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サウジアラビアは最終的にイスラエルとの関係正常化交渉を再開すると予想される(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/24、バイデン米大統領は、ハマスの攻撃の理由のひとつは米国が仲介するサウジとイスラエルの関係正常化交渉だと指摘したが、これはその通りだ。これはまだ先のことかも知れないが、サウジのMBSは、何時か米国が仲介するイスラエルとの秘密協議を再開するかも知れない。
Saudi Arabia Is Expected To Eventually Resume Its Secret Normalization Talks With Israel


 2023/11/24、バイデン米大統領は「これから言おうとしていることを証明することは出来ない」と前置きしつつも、ハマスがイスラエルを攻撃したのは、米国が仲介したサウジとイスラエルの秘密交渉を妨害するのが目的だったのではないかと述べた。

 「ですが私が思うに、ハマスが攻撃を行った理由のひとつは、私がサウジや他の地域諸国と緊密に連携して、イスラエルとイスラエルの生存権を承認することで、地域に平和を齎そうとしていたことを、彼等が知っていたと云うことです。」
President Biden Delivers Remarks on the Release of Hostages from Gaza


 つまり自分は平和の使者でありハマスは平和の敵だと主張している訳だが、彼は失言癖で有名であるにも関わらず、ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃が米国のアブラハム協定(アラブ・イスラエル関係正常化協定)の拡大計画を狂わせる一因となったことは否定出来ないので、今回の主張は的を射ている。

 以前の報道に拠れば、この作戦は2年前から計画されており、その間、米国が仲介したイスラエルとサウジの秘密会談に関する暴露記事も流れている。

 これが目覚ましい進歩を遂げていることを示す最も明確な兆候は、9月にデリーで開催されたG20サミットで、インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)が発表されたことだった。このメガプロジェクトはイスラエルが、西アジア経由でのヨーロッパ-インド貿易を促進する為の重要な複合結節点として機能することを想定しているが、サウジがこの枠組みに関与している為、実現の為にはイスラエルとサウジの関係正常化が必要となる。関係諸国が合意に達しようとしていなかったら、IMECが発表されることは無かっただろう。
India-Middle East-Europe Economic Corridor

 だが多くの人々が現在、IMECに関してこれまでに成し遂げられた進展が単に凍結されるのか、それとも永久に駄目になるのかについて論じている。

 イスラエルによるパレスチナ人に対する集団的懲罰は世界中のイスラム教徒を激怒させた。そして「二聖モスクの守護者」として、サウジは抑圧されている同宗者達を擁護する道義的責任を感じており、その為に少なくとも当面はこうした協議を一時停止することにしたと報じられている。現状でイスラエルと行動を共にすることは、宗教的・人道的に、パレスチナの大義に対する明白な裏切りになるからだ。

  だが、だから云ってアブラハム協定の拡大がもうお終いだと判断するのは早計だ。IMECは、サウジ経済を近代化しようとするムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)のヴィジョン2030構想にとっても不可欠であって、幾らイスラエルに腹を立てたからと云って、サウジがこれまで積み上げて来たものを全て捨てるとは考え難い。

 MBSは(プーチンが評価した様に)マキャベリストであることで知られているので、事態が落ち着いたら、米国が進めるイスラエルとの秘密交渉再開に同意するかも知れない。

 その際、「(パレスチナ人を)シオニストに売り渡した」と云う非難を避ける為に、サウジはガザ再建に向けた資金提供を申し出るかも知れない。他のアラブ諸国はサウジ程の資力は持っていないし、西洋諸国はイスラエルの逆鱗に触れることを恐れるだろう。そうしてソフトパワー上の舞台が整えば、交渉を中断したところから再開することが出来る様になる。

 MBSの観点からすると、これはIMECを解き放ち、ヴィジョン2030を前進させるだけではない。サウジはハマスの同盟相手であるムスリム同胞団を毛嫌いしている(正式にテロ組織に指定している)ので、これは国家の威信に関わる問題でもある。テロ組織の同盟相手がイスラエルを急襲してサウジの大戦略計画を台無しにすると云うシナリオは、彼にとっては絶対に受け入れられないものだ。

 これはまだ先のことかも知れないが、MBSは、何時か米国が仲介するイスラエルとの秘密協議を再開するかも知れない。
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川流桃桜

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