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ブラジル

★セルヒオ・ロドリゲス・ゲルフェンシュタイン氏の記事の抄訳。NATO東方拡大ならぬ、NATOの実質的西半球拡大問題について、2023年時点での各国の状況。
ラテンアメリカとカリブ海地域に於けるNATOの軍事的プレゼンスの増大(抄訳)

★2023年4月のスーダンでの軍事衝突の1ヶ月前、国連安保理では嘘に基付く対スーダン制裁の延長が決定されていた。ロシアや中国とは異なり、ブラジルはこの非道な嘘に賛成票を投じた。
安全保障理事会は決議2676(2023)を採択し、スーダン制裁専門家パネルの任務を延長することを決定(要点)

コリブコ氏の分析。
 ・2023/04/17、米国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、前週の中国訪問中の「米国は戦争をけしかけるのを止め、平和について話し始める必要が有ります。欧州連合は平和について話し始める必要が有ります」と云うブラジルのルラ大統領の発言について、「「ロシアと中国のプロパガンダをオウム返しにしている」とコメント。
 ・翌04/18に行われたルーマニア大統領との会談で、ルラは「私の政府はウクライナの領土保全の侵害を非難しています」と発言。米国から圧力を受けると直ぐ屈してしまうのが今のルラ。
Here’s Why Lula Badmouthed Russia Right After Lavrov Left Brazil

★ウクライナ紛争に対するブラジルの態度変更について、アンドリュー・コリブコ氏の分析の要点。
ブラジルは2014年のウクライナに関する国連総会の投票で棄権した。これはルラの労働者党が方針を変更したことを証明している(要点)

コリブコ氏の記事、2023年3月末、ブラジルの元外相で大統領外交政策顧問セルソ・アモリム氏はモスクワへ赴き、(恐らくは招待されて)プーチン大統領と1時間の会談を行った。CNNブラジルの報道を読む限りはかなり慎重な物言いをしていた様だ(英訳も見付けた)。ルラ大統領はこれまでの所ロシアとの関係に関して、自国のプラグマティックな利益よりもイデオロギーを優先させて来た為、ロシア側では彼等の外交政策の動向について、強い関心を示していると云う意思表示をした訳だ。ブラジルのヴィエイラ外相は、プーチンがブラジルを訪れれば逮捕される可能性を仄めかしたが、一応ロシア側ではラブロフ外相が04/17にブラジルを訪問する予定になっているので、今後の展開は要注目だ。
The Meeting Between Lula’s Chief Foreign Policy Advisor & President Putin Was Very Important

コリブコ氏の記事。ブラジルのマウロ・ビエイラ外相は2023/03/21のインタビュー記事で、ブラジルはハーグの国際刑事裁判所(ICC)の決定を尊重し、それに従っていると発言した。つまりロシアのプーチン大統領がブラジルに足を踏み入れたら、「逮捕」される可能性が有ると云うことだ。 ルラ大統領はBRICSの創設に尽力した一人ではあるが、彼は今や多極化へ向かう仲間の一人を裏切り、「ルールに基付く秩序」の肩を持っている。
Lula’s Foreign Minister Strongly Implied That Putin Will Be Arrested If He Comes To Brazil

コリブコ氏の記事。2023/03/02、ブラジルのルラ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領とビデオ会談を行う。ルラの公式サイトでは、彼は「ブラジルはウクライナの領土保全を守る」と語り、キエフ訪問への招待を受け入れた。ゼレンスキーの公式サイトでも、この会談は「有益な会話でした。我々は最高レヴェルで両国間の接触を再開しています」と語っている。ルラはまだロシア自体やBRICSに反対している訳ではないが、彼が中立の原則を破ってロシアの特別軍事作戦に反対していることは明白だ。
Lula Made It Clear In His Call With Zelensky That He’s Against Russia’s Special Operation

★コリブコ氏の分析。ルラは世界最悪の反民主主義者達から支持されている。彼は最早左派ではなく、リベラル・グローバリストではないのか?
ソロスはルラを熱烈支持。これはブラジルの指導者の多極主義者としての株を下げる(要点と補足)

コリブコ氏の記事。ルラ大統領がキエフとロシアの和平交渉を再開させる為にG20の様な仕組みを作ることを提案した件について、2023/02/02のTASS通信は、ルガンスク人民共和国の元モスクワ大使であるロディオン・ミロシニクの「ゼレンスキーはずっと前に交渉当事者ではなくなりました。彼との仲介、或いは直接会談を行うことは現在無意味です。彼は外国から支配されている資金提供された傀儡に過ぎませんから、彼には約束を守る能力が無いのです」とけんもほろろのコメントを報じている。ルラが自分自身を国際的に宣伝しようとしているだけだとロシアが信じていることは明らかだ。ルラの支持者達は彼の「善意」は疑わないだろうが、善意だけで平和が達成出来たら世の中ラクなもんだ。
A Former Donbass Diplomat Threw Cold Water On Lula’s G20-Like Peace Proposal

ブラジルのルラ大統領は、2023/02/10のバイデン米大統領との共同声明で、「ロシアによるウクライナの領土保全の侵害とその領土の一部の併合を国際法の目に余る違反として遺憾に思い、公正かつ恒久的な平和を求めた。」これは第三国の中立の原則に対する明らかな違反だ。やはりルラは左派と云うよりリベラル・グローバリストではないかと云うコリブコ氏の指摘が当たっている様に思う。
Joint Statement Following the Meeting Between President Biden and President Lula

コリブコ氏の記事。2023/01/23、ブラジルのルラ大統領はアルゼンチン訪問中に、ロシアのウクライナに対する「領土占領」を公に非難し、あろうことかそれをヴェネズエラのマドゥロ政権に対するワシントンの介入と同列に置いた。状況を全く理解していないのか確信犯なのかは不明だが、プーチンを非難することを拒否したボルソナロとは異なり、ルラが中立の原則を大きく逸脱したことは明らかだ。これでブラジルはBRICS諸国の中でロシアを非難した最初の国になった。ルラはこの発言と同じ日に、BRICSの共通通貨作成への関心を示していただけに、この発言は複雑だ。ルラは多極派だと目されてはいるが、今回のことでロシアを怒らせるのは確実だ。これが今回だけの失言なのかどうかは、今後の展開を見なければ判らない。
Lula Just Became The First BRICS Leader To Publicly Condemn Russia’s Special Operation

テック・オリガルヒのピエール・オミダイアのカラー革命組織組織であるルミネートもまた、2023/01/08のブラジルでの暴動に非難声明を出している。これが本物のレジームチェンジ工作だったとしたら一寸考え難い展開だ。やはり最初から失敗させるつもりだったと云う解釈の方がすっきりする。
Statement on the attacks in Brazil

コリブコ氏の分析。2023/01/18、ブラジルのフェルナンド・ハダッド財務相は、BRICSの議長国を2024年から2025年に延期したいと発表。理由は「G20と合致しないから」だそうだ。ルラ大統領は多極派だと思われているので、これは意外な展開。私には、「2023/01/08にブラジルで起きたことは米諜報機関によるカラー革命だが、予め失敗を予定されたカラー革命だった」とするコリブコ氏の推測が説得力を持っている様に思われる。中絶、気候変動、COVID-19、LGBT等、ルラ政権のリベラル志向は米民主党好み。裏で共謀していた可能性も考えてみるべきだと思う。
Brazil’s Explanation For Delaying Its BRICS Presidency Is Extremely SuspiciousBRICS

2023/01/12、ブラジルのルラ大統領は、治安部隊のメンバーが暴動に加担していたと述べ、前任者の筋金入りの支持者達を排除すると約束した。この一件で結果的に誰が得をしたかと言えば、まぁコリブコ氏が指摘する様に、保守派≒主権派を排除したがっていたリベラル・グローバリスト達だろう。
Lula to Purge Bolsonaro Loyalists From Brazilian Security Forces After Rampage

2023/01/08にブラジルで起こったことは、米国が支援する「失敗を予定されたカラー革命」だったとするコリブコ氏の分析については、スプートニク・ブラジルが彼に行ったインタビューでも詳しく解説されている。まぁ彼の見解が何処まで妥当かはともかく、右とか左とか、古臭い単純なステレオタイプで複雑な国際情勢を理解しようとすると、状況を見誤る危険性が高いと私も思う。
Korybko To Sputnik Brasil: The US Played A Decisive Role In The January 8th Incident

★2023/01/08にブラジルで起きた暴動は、失敗を予定されたカラー革命だったのではないか、とするコリブコ氏の分析。
ブラジルで起きたばかりの出来事について判断を急ぐ前に、誰もが用心深くなるべきだ(要点と補足)

★ブラジルはルラの再選によって、左派が右派に勝利したのか?に疑問を呈するピーター・ケーニッヒ氏の記事。
ブラジルールラの3期目ー左派からグローバリストへ?(要点)

★ルラの大統領復帰についてのコリブコ氏の分析。事態は一部の人が考えている程単純ではない。
ルラ大統領再選の地政学的帰結は、一部の人が考えている程明確ではない(要点)

2022年現在、ブラジルには少なくとも530のネオナチの根拠地が有り、中核は約1万人。ボルソナロの大統領就任以来、ネオナチによる犯罪が劇的に増加している。
Is there a neo-Nazi wave in Brazil? Understand what the numbers and experts say about the issue

ブラジルのネオナチはウクライナに加勢してロシア軍のミサイルであっさり駆逐された。ブラジルは元々1930年代には欧州以外では最大のナチの根城だったが、ナチ=反共主義はボルソナロ政権下で勢力を拡大し、ウクライナのネオナチとも交流が有った。
Behind the Azov-Brazil Connection: How Neo-Nazis Are Pushing to “Ukrainize” Brazil

ブラジルについての私のTwitterスレッド。
川流桃桜@UnmasktheEmpire @kawamomotwitt
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2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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