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西洋の政策立案者達は反攻が失敗した場合の「プランB」を持ち合わせていなかったのでパニクっている(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/12/12のデイリー・ビーストの記事は、西洋もキエフも、反攻が失敗した時のことを全く何も考えていなかったことを示している。
Western Policymakers Are Panicking Because There Was No Plan B If The Counteroffensive Failed



「プランB」は用意されていなかった

 2023/12/12、デイリー・ビースト紙はフランス陸軍学校で行われた「(ウクライナ)戦争に詳しい軍、政治、財務、学術、ビジネスのリーダー100人」の間で行われた非公開の会話についての記事「ウクライナはこの戦争に負ける瀬戸際:『我々はもうダメだ』」を掲載した。
Ukraine Is on the Cusp of Losing This War: ‘We’re Screwed’


 ここでは実に多岐に亘る多様な話題が話し合われたそうだが、簡単に言えば、「反攻が失敗した場合のプランB」は存在しなかった。
 
 「アメリカはウクライナから手を洗っています。彼等の軍事支出の優先順位は中国に向けられている一方、我が国(ウクライナ)やヨーロッパ全土はロシアのギャングやソーシャル・メディアのプロパガンダの大群に襲われている。我々はもうダメです、何もかもメチャクチャです。」(匿名のウクライナ政府参事官)

 ウクライナはまた、対ロシア制裁が失敗し、ロシア経済が崩壊しなかったこと、そして西洋が今だにロシアから押収(強奪)した数千億ドル相当の資産をウクライナに引き渡そうとしないことにも腹を立てている。

 またウクライナでは抗生物質耐性菌が蔓延しており、1,100万人の国民が食料不足に陥り、広大な農地が使用不能になっている。

 「2年以内にウクライナには、塹壕を埋めてロシアの猛攻撃に対抗して戦線を凍結するのに十分な暖かい体が無くなるだろう。」
 
 こうした話がこれまで西洋に伝わっていなかったのは、キエフのヴェテラン記者に拠れば、「(こうした話を)書くと、我々の(ジャーナリスト)資格が危険に曝される」からだ。つまり今までは厳格な報道管制を敷いて真実が漏れない様にしていたのだが、最早それすら難しくなったと云うことだ。



西洋もキエフも、失敗した時のことを全く考えていなかった

 この直後、同日12/12にゼレンスキーはバイデンと会談し、ウクライナへの援助継続をせびった。

 バイデンはゼレンスキーを追い払う為に緊急資金として2億ドルを約束した。

 ゼレンスキーは「プーチンとそのビョーキの一味」がこの議会の硬直状態から「刺激を受けて」いると脅したが、バイデンは更なる援助については「約束はしていない」と明らかにした。

 西洋大手メディアがこれまでの報道姿勢をガラリと変えて軒並みゼレンスキーやウクライナ批判に舵を切っていることからも判る様に、ウクライナを使ったNATOの対ロシア代理戦争は、予想よりも早く終息しつつある。そしてキエフ内部では政治的緊張が高まって治安機関が分裂し、NATO加盟の空約束は結局泡と消えたことが明らかになった。

 更に、ウクライナ軍はロシア軍の反撃の可能性に備えているし、ゼレンスキーは徴兵を拡大しようとしているがこれは非常に不人気で、ウクライナ人は戦いを望んでいない。そして軍が補充されなければ、ゼレンスキーに対して本当に「マイダン3」クーデターが起こったとしてもこれを抑え込めない。

 これに乗じてロシアが今後数ヵ月以内に突破口を開けば、ウクライナの状況は連鎖的に悪化する。

 ゼレンスキーが西洋の圧力に屈して直ちに和平交渉を再開して紛争を凍結しなければ、西洋がこの紛争に注ぎ込んで来た2,000億ドルのカネと数十万のウクライナ人の命は全て無駄になる。ところがゼレンスキーは完全勝利と云う妄想にしがみ付いているので、西洋はゼレンスキーの首を挿げ替えることを検討している。ウクライナが壌土の割譲に応じれば、ロシアがNATO諸国に攻め込むことは有り得ない

 従って元NATO最高司令官ジェイムズ・スタヴリディス提督の提案するプラグマティックな紛争凍結案を、西洋は真剣に検討すべきなのだ。

 何れにしろ重要なのは、西洋はここまで事態が悪化してジレンマに追い込まれることを全く予想していなかった様だと云うことだ。

 12/04のワシントン・ポストの2部構成の記事は、キエフも西洋も、政策立案者達の見通しが如何に甘かったかを暴露している。そもそも両者のヴィジョンには大きな食い違いが有ったばかりでなく、全てが失敗した場合のプランBを、どちらも用意していなかった。12/11にNYタイムズが反攻失敗後に新たな戦略を泥縄式に模索していることを報じたが、少な過ぎるし、遅過ぎる。全てはここまで事態が悪化する前に本来は用意されていなければならなかったものだ。
Miscalculations, divisions marked offensive planning by U.S., Ukraine
In Ukraine, a war of incremental gains as counteroffensive stalls

 頭を切り替えるより思考停止して現状路線を維持する方が簡単だが、その間もウクライナ人は犬死にを続けることになる。外交面で直ちに変化が起こらなければ、ロシアは来年中に攻勢に出るかも知れず、西洋とその代理連中は全面敗北の可能性に直面することになる。
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ロシアの情報管理能力が著しく高いと言いう事でしょう。

 もし、ロシアがNATOを上回る軍事力を持っていると言う情報が十分浸透していれば、ウクライナ戦争は起きなかったと思います。
 西側もロシアの方が軍事的な備蓄が多いとは知っていましたが、実際に戦争になれば勝てると踏んでいたのですから、情報収集能力と分析力において劣っていた事になります。
 最初からロシアに勝てないと知っていたにも拘わらず戦争を始めたならば、おそらくは勝てなくても良いから、ロシアを経済的に弱体化すれば良いと思っていたのでしょう。ロシアの石油と天然ガスを止めれば、アメリカがその市場を独占出来るという発想であり、EUが犠牲になる事は知っていながら実行した事になります。
 ロシアはウクライナのロシア系市民のために軍事侵攻しましたが、アメリカはイギリス同様、同じ西側の国家であるEUすら平気で裏切る国家です。だからこそ、アメリカは、名ばかりの友好国である日本や韓国、フィリピンなども、平気で利用し、使い捨てる国家である事がわかります。
 西側は弱肉強食と植民地支配、戦争ビジネスの地獄以外の何物でもありません。
 ただ、アメリカとしては戦争になればアメリカが儲かると単純に予想していたのでしょうが、現実には全く逆の結果になりました。愚かも良いところです。イスラエル戦争はパレスティナには悲劇ですが、ヒズボラその他はアメリカとEUの軍事的弱体化に乗じてイスラエルを攻撃していますから、仮に国内のパレスティナ人を根絶やしにしたとしても、国外のハマスその他の勢力の攻撃は決して終わらず、泥沼の戦争で疲弊する事になると思います。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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