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西洋諸国の指導者達全員がクリミアについて思っていることについて、ポーランド大統領がうっかり口を滑らす(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/02/02、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、クリミアは歴史的にロシアの一部であることを認めて、大きな非難を浴びることになったが、彼は西洋の指導者なら誰でも知っている公然の秘密についてうっかり口を滑らせてしまっただけだ。
The Polish President Let Slip What’s On Every Western Leader’s Mind About Crimea
Andrzej Duda



 2024/02/02、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領はYoutubeチャンネルのインタビューで、クリミアは「殆どずっとロシアが支配していた」「特別な場所」なので、ウクライナがクリミアを再征服出来るかどうかは分からないと発言した。つまりクリミアは歴史的にロシアの一部であると云う事実を公の場で認めたのだ。

 この「失言」以来、彼は多大な圧力を受けて自らの発言を撤回したが、ポーランドのロマン・ゲルティヒの様な一部の政治家は、ドゥダの発言が歴史に関する議論を巻き起こした為に、曾てドイツに支配されていた地域に対するポーランドの主権を侵食したとまで仄めかした。


 だがドゥダは単に、西洋市民の指導者全員がクリミアについて思っていること、即ち、NATOの対ロシア代理戦争が終わった後でも、クリミアはロシアの一部であり続けるだろうと云うことについて、うっかり口を滑らせてしまっただけだ。

 2014年以前のウクライナの国境を取り戻さなければいけないと云う西洋の主張は、単にこの紛争を支持させる為に自国民を騙して操る為の方便に過ぎない。ウクライナがクリミアを再征服出来るなど、誰も信じてはいない。

 ゲルティヒ氏に関しては、彼は以前はドゥダと同じ保守ナショナリストだったが、リベラル・グローバリスト陣営が政権を掌握したことでそちらに寝返った。彼が元同僚のドゥダを非難しているのは政治的ポイントを稼ごうとしているだけだ。「我が国(ポーランド)には歴史上、他の国(ドイツ)よりも短期間ポーランドに属していた都市が幾つか在る」と云う彼の指摘は事実なのだが、それらの都市には今は民族的ドイツ人は住んでおらず、ポーランド人が再定住している。今でも民族的ロシア人が住民の大多数を占めているクリミアとは事情が全く異なる。

 多くの観察者達はこの2つのプロセス、またはどちらか一方は「民族浄化」だと評価している。だが当事者であるドイツ、ポーランド、ロシアのそれぞれは、これらに対して全く異なる見方をしている。

 曾てのドイツ統治領からドイツ人が追い出され、ポーランド人が送り込まれたのは、今後のドイツの領土権の主張を無効化し、ポーランド側の主張を強固にすることが目的だった。対照的に、クリミアはソ連崩壊後も圧倒的にロシア的な性格を残していた。「クリミアは歴史的にロシアの一部である」と云うロシアの主張は実際、事実なのだ。

 従ってゲルティヒの様にドゥダの発言を拡大解釈して、ポーランドの旧ドイツ統治領とクリミアとを比較するのは不適切だ。ウクライナは「ユーロマイダン」後に民族浄化を行ってウクライナの領土から強制的にロシア人を排除しようとしたが、失敗した。ロシアは民主主義的手続きに従ってドンバスとロシアとの統一を成し遂げ、これを阻止した。

 こうした人口動態を踏まえると、ウクライナがクリミアを再征服し、その領土を保持するには、クリミアから全てのロシア人を排除するしか無い(つまり民族浄化だ)。だがロシアは断固としてクリミアを守るだろうから、実際にはそれは不可能だ。それでも強行して通常型の侵略を行うと云う最悪のシナリオでは、ロシアは従来からの方針通り、自衛の為に最悪核兵器を使用する可能性が有る。

 西洋の指導者達はクリミアを巡って第3次世界大戦のリスクまで冒したいとは思わないので、非公式にはクリミアはロシアの領土であると認めている。ウクライナは、何時かクリミアを再征服すると繰り返しているが、それは単に口先だけの話だ。

 ドゥダはこの公然の秘密のひとつについてうっかり口を滑らせただけだ。だからこそ彼は、ウクライナと西洋のエリート層から非難されているのだ。
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川流桃桜

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