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アレクセイ・ナワリヌイ:西洋が捏造した胡散臭い産物(要点)

アレクセイ・ナワリヌイの関する報道について、グレン・グリーンウォルド氏の解説動画の要点。多少補足した。ナワリヌイ獄死に関する西洋大手メディアの二重基準を指摘している。
Alexei Navalny: An Unsavory, Manufactured Product of the West




 西洋市民は、アレクセイ・ナワリヌイがロシアでは何か超巨大な存在であったかの様に信じこまされている。西洋ではそうした報道ばかり流されているからだ。「プーチンが最も恐れた男」などと云う副題でドキュメンタリー映画なんかも作られていて、2022年のアカデミー賞を受賞した。

 だが実際には、ナワリヌイはロシアの政治舞台では超マイナーな人物だ。

 2018/02/21のロイターの記事に拠ると、「世論調査ではナワリヌイの支持率は2%未満となっており、今でもニュースの多くを国営TVから得ている多くのロシア人は、ナワリヌイが誰なのか知らないと述べている。」つまりナワリヌイはロシアよりも西洋での知名度の方が遙かに高いのだ(これは例えば「プーチンの頭脳」「と言われている(が根拠は全く無い)」アレクサンドル・ドゥギン等も同じだ)。

 他方、プーチン大統領の支持率は「約80%と信じられている。」従って、プーチンがナワリヌイを恐れなければならない、などと云う話はお笑い草でしかない(従って彼を暗殺しなければならない理由など全く無い)。彼が大統領選挙でプーチンに勝てる見込みは略ゼロだし、彼の政党「未来のロシア」は未登録の超弱小政党もどきであり、議会ではひとつも議席を占めていない。

 ナワリヌイが選挙への立候補を禁じられて刑事罰の警告を受けたことは、ロシア国家の恐るべき反民主主義的性格の表れであると西洋の批判者達(特にリベラル層)から非難されている訳だが、同じ様なことは米国でも起こっている。ナワリヌイの様な泡沫よりも遙かに支持率の高いドナルド・トランプが、選挙に立候補させないぞ、刑事罰を処してやるぞと全国民の前で脅されている訳だが、「ロシアの全体主義」を非難したその同じ人物達が、「米国が全体主義に陥るのを防ぐ」為にトランプを阻止しなければならないと叫んでいる。これは明らかに二重基準なのだが、米国人はこうした二重基準を当然のものとして受け入れるよう教化されているので、同じことでもロシアがやったら悪いこと、米国がやったら良いこと、と云う物語を素直に受け入れることに違和感を覚えない。

 で、このナワリヌイなる人物がどう云う人物だったかと云うと、2024/02/19のYahoo!ニュースの記事を見てみよう。「世界の指導者達がロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏に敬意を表する中、一部の人々は彼の過去の不都合な側面に注目を集めている」と書かれている。

 「不都合な側面」とは何だろう?
 
  「ナワリヌイは、鉤十字の様なシンボルを採用する者を含むウルトラ・ナショナリスト達が集まる毎年恒例のデモであるロシア行進に参加した。」

 「彼は初期の排外主義的な動画やロシア行進に参加することを決めたことについて一度も謝罪していない。」———これは「ナワリヌイが銃の所持を奨励しながら、ロシアのイスラム教徒移民を『ゴキブリ』に喩えた、2007年の悪名高い動画のことを指している。」


 「別の動画では、彼は歯科医の格好をして、モスクワの移民を虫歯に例えている様だ。………彼はこう言っている、『完全な消毒をお勧めします。我々の邪魔になるものは全て、慎重に、しかし断固として、国外追放によって取り除かれるべきなのです。』

 これらの動画を公開する直前、ナワリヌイは、『ロシア民族の為のロシア』等のスローガンを唱えるウルトラ・ナショナリスト極右団体と関連した毎年恒例の集会であるロシア行進に参加したと云う「ナショナリスト活動」を理由に、リベラルのヤブロコ党から除名された。」


 米国でこの様な過去を持つ人物が居たとしたら、「リベラルな理想を体現する英雄」などと呼ばれるだろうか? 単に「あいつはナチだ」で終わりだろう。

 実の所、米国では状況はもっと倒錯している。民主党を批判する者達はリベラル層から「ナチ」「ファシスト」「ナショナリスト」等と呼ばれ、SNSから追放されたり、仕事をクビになったり、まともな社会から閉め出されたりしている。だがその民主党はウクライナのナチスやネオナチ、或いは公然とネオナチと繋がりを持っている者達を賞賛し、武器や資金を与えている。

 2022年以来、西洋の大手メディアは軒並み「ウクライナにナチなど居ない」と言い始めた。だがウクライナでナチズムを信奉したりナチの徽章を身に付けた連中が政府から正式な立場を与えられて白昼堂々活動しているのは公然の秘密であって、メディアはこの事実と折り合いを付けるのに苦労している。
 
 2023/06/05のニューヨーク・タイムズの記事、「ナチの紋章が付いたワッペンを(ウクライナの)軍隊が使用することは、ロシアのプロパガンダを煽り、西洋が半世紀を費やして排除しようとして来たイメージを広める危険が有る」と報じている。そしてこの問題に注目を集めることは、「左派の外交官、西洋のジャーナリスト、人権団体等を難しい立場に追い込む」ことになり、「ロシアのプロパガンダ」になる危険が有ると主張している。「ユダヤ人団体や反ヘイト団体」ですら、この件については概ね沈黙している。一部の指導者達は、「ロシアのプロパンガンダの論点を支持していると見られることを恐れて」いる。

 つまり米国は実際にナチスを武装させているのだが、その事実について発言することは「ロシアのプロパガンダ」になると云うのだ。言えば自分自身が「ナチス」呼ばわりされて「キャンセル」されることになるので、それを恐れて誰もこの事実を公言しない。

 こうした偽善極まり無い二重基準は、2024/01/11にウクライナの秘密刑務所に拘留されていた米国人ジャーナリストのゴンザーロ・リラ氏が死亡した件でも顕著に表れている。彼は公然とゼレンスキーを批判し戦争に反対した廉で2度も逮捕された末に死亡したのだが、米国政府は、疾患を抱えるリラ氏が助けを求める動画を投稿したにも関わらず、何ひとつ抗議の声を上げなかった。戦争に反対した米国人ジャーナリストが米国の同盟国によって適切な治療を拒否されて殺された訳だが、西洋大手メディアはこの件を殆ど報じていない。これがロシアで起こった話なら連日一面で大騒ぎするだろうが、このスキャンダルをカヴァーする記事は皆無に等しい。それは「ウクライナは民主主義国である」と云う公のプロパガンダの物語に反するからだ。

 この獄死事件を取り上げた極く僅かなメディアの内、リベラルのタブロイド紙「デイリー・ビースト」の2024/01/17の記事は、「デート・コーチから転身したクレムリンの提灯持ちがウクライナで死亡したことを米国が遂に認める:ウクライナでクレムリンのプロパガンダを推進したブロガーのゴンザーロ・リラが、どうやら肺炎を患って死亡した」と、何と獄死したジャーナリストの方を非難した。そしてバイデン政権に対する彼の批判は「根拠の無い」「ロシアのプロパガンダ」であり、彼を支持する人々を「右翼の評論家達」であるとこの記事は述べている。

 つまり彼はウクライナ戦争について間違ったものの見方をしていた為、彼の言っていたことは「ロシアのプロパガンダ」であり、だからウクライナの刑務所で死んでも当然だと仄めかしたのだ。

 ホワイトハウスのスピーチライターを務めたことも有るワシントン・ポストのネオコン・コラムニスト、マーク・ティーセンは、メディアの中ではリラ獄死事件を取り上げた僅かな者の中の一人だったが、彼はこう述べている。

 「リラはジャーナリストではなく、戦時中にウクライナ国内にロシアの偽情報を広めた親プーチンのプロパガンディストで、ロシアの侵略を賞賛し、ブチャの虐殺を否定しました。侵略された国は自国の領土内でそんな真似は許可しません。彼は逮捕され保釈されましたが、違反して再逮捕されました。彼は刑務所で殺されたのではなく、肺炎で死亡しました。

 ナワリヌイとは比較になりません。以上。

 あなたはロシアの偽情報を広めています。恥を知るべきです。」



 ティーセンは侵略された国では「偽情報(と見做されるもの)」を拡散する者は収監されて当然だと主張している。だがロシアでそれが起こると、彼はそれを非難する。彼が本当に市民の権利や自由なるものを信奉していたとしたら、同じ基準をどの国に対しても当て嵌める筈だ。だが同じことが、米国やその同盟国がやれば当然のことになり、ロシアがやれば人権侵害になる。彼等は明らかに自分達の言う理念を信じてはいない。標的とする他国を悪魔化する為にそれらの理念を口実として利用しているだけだ。
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川流桃桜

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一介の反帝国主義者。
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