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ショルツがウクライナの最悪の秘密についてうっかり口を滑らせる(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。ドイツのショルツ首相は英仏が秘密裏にウクライナに軍を派遣していることをうっかり漏らしてしまったが、NATOとロシアの双方とも、この公然の秘密を公には認めていない。これによりNATOとロシアとの熱い戦争に発展する可能性は今のところ抑えられている。
Scholz’s Slip Of The Tongue Spilled The Beans On Ukraine’s Worst-Kept Secret



 ドイツのショルツ首相は、フランスと英国がロシア軍に対する「標的制御」を支援する為に、秘密裏にウクライナに軍隊を派遣していると仄めかしたが、英国はこれに対して激しく反発した。だが彼はこの代理戦争に於ける最悪の秘密についてうっかり口を滑らせてしまっただけだ。

 ウクライナに西洋軍が駐留していることは今までは否定されて来たのだが、正直な観察者であれば誰でもそんな主張は信じていなかった。何故ならウクライナ単独では、西洋から送られた現代兵器を極く短期間の訓練で運用出来るようになるなど、現実的には不可能だったからだ。

 ショルツの失言は、フランスのマクロンがウクライナに西洋軍を派遣する可能性について「排除は出来ない」と発言したことを受けて、ドイツは他国の先例に倣って秘密裏に軍隊を派遣することを望まない、と説明する文脈で為された。

 パリの会合に出席した者の略全員がそうした議論が行われたことを否定したが、その後フィナンシャル・タイムズは匿名の欧州国防高官の発言を引用し、「ウクライナに西洋の特殊部隊が存在することは誰もが知っているが、単に公にはそれを認めていないだけだ」と率直に認めた。

 こうした主張は今まで「ロシアの陰謀論」だと却下されて来たが、それもまた今や「陰謀の事実」であったことが判明した訳だ。

 ウクライナ紛争は最初からNATOがウクライナを使ってロシアに仕掛けて来たハイブリッド代理戦争だったが、今回の展開によって、最早「尤もらしい否認」が排除されて言い逃れ出来ないことが明らかになった。これはNATOとロシアとの間での安全保障上のジレンマについて再評価を促すことになる。

 プーチンは2022/02/24に次の様に警告した。

 「誰が我々の邪魔をしようとしても、或いは我が国と国民に脅威を与えようとしても、ロシアは即座に反応し、その結果はこれまでの歴史全体で全く見たことの無い様なものになるだろうと云うことを、彼等は知らなければなりません。事態がどう展開しようとも、我々は準備が出来ています。この点に関して必要な決定は全て行われています。私の言葉が届くことを願っています。」

 NATOは今だに正規型の介入を行っていないので、この点ではプーチンの警告は成功したと言える。彼等は第3次世界大戦のリスクは冒したくなかったので、代わりに諜報機関、特殊部隊、そして「傭兵」を通じて秘密裏に介入した。

 クレムリンはこのことを承知していたが、どうやらこれはレッドラインを越える行為には当たらないと判断した様だ。但し全く手をこまねいていた訳ではない。2024/01/17にフランスの「傭兵」部隊を精密ミサイル攻撃で壊滅させたことは、介入しないようにとの警告に従わなかった者達への対応だった。

 そしてその際安全保障上のジレンマを管理する為に、ロシアは死者の一部が西洋の軍人だったことを明らかにしなかった。彼等の実際の身元に関するニュースは必然的にソーシャル・メディア、特にロシアの軍事ブロガーのチャンネルに漏れたが、モスクワも西洋も、これらを公式には認めていない。

 この代理戦争の最大の(公然の)秘密は、これは既にNATOとロシアとの熱い戦争なのだが、但し宣言はされていない限定的な戦争であり、双方が依然として非公式の「交戦規則」を遵守していると云うことだ。

 英国、フランス、そして恐らく米国や他の西洋諸国の軍隊がウクライナのロシア攻撃を支援しているが、ロシア側ではNATO内への報復は控えている。

 そして双方はまた、西洋の軍隊がウクライナに駐留していることを公には認めないことを、暗黙の内に合意している。

 これはNATOがこの件を公に認めて自慢すれば、ロシア側では核の瀬戸際外交に訴えるよう圧力を感じるかも知れないと云うことをNATO側が認識していることを示しているが、これまでとのところ双方は冷静に対応しているので、事態のエスカレートには繋がっていない。

 また、ウクライナに駐留するNATO軍によってロシア軍やロシアの民間人すら殺害されているにも関わらず、ロシアが依然としてこの事実を公に認めていないと云うことは、ロシアがNATOに対して攻撃的な意図を抱いていると云う主張の信憑性を疑わせ、ロシアは寧ろNATOと戦いたがっていないことを証明している。

 従って、NATOとロシアとの安全保障上のジレンマは、以下のことによって対処されている。

 1)NATOは大規模な正規型の介入を控え、諜報機関、特殊部隊、「傭兵」等を使うに留めている。
 2)ウクライナに駐留するNATO軍によるロシアの軍や民間人への攻撃に対して、ロシアはNATOへの直接報復を控えている。
 3)NATOとロシアの双方が、ウクライナにNATO軍が駐留していることを公には認めていない。

 これらの非公式の「交戦規定」により、宣戦布告を欠いた熱い戦争は限定的なものに保たれているが、第3次世界大戦は何時でも偶発的に勃発する可能性が有る。従ってそのリスクを軽減する為にも、この紛争は直ちに凍結しなければならない。
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ドイツとフランスを核攻撃すれば?

 そんなに核戦争がしたいなら、そんなにもロシア人虐殺を願っているのなら、ドイツとフランスに核兵器を落としてやれば良いですね。
 
 パリとベルリンが火の海になり、エッフェル塔が溶け、ベルリンの建造物が沸騰して爆心地の人々が蒸発し、広範囲が人の住めない死の汚染地域になったなら、その時こそ、ロシアのプーチン大統領がどんな思いでドンパスの保護に踏み切ったかわかるかも知れません。

 ただし、欧米も日本も、首都圏には権力者のためのシェルターがありますから、ショルツもマクロンも岸田も平気だと思います。これらの国家では、国民はただの奴隷でしかありませんから。
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川流桃桜

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