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フィンランドは自らを対ロシア最前線のNATO国家として位置付けようと躍起だ(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023年11月、NATOは新たに加盟したフィンランドの国境沿いで新たな対ロシア戦線を開こうとしている。これは双方向的な軍事行動を誘発することを目的としており、その後事態がエスカレートした時にこれを正当化する為に、恐らくは文脈から切り離されて、ロシアが「謂れの無い/挑発されていない攻撃」を行ったと宣伝されることになる。
Finland Is Hellbent On Positioning Itself As A Frontline NATO State Against Russia




フィンランドが対ロシア挑発

 2023/11/14、フィンランド内務大臣は、安全保障上の理由からロシアとの国境を閉鎖するかも知れないと脅した。

 その後EU(欧州国境沿岸警備局)はフィンランドに軍を派遣する準備が出来ていると発表し、11/16には首相が国境を閉鎖すると発表した。

 更に11/17、フィンランドの国境警備隊は国境を越えようとしたグループに対してガスを浴びせ、そこに軍を派遣した。

 これに対して11/20、ロシアの外務次官は、ロシアは国益に従って対応すると発言した。

 以上の展開を纏めると、フィンランドは明らかに、ロシアに対するNATOの最前線国家としての地位を確立しようと躍起になっている。



フィンランドとNATOの思惑

 フィンランドとスウェーデンのNATO加盟問題については、2022年夏の時点では「NATOの北方拡大はロシアにとって大きな敗北ではない」、また2023年春には「フィンランドのNATO加盟は軍事的と云うよりも象徴的な意味で重要だ」と分析した。

 これらの分析は当時の軍事戦略情勢を反映したものだったが、フィンランドがロシアの移民危機と称するものを騒ぎ立てた結果、これらの評価もまた変更しなければならない。

 最新の力関係は、NATOが新たに加盟したフィンランドの国境沿いで、ロシア対して更に圧力を掛けようと共謀していることを示唆している。これは双方向的な軍事行動を誘発することを目的としており、その後事態がエスカレートした時にこれを正当化する為に、恐らくは文脈から切り離されて、ロシアが「謂れの無い/挑発されていない侵略」を行ったと宣伝されることになる。

 ここで重要なのは、これはNATOがウクライナを使った対ロシア代理戦争を再検討している最中に起こったことだと云うことだ。

 この夏の反攻は失敗に終わり、ロシアはNATOとの「兵站競争/消耗戦」に勝利し、NATOの元最高司令官は朝鮮戦争の様な休戦を提案した。そしてこの間、西洋はキエフに和平交渉を再開するよう圧力を掛けている

 この代理戦争が凍結した場合、フィンランド戦線の様な他の戦線を開くことを通じて失われた対ロシア圧力の一部を補填することには、一定の論理が存在する。

 NATOとロシアとの間には「相互確証破壊」(MAD)と云うジレンマが存在しているので、新たなフィンランド戦線に沿ってロシアに対して掛けられる圧力には自ずと現実的な制約が存在する。だがNATOの政策決定者達は、「ひとつのドアが閉まれば別のドアが開く」と云う具合に、ウクライナ戦線が終結するのと引き換えにフィンランド戦線を開くことが得策だと判断するかも知れない。

 そしてその展開は、北極海の軍事化を加速する為の「公的に尤もらしい」口実として主流メディアによって利用されることになるだろう。

 東西貿易の促進に於ける北極海航路の役割が増大しているので、新冷戦に於けるこの「最後のフロンティア」は、米国国主導の西洋のゴールデン・ビリオンと中露協商との間で競争が行われる舞台となる準備が整っている。

 そう考えると、フィンランド戦線を開くことは一石二鳥だ。

 つまりNATOは、ロシアに対して「コントロールされた」フィンランド戦線を開くことによって、覇権維持の為のゼロサム的な利益を促進することが出来ると考えているのだ。これによってウクライナ戦線の部分的な閉鎖を補うと同時に、北極海に於けるNATOの利益を推進することが出来る。

 以上の理由から、ロシアとフィンランドの緊張は更に悪化することが予想される。ロシアが自国の正当な利益を守る為に行うあらゆる動きは、こうしたプロセスを加速させる為の「謂れ無き攻撃」として解釈されることになるだろう。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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