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米CBSは新疆偽情報報道の「ブランド変更」を行った

 2024/01/07、米国大手メディアのCBSは「新疆のブランド変更」と題する記事を掲載した。
The rebranding of Xinjiang

 これは中国情報局が企画したツアーに参加した結果を報告したもので、彼等は「農業機械から古代遺跡、TikTokでの地元の梅の電子販売まで、あらゆるものを見せてくれた」が、「新疆を国際的なスキャンダルに変えた拘置所と刑務所の証拠」は一切目にしなかった。

 CBSはこれまで、中国当局は新疆ウイグル自治区でウイグル人への苛酷な弾圧を行っている、と云う米諜報部の偽情報作戦に加担して来た。「2014年以来、新疆ウイグル自治区では最大100万人のイスラム教徒ウイグル族が一斉検挙され、投獄されている。逃れることが出来た人々、そして数千人が米国に定住した」と云うことを、さも全て検証済みの事実であるかの様に報道して来た。CBS自身が過去の記事を列挙している(タイトルは英語から日本語に訳しておいた)。

 「ウイグル人女性が中国強制収容所での恐ろしい虐待の詳細を語る」
 「人権団体は中国による新疆ウイグル自治区のイスラム系少数派迫害はビッグデータによって『加速』していると警告」
 「オリンピックであっても、中国のウイグル人にとって『ジェノサイドは終わらない』」
 「中国によるイスラム教徒ウイグル族の扱いがジェノサイドに当たると判断され、バイデン政権は行動を起こすよう圧力を受ける」

 勿論、米国政府がイスラム教徒の人権や生命などこれっぽっちも気にしていないことは世界中が知っている。最新の例で言うと、ガザのイスラム教徒達に対して正真正銘のジェノサイドを強行しているイスラエル政府に対して、米国は際限無く無条件で兵器を送り続けている。2001年の9.11以降、米国がイスラム教徒全般に対する憎悪や差別を意図的に助長し、イスラム教徒を不当に弾圧し、拘束して拷問を加え、「対テロ戦争」その他の口実で主に西アジアを中心に(アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ソマリア等)で何百万ものイスラム教徒を殺害し、何千万もの避難民を生み出して来たことも、世界中が知っている。グアンタナモ刑務所にはウイグル人達も抑留されたし、呆れ果てたことに「ウイグル人権活動家」の中には、グアンタナモのウイグル人に対する拷問プログラムで通訳を務めていた者(ルシャン・アッバス)さえ含まれている(彼女は米国が弾圧しているイスラム教徒のことは何故か全く心配していない)。イスラム教徒の人権や生命がそんなに大事なのであれば、少なくとも200万人以上のイスラム教徒達の命を奪ったイラク侵略(第2次イラク侵略)をあれだけ猛烈にプッシュしたバイデンは何故刑務所に入らずにのうのうと大統領を務めているのか? こうした連中がイスラム教徒の心配するフリをするなど、全く恥ずべきタチの悪い冗談でしかない。

 CBSは「(中国)政府は数十億ドル規模の高速鉄道を含め、新疆に多額の投資を行っている。中国が風力発電所等のインフラや観光開発に、目を見張るような資金を費やしている証拠が随所に見られた」と証言しているのだが、CBSはこれを「メッセージは、人権侵害を忘れて、景色を眺めましょうと云うことだ」と云う風に解釈している。つまり中国が実際に新疆のエンパワーメントを行っていると云う事実は認めざるを得ないのだが、これが素直に人権尊重や生活向上の表れだとはどうしても認めたくないらしい。CBSは過去記事を撤回したり誤りを謝罪したりはしていない。単に「昔は本当に人権侵害をやっていたに決まっているが、今はやっていない様に見える」と云う風に路線を切り替えたのだ。

 だが例えばイスラエル政府がパレスチナ人達を全て殺害するか追い出すか無力化した後でガザ地区を今の新疆の様な繁栄した巨大観光地に変える未来など、誰に想像出来るだろうか。ガザ地区に呑気に観光に行く外国人など居ないが、新疆は年間2,000万人以上が訪れる一大観光地だ。アフガンでもシリアでも何処でも良いが、現在進行形で大規模なジェノサイド(経済的ジェサイドを含む)が進行している土地に、果たして観光客が大挙して押し掛けたりするものかどうか、少し冷静に考えてみれば良い。巨大観光地で大規模ジェノサイドが進行中であるなどと云う主張は、単に一般常識として馬鹿馬鹿しいものだ。SNSを検索してみれば、新疆を旅行した外国人達が撮影した平和な動画が幾らでも見付かるが、私の知る限り大規模な弾圧の決定的証拠を見付けた人など一人も居ない。

 CBSはまた「中国によるウイグル人の弾圧を公式に認めた施設」として、新疆の首都ウルムチに在る過激派博物館を紹介している。CBSが「弾圧」と主張しているのはテロ対策のことなのだが、その理由は1990年代から続くウイグル過激派によるテロであると云う事実を、一応CBSも認めた形になる。テロ対策の実態については中国当局の方も詳細を明らかにして来なかったのだが、西洋からの偽情報攻撃の高まりを受けて、中国メディアのCGTNは2020年から次の様なドキュメンタリーを公開している。
Tianshan: Still Standing - Memories of Fighting Terrorism in Xinjiang

The War in the Shadows: Challenges of Fighting Terrorism in Xinjiang


 中国のテロ対策の中身は2本柱だ。物理的なテロに対しては当然、(どの国もそうする様に)武力によって取り締まりを行う。他方、テロリスト排出の温床となっている貧困問題についてはウイグルに対する様々なエンパワーメントでこれを解決する。職業訓練校での訓練等はこの一環だ。

 中国のテロ対策の実態が、ガザに於けるイスラエルのハマス取り締まりの様なジェノサイドだったら、イスラム教徒が多い国々は当然抗議するか、下手をするとヒズボラの様に物理的な攻撃を仕掛けていてもおかしくなさそうなのだが、世界的に著名なイスラム教指導者や学者達は寧ろ中国のテロ対策を賞賛している。そして例えば2022年9月に国連人権理事会で、新疆ウイグル自治区での人権侵害の疑いに関して協議するよう要請したのは西洋の8ヵ国だけに過ぎなかったが、新疆、香港、チベット関連の問題は厳密に中国の内政問題であるする声明を出したのは68ヵ国に上る。中国を非難する国より中国を支持する国の方が圧倒的に多いのだ。中国が人権問題で「国際社会」から孤立していると信じている人が居るとしたら、その「国際社会」とやらは本物の国際社会全体に於ける少数派(人口比で言えば全世界の13%程度)を指しているに過ぎない。

 街中の様子に関してはCBSは「顔認識カメラが至るところに有ったものの、警察の警備や雰囲気は概してリラックスしたものだった」と述べている。中国がディストピア的な超監視社会であるとの話も西洋メディアではよく耳にするが、例えば悪名高い社会信用システムなどは実態は拍子抜けする程平凡なものであって、テロの多い地域で監視カメラが多いのも、治安維持の必要性の高さを考えれば不思議ではない。西洋では監視されること自体を忌み嫌う様な文化も強い様だが、これは受け止め方の違いだろう。例えば日本でも西洋でも既に多くのドライヴァー達が強制されている訳でもないのにドライブレコーダーを自分の車に設置しているが、これは自分の安全を守る為の措置であって、安心感を高める為の措置だ。「見守られている」と感じるか「見張られている」と感じるかは状況次第だろう(そして西洋は勿論、本物の超監視社会であるガザ地区の人権状況については文句を言ったりしない)。

 何れにしろ中国当局の監視体制がどう受け止められているかは純粋に中国国内の内政問題であって、それは中国人が心配すればいい話だ(中国の内政問題にやたらと口出ししたがる西洋人は、中国人は余りに愚かなので自分で自分の心配も出来ないとでも言いたいのだろうか? 「こちらがわざわざ心配してやっている」と云う恩着せがましい差別は、最も気付かれにくい差別のひとつだ)。



 01/09になると中国のグローバル・タイムズ(環球時報。以下GT)がこの報道を取り上げて解説を加えた。

 「昨年(2023年)、他国や国際機関から約400の団体、4,300人以上の外国人ゲストが新疆を訪れたが、その中には政府関係者、外交使節、宗教家、専門家や学者、メディア・ジャーナリスト、一般人も含まれていた。彼等は独自の観察視点と物語を持って新疆の多くの場所を訪れたが、全員が共通して発見したのは、西洋メディアで読んだ新疆に関する恐ろしい報道の数々は、彼等が実際に見聞きしたものとは一致しないと云うことだった。」

 西洋の中にはこうした不一致を、「中国のプロパガンダ」や「中国の工作員」と云う言葉で解消しようとする人も多いが、GTは「彼等の大多数は新疆に行ったことが」無いと一蹴している。そして「新疆の門は大きく開かれており、多くの人が行き来している。 特定の個人やチームの為に特別に展示ブースを設けるのは現実的ではないし、その必要も無い。 新疆でその様な扱いを受けると考えている人が居るとしたら、彼等は自分自身を過大評価していると云うことだ。新疆で誰もが見聞きするものは、地元の人々の最も本物の日常生活だ。新疆は観光産業を発展させており、世界中からの訪問者を温かく歓迎している」と付け加えている。

 こうした姿勢からも判る通り、中国は良くも悪くもプロパガンダ能力は概して低い。嘘を暴く為の特別な努力などしなくて良い、事実をバカ正直その儘ポンとそこに置いておけば、やがて時間の経過と共に誰もが真実に目覚めてくれるだろうと期待している。外国からの視察を受け入れたりはしている様だが、自分達の方から積極的に事実を広める為の努力は余りしていない。反共プロパガンダの教義に於ては、中国人やロシア人や共産主義者は何か魔法の様な力を使って何百万、何千万もの人々を瞬時に洗脳して現実とは全く異なることを心から信じさせることが出来ると云うことになっている様だが、冷静に事実を見てみれば、この様に彼等のプロパガンダに対する熱意は西洋のそれとは全く比較にならないことがよく判るだろう。中国は経済的に米国を追い抜くことは出来るだろうが、ソフトパワー上の競争に関しては非常に愚直なことしかやっていない。これはロシア等についても同様であって、そもそも彼等は西洋程強力なグローバル・プロパガンダ・ネットワークを持っていない。

 GTは、このCBSの路線変更に特徴的に見られる様に、西洋の新疆プロパガンダが「その激しさと頻度は過去数年に比べて減少している」と認めているが、その原因は「彼等が突然『善意』を持ち始めたと云うことではなく、寧ろ新疆に関する主張が根拠が無い多くの人が既に認識している」からだとしている。だがこれにはウクライナでの代理戦争に負け、国際的な非難の集中砲火を浴びながらイスラエルに軍事援助を送り続けなければならなくなったワシントンが、台湾を通じた対中国代理戦争の延期を迫られており、新たなデタント(緊張緩和)を選択せざるを得なくなっていると云う事情を考慮に入れる必要が有るだろう。馬鹿馬鹿しいことこの上無い「中国のスパイ気球」疑惑も、事件から半年経ってから米当局が「実はあれは嘘だった」と事実上認めたことなども良い例だ。ワシントンに米中対立の激化を望む勢力が居るのは確かだろうが、それを望まない勢力も存在する。このGTの記事の様に「真実は何時か勝利する」と云う甘っちょろい考えは持たない方が良いだろう。

 GTの記事は更にこう解説している。
 
 「新疆のGDPは昨年(2023年)の最初の3四半期に、前年の同期に比べて6.1%増加した。外商投資企業の輸出入額は15億6,000万元に達し、28%増加した。 2023年の最初の11ヵ月間、新疆では2億5,600万件の国内外旅行が受け入れられ、前年比で111.73%の増加を記録した。観光収入総額は2,856億3,000万元で、前年比で217.57%増加した。これは新疆が米国や西洋諸国の制裁によって経済的に圧迫されていないことを示している。新疆の工場には『強制労働』は存在しないとする報告書をドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンが発表したのは画期的な出来事となった。新疆に関しては事実こそが最も強いのであり、長期間誤魔化したり隠蔽したりすることは出来ない。嘘は何れ暴かれるだろう。」

 とにかくまぁ、新疆の人々の人権状況に関しては上向きな展開が待っている様だ。実際には新疆の人々の生活を傷付けるにも関わらず「新疆の製品をボイコットせよ」などと呼び掛ける人は、イスラム教徒の生活などにはそもそも関心を持っていないのだろう。彼等は中国を貶め、自分達より道徳的に劣っている人種の存在を信じることで、自分達がどれだけ醜悪な所業を繰り返しているのか、鏡を見ないで済む口実が欲しいだけだ。
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悪党と犯罪者は隠蔽し、正直者は事実だけを語る

 犯罪者は自らの犯罪を隠蔽しますが、犯罪を犯していない人は何も隠し立てする必要がありません。

 嘘つきは次々に嘘を繰り返し、偽情報をまき散らしますが、正直者は一つの変わらない事実を繰り返すだけです。

 画策者は事実を捻じ曲げますから、いずれ矛盾が噴出しますが、真実を語る者の言葉には矛盾がありません。

 欧米のような嘘つきと、中国・ロシアのような正直な国家の違いですね。欧米や日本のように、権力者が嘘で塗り固めた政治経済を実行している国家においてなら、真実が一つとして存在しませんから、次々に嘘をついても国民は騙され続けますが、嘘をついていない国家においては、そもそも嘘をつく必要もなく、国民も外国の識者も、いずれどちらが嘘つきであるかを見抜きます。

 欧米日のような嘘つきが跳梁跋扈して世界を支配する時代は終わったのです。
 
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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