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「対テロ戦争」中、アフリカのテロリズムは10万%増加(抄訳)

2024/02/14、レスポンシブル・ステートクラフトの記事の抄訳。

 「対テロ戦争」なる殆ど語義矛盾的な作戦が本当にテロ撲滅を目的としたものだったら、米軍は無能どころの話ではないが、実際には「対テロ戦争」の実態は、テロ組織に武器・資金・訓練等を提供しておいて、「テロの脅威」を口実に軍の派遣や駐留や作戦を正当化するのが狙いなので、その意味では大成功していると言える。
Terrorism in Africa increased 100,000% during 'war on terror' Terrorism in Africa increased 100,000% during 'war on terror'



 2024/01/29に発表された、国防総省の研究機関であるアフリカ戦略研究センターによる新たな調査に拠ると、米国の対テロ戦争期間中、アフリカに於けるテロによる死者数は10万%以上急増した(言い換えれば1,000倍以上になった)。

 これらの発見は、アフリカ大陸に於けるテロの脅威を阻止し、安全と安定を促進していると云う米国アフリカ軍(AFRICOM)の主張と矛盾する。

 国務省の統計では、2002年と2003年に起きたテロ攻撃は合計9件だけで、死傷者は合計僅か23人だった。

 これ以降、米国は数十億ドルの安全保障支援を提供し、数千人のアフリカ軍人を訓練し、数十の前哨基地を設置し、幅広い任務に独自の特殊部隊を派遣し、代理部隊を創設し、ドローン攻撃を開始し、武装組織と地上戦を戦った。

 国会議員を含む殆どの米国人は、こうした作戦がどれ程の規模なのか、或いはアフリカ人の命を守るために彼等がどれだけ何もして来なかったかについて知らされていない。

 2023年にはアフリカに於けるイスラム過激派の暴力による死者数は20%増加し(2022年の19,412人 → 23,322人)、「致死的暴力の記録的なレヴェル」に達した。これは2021年以来死亡者数が略倍増し、2002〜03年に比べると101,300%増加したことを意味する。

 米国のアフリカに於けるテロ対策は数十年に亘り、ソマリアと西アフリカのサヘル地域の2つの主要な戦線に集中して来たが、2023年にはそれぞれの地域でテロが大幅に増加した。
Militant Islamist Violence in Africa

 米特殊作戦部隊は2002年に初めてソマリアに派遣され、続いて軍事援助、顧問、民間請負業者が派遣された。それから20年以上経ったが、イスラム過激派組織アル=シャバーブに対する対テロ作戦は今だに続いている。この為の費用は数十億ドルだ。そして280回以上の空爆と特殊部隊襲撃を実行したが、人目に付かない軍事作戦を行う為に無数の代理部隊を創設した。

 そして米国の安全保障支援の恩恵を受けた少なくとも15人の将校が、対テロ戦争中に西アフリカと大サヘル地域で12件のクーデターに関与した。内訳は、

 ・ブルキナファソ:2014、2015、2022に2回。
 ・チャド:2021。
 ・ガンビア:2014。
 ・ギニア:2021。
 ・マリ:2012、2020、2021。
 ・モーリタニア:2008。
 ・ニジェール:2023。

 例えばニジェールの軍政権の少なくとも5人の指導者が米国の支援を受けていた。彼等は米国で訓練を受けたニジェール治安部隊のメンバー5人をそれぞれ知事に任命した。

 こうした軍事クーデターは、アフリカ人に安定と安全を提供すると云う米国の目的を損なったにも関わらず、米国はこれらのならず者政権との関係を断つことに躊躇している。例えば、ニジェールでクーデターが起きた後も、米国は大規模なドローン基地に軍隊を駐屯させ、そこから任務を遂行し続けている。

 米国の法律は通常、軍事クーデター後に各国が軍事援助を受けることを制限しているが、米国はサヘル諸国の軍事政権への援助を継続している。

 2020年と2021年にマリのゴイタ大佐がクーデターを起こした後、米国は安全保障支援の一部を禁止したが、米国の税金は彼の軍隊に資金提供され続けた。2020年にマリに安全保障援助として1,600万ドル以上、2021年には500万ドル近くを提供したているが、国務省はその資金の状況に関する最新情報開示の要請に応じなかった。

 米国アフリカ軍は、「国境を越えた脅威や悪意の有るアクター達に対抗」し、アフリカのパートナー諸国が国民の「治安と安全」を確保出来るよう支援し、「地域の安全、安定、繁栄」を促進すると宣伝している。だが対テロ戦争中、イスラム過激派の暴力による民間人の死亡者数が記録的な水準に達し、101,300%も急増したと云う事実は、その逆を示している。

 AFRICOMは、アフリカセンターの新たな報告書の調査結果に関する質問を国防長官室に提出したが、回答は得られなかった。
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川流桃桜

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