだよ。
The Difference Between a Liberal and a Progressive
Highlights from U.S. House debate with Becca Balint and Liam Madden
ファシズムのリベラリズムの親和性についての著書の有る、イスラエルのイシャイ・ランダ准教授のインタビュー。政治的な自由主義はともかく、所有権を至高の価値とする経済的自由主義は、基本的に中間層の思想であって、本質的に大衆(労働者、プロレタリアート)嫌悪の要素を多分に持っていることを押さえておくことが必要だろう。ランダ氏はニーチェの「最後の人間」概念を、右派と左派とを繋ぐ重要な要因として挙げているが、19世紀末以降の西洋思想界に通奏低音として流れているこのはっきりしたエリート志向を見落としてしまうと、状況の全体像が見えなくなってしまうだろう。「ファシズム」や「社会主義」と云う言葉は、特に右派が濫用したがって好き勝手な意味で使われているが、左派もまた濫用したがる。自由主義がファシズムの対極であるかの様な言説が流行した80年代が、新自由主義が全世界を席巻して社会主義や労働運動を弱体化した時期であることは偶然ではない。
[ENG] On the Elective Affinities of Liberalism and Fascism w/ Ishay Landa - 99 ZU EINS - Ep. 134
西側からは「世界最悪の極右思想家」と罵倒されるロシアのユーラシア主義者アレクサンドル・ドゥギンのインタビュー。自由主義は歴史的限界の有る思想で、冷戦が終わって対抗軸が失われた今は全体主義を志向している。反自由主義は反植民地主義、反ファシズムとは切り離せない。
Aleksandr Dugin on freedom beyond liberalism
「リベラリズムはファシズムに対する最後の防波堤」か? 理念としての自由主義ではなく現実の歴史的自由主義を振り返ると、それは寧ろファシズムと親和性が高かったことが判る。ファシズムを打ち負かしたのは共産主義。自由主義もファシズムも共に資本主義の産物だ。
Liberalism and Fascism: Partners in Crime
Charles W. Mills氏の講義:理念ではなく歴史上のリベラリズムは全て白人の思想であり、社会契約は包摂ではなく排除の原理の上に成り立っている。架空の理想状態のことしか語れないロールズの正義論などは偽善の最たるもの。
Charles W. Mills: "Liberalism and Racial Justice"
自由主義の欺瞞を暴いた痛烈なエッセイ。経済的自由主義は見せ掛けの政治的自由主義によって人々を騙し、資本主義体制を強化する。ファシズムもその帰結だし、新自由主義はそのアップデート版。「ファシズムとリベラリズムは同根ではないのか?」は、今現に左派やリベラルを自認する多くの人々が自覚無しにファシズム2.0に加担している状況を顧みるに、ラディカルな再考が求められている喫緊のテーマではないだろうか。
Liberalism: the two-faced tyranny of wealth
英語で26分。哲学の教科書には絶対に載っていないが、イマニュエル・カントはドン引きする程の白人至上主義者だった。哲学者(殆ど白人)が「人間」について語る時、具体的にどんなものを入れるカテゴリーを想定しているかを気にしてみるべき。
Is Philosophy Just White Guys J3rk!ng Off? | Philosophy Tube
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅤ「富裕層の復讐」。
ファシズムの芽はリベラリズムの中に内臓されている。問題は階級。植民地主義と帝国主義の申し子たるブルジョワ階級の保身と云うリベラリズムの暗黒面を理解しなければ、それを良き方向へ変えることなど出来ない。
The Dark Side of Liberalism - Episode 5: Wrap it in the Flag and Hand it the Cross (Fascism)
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅣ「資本主義の逆襲」。
現実のリベラリズムはファシズムと極めて親和性が高い。ファシズムは自称する様な社会主義などではなく、経済的リベラリズムが共産主義の脅威から自己の階級利益を守る為に育てたものである。
The Dark Side of Liberalism - Episode 4: Liberals and Fascism - The Monster in the Mirror
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅢ「階級戦争」。
現実のリベラリズムは自己の階級の利益を築く為に常に差別を必要として来た。階級闘争に於てそれは基本的に抵抗する側ではなく抑圧する側である。
The Dark Side of Liberalism - Episode 3: The Class Wars
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅡ「亡霊の経済」。
ブルジョワ階級の産物であるリベラリズムは自己の階級の利益を守ることに執着し、それ以外には興味が無い。所謂「非人間」に対する配慮は常に後回しで、その為に似非科学の権威を捏造することも厭わない。
The Dark Side Of Liberalism - Episode 2: The Phantom Economics
Ishay Landaの著書”The Apprentice's Sorcerer”に基付く動画『リベラリズムの暗黒面』全5部の第1部。政治的リベラリズムではなく経済的リベラリズムを実際の歴史的文脈に於いて捉え直す作業が必要。それは植民地主義と帝国主義の時代の産物である。
The Dark Side Of Liberalism - Episode I: Returns of the Empire
The Difference Between a Liberal and a Progressive
Highlights from U.S. House debate with Becca Balint and Liam Madden
ファシズムのリベラリズムの親和性についての著書の有る、イスラエルのイシャイ・ランダ准教授のインタビュー。政治的な自由主義はともかく、所有権を至高の価値とする経済的自由主義は、基本的に中間層の思想であって、本質的に大衆(労働者、プロレタリアート)嫌悪の要素を多分に持っていることを押さえておくことが必要だろう。ランダ氏はニーチェの「最後の人間」概念を、右派と左派とを繋ぐ重要な要因として挙げているが、19世紀末以降の西洋思想界に通奏低音として流れているこのはっきりしたエリート志向を見落としてしまうと、状況の全体像が見えなくなってしまうだろう。「ファシズム」や「社会主義」と云う言葉は、特に右派が濫用したがって好き勝手な意味で使われているが、左派もまた濫用したがる。自由主義がファシズムの対極であるかの様な言説が流行した80年代が、新自由主義が全世界を席巻して社会主義や労働運動を弱体化した時期であることは偶然ではない。
[ENG] On the Elective Affinities of Liberalism and Fascism w/ Ishay Landa - 99 ZU EINS - Ep. 134
西側からは「世界最悪の極右思想家」と罵倒されるロシアのユーラシア主義者アレクサンドル・ドゥギンのインタビュー。自由主義は歴史的限界の有る思想で、冷戦が終わって対抗軸が失われた今は全体主義を志向している。反自由主義は反植民地主義、反ファシズムとは切り離せない。
Aleksandr Dugin on freedom beyond liberalism
「リベラリズムはファシズムに対する最後の防波堤」か? 理念としての自由主義ではなく現実の歴史的自由主義を振り返ると、それは寧ろファシズムと親和性が高かったことが判る。ファシズムを打ち負かしたのは共産主義。自由主義もファシズムも共に資本主義の産物だ。
Liberalism and Fascism: Partners in Crime
Charles W. Mills氏の講義:理念ではなく歴史上のリベラリズムは全て白人の思想であり、社会契約は包摂ではなく排除の原理の上に成り立っている。架空の理想状態のことしか語れないロールズの正義論などは偽善の最たるもの。
Charles W. Mills: "Liberalism and Racial Justice"
自由主義の欺瞞を暴いた痛烈なエッセイ。経済的自由主義は見せ掛けの政治的自由主義によって人々を騙し、資本主義体制を強化する。ファシズムもその帰結だし、新自由主義はそのアップデート版。「ファシズムとリベラリズムは同根ではないのか?」は、今現に左派やリベラルを自認する多くの人々が自覚無しにファシズム2.0に加担している状況を顧みるに、ラディカルな再考が求められている喫緊のテーマではないだろうか。
Liberalism: the two-faced tyranny of wealth
英語で26分。哲学の教科書には絶対に載っていないが、イマニュエル・カントはドン引きする程の白人至上主義者だった。哲学者(殆ど白人)が「人間」について語る時、具体的にどんなものを入れるカテゴリーを想定しているかを気にしてみるべき。
Is Philosophy Just White Guys J3rk!ng Off? | Philosophy Tube
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅤ「富裕層の復讐」。
ファシズムの芽はリベラリズムの中に内臓されている。問題は階級。植民地主義と帝国主義の申し子たるブルジョワ階級の保身と云うリベラリズムの暗黒面を理解しなければ、それを良き方向へ変えることなど出来ない。
The Dark Side of Liberalism - Episode 5: Wrap it in the Flag and Hand it the Cross (Fascism)
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅣ「資本主義の逆襲」。
現実のリベラリズムはファシズムと極めて親和性が高い。ファシズムは自称する様な社会主義などではなく、経済的リベラリズムが共産主義の脅威から自己の階級利益を守る為に育てたものである。
The Dark Side of Liberalism - Episode 4: Liberals and Fascism - The Monster in the Mirror
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅢ「階級戦争」。
現実のリベラリズムは自己の階級の利益を築く為に常に差別を必要として来た。階級闘争に於てそれは基本的に抵抗する側ではなく抑圧する側である。
The Dark Side of Liberalism - Episode 3: The Class Wars
『リベラリズムの暗黒面』エピソードⅡ「亡霊の経済」。
ブルジョワ階級の産物であるリベラリズムは自己の階級の利益を守ることに執着し、それ以外には興味が無い。所謂「非人間」に対する配慮は常に後回しで、その為に似非科学の権威を捏造することも厭わない。
The Dark Side Of Liberalism - Episode 2: The Phantom Economics
Ishay Landaの著書”The Apprentice's Sorcerer”に基付く動画『リベラリズムの暗黒面』全5部の第1部。政治的リベラリズムではなく経済的リベラリズムを実際の歴史的文脈に於いて捉え直す作業が必要。それは植民地主義と帝国主義の時代の産物である。
The Dark Side Of Liberalism - Episode I: Returns of the Empire
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