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アメリカとソマリアの基地協定には先ず間違い無く隠された動機が有る(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/02/16、米国とソマリアは軍事協定を結んだが、米国はソマリア、そしてエリトリアとエジプトの反エチオピア感情を利用して、エチオピアに対して間接的に圧力を掛けようとしている。
The American-Somalian Base Deal Arguably Has Ulterior Motives



 2024/02/16、米国とソマリアは、アフリカ連合がソマリアでの平和維持活動を縮小するのに先立って、米国がソマリアに5つの基地を建設すると云う合意を結んだ。

 この合意は表向きはテロ対策が目的だと云うことになっているが、このタイミングは平和維持軍の撤退と一致するだけでなく、別の展開とも絡んでいる。

 エチオピアとソマリランドが01/01に覚書に署名したことは、ソマリアから激しい拒絶反応を引き起こした。ソマリア大統領はその後エリトリアとエジプトを訪れ、エチオピアとソマリランドに対して計画しているハイブリッド戦争への同盟者を募ろうとした。従って単なる誤算であっても、地域戦争が勃発するのではと云う懸念が高まっている。

 その緊迫した状況の中、米国はソマリアへの軍事支援を倍加させている。

 外交に於て多極化を志向するエチオピアを罰する為に、米国は反政府武装組織TPLF(ティグレ人民解放戦線)を支援したが、これは2020〜22年の北部紛争へと発展して多大な被害を齎した。その後、少なくとも表面上は両国の関係は改善したものの、相互の不信感が全く残っていない訳ではないだろう。

 エチオピアの一部の人々が見るところでは、米国はエチオピアを封じ込めようとする手段を変えただけで、その覇権政策を放棄した訳ではない。

 アフガニスタンでは、20年に及ぶ訓練と2兆ドル相当の資金を投入しても、タリバンが権力を取り戻すのを防ぐことは出来なかった。従ってこの先例ひとつ取ってみても、米国が今更ソマリアに基地を作ってみたところで焼け石に水で、テロ組織アル=シャバーブを止めることが出来るかどうかは疑わしい。何もしないよりはマシかも知れないが、米国はこれまでソマリアの安全保障上の利益を無視して来たので、何故この不安定な時期に突然ソマリアのことを心配し出したのか、不思議に思う人も居るだろう。

 また、エリトリアのイサイアス・アフヴェルキ大統領が2023/07/28にロシアのプーチン大統領と会談した際に、紛れも無い反米的世界観を表明したにも関わらず、エリトリアの工作員達がソーシャル・メディア上でこの展開に騒いでいないことも注目に値する。エリトリアはエチオピアの封じ込めに病的なまでに執着しているので、二者択一を迫られた場合には、反帝国主義原則よりもそちらを優先するだろう。エリトリアのアカウントがソマリアを非難していないことは、反エチオピア感情から暗黙の内にソマリアを支持していることを示している。これは反帝国主義を奉じるエリトリアの評判を傷付けるものだ。

 米国はエチオピアとソマリランドが覚書を結んだ後、言い抜ける口実を確保した上でエチオピアに間接的に圧力を掛ける為に、対テロ基地建設を口実にソマリアでの軍事的影響力を拡大することを決定した。この基地やそこで訓練中の軍隊はアル=シャバーブと戦うのが目的だと云うことになっているが、エチオピアやソマリランドに対してハイブリッド戦争や正規戦争を仕掛ける為に利用されるかも知れない。

 だがその為にはソマリアはエリトリアとエジプトに協力を求めねばならない(エジプトに関しては資金提供)。少なくとも公開されている情報に限れば、両国ともそうした動きは見せていないが、このシナリオを完全に排除するのは時期尚早だ。米軍がソマリア軍の能力を強化すれば、両国とも与えられた役割を果たすことに乗り気になるかも知れない。
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川流桃桜

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