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ウクライナを使ったNATOの対ロシア代理戦争は終息しつつある模様(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023年11月下旬現在、急速に収束しつつあるあらゆる力関係を考慮すると、NATOの対ロシア代理戦争が終焉を迎えていることには、殆ど疑いの余地は無い。但し、それはに紛争が自動的に直ちに凍結することを意味する訳ではない。恐らく秘密交渉も含めて和平交渉は続くだろう(ちゃぶ台返しになる事態が起こらない限りは)。だが、この代理戦争のテンポは今後は異なったものになるだろう。
NATO’s Proxy War On Russia Through Ukraine Appears To Be Winding Down


 
 ウクライナを捨て駒にしたNATOの対ロシア代理戦争は、以下の条件が重なったことで危機に陥っている。

 ・キエフの反攻が大失敗
 ・「兵站競争/消耗戦」に於てロシアがNATOに圧倒的勝利。
 ・最新のイスラエル・ハマス戦争により、西洋がキエフよりもイスラエルへの援助を優先
 ・米国議会が機能不全
 ・もう直ぐ選挙シーズン



 今までの主な分析をざっとお浚いしておくと、

 ・08/18、A Vicious Blame Game Is Breaking Out After The Counteroffensive Predictably Failed

 ・08/20、米国の政策立案者達はキエフの反攻失敗後、自業自得のジレンマに陥っている(抄訳)

 ・08/25、The NYT & WSJ’s Critical Articles About Kiev’s Counteroffensive Explain Why It Failed

 ・09/03、カナダの一流メディアが、貧相な医療装備が100万のウクライナ部隊を危険に曝していることを暴露(抄訳)

 ・09/07、Poland’s Top Military Official Accidentally Discredited NATO On Several Counts

 ・09/09、WaPo Reported That Ukrainians Are Distrustful Of The West & Flirting With A Ceasefire

 ・09/14、Why Was Zelensky Overly Defensive In His Latest Interview With The Economist?

 ・09/14、ニューヨーク・タイムズは、ロシアが兵站競争/消耗戦に於てNATOを遙かに凌駕していることを認める(抄訳と補足)

 ・10/31、タイム誌がウクライナについて「政治的に不都合な」真実を明らかに(要点と補足)

 ・11/03、ウクライナ総司令官は最後の頼みの綱として米国の援助を請うている(抄訳)

 ・11/05、ニューヨーク・タイムズは、ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官との対立について皆に知って貰いたい(抄訳)

 ・11/08、最新の報道は、米露間で秘密協議が行われていることを示唆(抄訳)

 ・11/14、西洋市民は元NATO最高司令官のウクライナに関する言葉に耳を傾けるべきだ(抄訳)

 ・11/19、ゼレンスキーは今後自分に対して起こり得る抗議行動の信用を落とそうと必死だ(抄訳)


 
 そして、最近の一連の報道も、状況が劇的に変化したことを裏付けている(*リストが長いので英文記事を確認したい方は元記事のリンクを辿って下さい)。



 重要なのは以下の点だ。

 1)キエフに対する西洋の財政・軍事援助は消え去りつつある。
 2)ビクついたウクライナは支援継続を求めて今後の展開について恐怖を煽っている。
 3)ウクライナでは政治的対立が激化している。
 4)西洋はウクライナに対し、紛争を凍結させる為にロシアとの和平交渉を再開させるよう、圧力を掛けている。
 5)ゼレンスキーに対する草の根の抗議運動が近い内にウクライナ全土で勃発するかも知れない。

 何もかも、キエフが約束していたこととは全く異なっている。ほんの半年前、西洋はキエフの反攻の大成功について誇大宣伝を繰り返していた。だが9月の時点でニューヨーク・タイムズは、「ロシアは現在、今年初めに比べてウクライナの領土を200平方マイル近く多く支配している」と認めている。
 
 バイデンは11/18に「50ヵ国以上」が米国に加わってウクライナを武装させたと自慢したが、その「50ヵ国以上」の代理戦争の猛攻に、ロシアはたった1国だけで耐えることが出来たのだ。しかもロシアは支配地域を維持するだけではなく広げることに成功した。それに加えて西洋の備蓄は枯渇しており、残っている分はイスラエル行きだ。

 西洋の新冷戦ブロックが、この代理戦争に注ぎ込んだ1,600億ドル以上を無駄にしたくないと思った場合、通常型の現地介入(つまりNATO軍の違法な直接派遣)を行えと云う圧力を感じるかも知れない。その場合、計算違いによって第三次世界大戦が勃発するリスクは急増するだろうが、責任有る政策立案者であれば誰しも、その様な事態が起こることは望んでいない。結局のところ、西洋のエリートは過激かも知れないが、自殺願望が有る訳ではない。

 ロシア側は、ウクライナ側の前線が崩壊してロシア軍が突破口を開く事態になれば、どんなリスクが出来するであろうかを理解している。だからこそロシアは和平交渉再開に関するシグナルを送り続けている。

 だがゼレンスキーはこの点で西洋のパトロン達の要求に従うことを頑として拒んでおり、しかもザルジニー総司令官と対立を深めている。ザルジニーは今後西洋の承認を得て軍事クーデターを画策するか、それともゼレンスキーが和平交渉を再開する見返りとして解任される可能性が有る。前者の場合は彼は「ヒーロー」になり、後者の場合は「悪役」になるだろう。

 現在急速に収束しつつあるあらゆる力関係を考慮すると、NATOの対ロシア代理戦争が終焉を迎えていることには、殆ど疑いの余地は無い。但し、それはに紛争が自動的に直ちに凍結することを意味する訳ではない。恐らく秘密交渉も含めて和平交渉は続くだろう(ちゃぶ台返しになる事態が起こらない限りは)。だが、この代理戦争のテンポは今後は異なったものになるだろう。
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川流桃桜

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