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何故イスラエルはこれ程多くのパレスチナ人を投獄しているのか(抄訳)

Vox特派員アブダラー ・ファイヤド氏の記事の抄訳。ワシントンの連中が「中東唯一の民主主義国」と称賛するイスラエルが、世界最大の屋外強制収容所でパレスチナ人迫害の為に長年使用して来た「行政拘禁」を中心に、パレスチナ人捕虜の非人道的な扱いを解説している。
Why Israel imprisons so many Palestinians
Israeli soldiers apprehend a young Palestinian boy



 イスラエルは長年に亘りパレスチナ人を弾圧する手段として「行政拘禁」を使用して来た。これは起訴や裁判無しで無期限に投獄することを可能にする措置であり、2023/10/07に再び戦争が始まってからは、これが更に激化している。

 イスラエルは、これは合法的な予防的安全保障措置であり、言論や非暴力抗議活動を含む様々な政治活動を標的にしても問題無いと主張しているが、人権団体はこれは明らかな国際法違反であると見ている

 行政拘禁以外でも、ヨルダン川西岸でパレスチナ人が起訴されると、殆どの場合、略完全な有罪判決率を誇る軍事法廷で裁判が行われる。対照的に、イスラエル人は通常、民事法廷で裁かれる。

 その結果、現在、数百人の子供を含む数千人のパレスチナ人が、不透明な法的根拠に基付いてイスラエルに拘留されているが、この問題は近年悪化の一途を辿っている。

 パレスチナ人は今回の戦争のずっと前から、これらの捕虜の解放を要求して来た。そして遂に11/21、ハマスとイスラエルとの間で人質取引が成立すると、イスラエルは、パレスチナ捕虜150人の釈放とイスラエル軍によるガザ爆撃の一時停止と引き換えに、ハマスが人質50人を返還すると云う協定に合意した。

 イスラエルの人権団体ブツェレムに拠ると、9月末の時点で起訴も裁判も無しに投獄されたパレスチナ人は1,310人で、その中には少なくとも146人の未成年者が含まれている。それ以来、イスラエルは行政拘禁の利用を劇的に増やし、戦争開始から最初の4週間で拘留者の数は2,000人以上に達した(全ての捕虜の合計は約7,000人)。

 アムネスティの担当者に拠ると、行政拘禁は国際法で完全に禁止されている訳ではないが、使用は例外的な状況でのみ許可されており、厳格な保護措置が適用される」とのことだ。だがイスラエルはヨルダン川西岸地区はイスラエルの主権領土の一部ではないので軍法が適用され、国際義務を回避する権利が有ると主張している(つまりガザ地区にはイスラエルの主権は及ばないと言っている訳で、パレスチナの独立を認めていないイスラエル政府は自分達が占領者であることをこう主張する時だけ認めている訳だ)。

 パレスチナ人は一応、拘留命令に対して上訴出来ることにはなっているが、現実には、上訴が成功する件数は驚く程少ない。この主因は、被拘禁者もその弁護士も、イスラエルが彼等に対してどの様な証拠を持っているかを知らされないからだ。2015〜17年の間に無効になった拘留命令は1.2%に過ぎなかった。8月の時点では、2023年は1件も拘留命令が取り消されていなかった

 2022年のアムネスティの報告書は、1967年以来、イスラエルがパレスチナ人の日常生活に於ける様々な活動を犯罪とする1,000以上の軍令を発令していることを指摘し、行政拘禁が安全保障上の緊急措置ではなく、パレスチナ人を迫害する為に利用されている実態を明らかにした。犯罪となる行為の例としては、例えば、
 ・旗等の政治的シンボルを振る。
 ・許可無く特定の地域に滞在する。
 ・大まかな定義で「扇動」に該当するあらゆる言論

 SNSへの投稿だけで「安全保障上の懸念」を理由に、これまで数十人のジャーナリスト達を含む数百人が拘束されている。

 10/07前、パレスチナ人被拘留者は約5,000人だったが、内行政拘禁されたのは約1,300人。それ以外は普通の刑事犯だが、パレスチナ人の有罪判決は99.7%と、非常に高い。つまり起訴されれば殆ど確実に有罪になる。弁護人を拒否されることも多く、法廷で使用される証言や自白を損なう言葉の壁や誤訳に直面している。更に訴訟の多くは不当で広範囲に亘る容疑に基付いている。

 また、イスラエルにはパレスチナ人捕虜を拷問して来た長い歴史が有るが、今でも捕虜に対する拷問やその他の屈辱的で非人道的な扱いが報告されている。しかもイスラエル最高裁は1999年にこれらの拷問に違法判決を下したにも関わらず、その後も特定の状況での拷問の使用を繰り返し承認して来た。

 子供の被拘禁者に対する虐待や独房監禁等も以前から蔓延していたが、10/07以降は、パレスチナ人の被拘禁者や囚人に対する虐待の報告が急増している。

 10/07以降、西洋の注目は主に200人以上のイスラエル人の人質に集まり、不法に拘禁されている数千人のパレスチナ人は殆ど関心を引かなかった。人質交換によって150人は釈放されることが決まったが、残りの捕虜達は監獄に閉じ込められた儘であり、その命運は不透明な儘だ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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