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エチオピアには紅海評議会に参加する権利が有る(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。エチオピアは紅海評議会に正式に加盟させるか、少なくともオブザーヴァーの地位を与えられるべきだ。でなければ評議会の動機についての疑惑を招くことになり、アフリカの角地域の安全保障上のジレンマを更に悪化させることになる。
Ethiopia Has The Right To Be Included In The Red Sea Council


 

 2023/11/16、エチオピアのミスガヌ・アルガ国務大臣はインタビューで、「我々の貿易取引の殆どは紅海回廊を通過し、我々の船は紅海回廊を通過する為、我々は紅海評議会に加わる権利を持っています」と発言した。

 10/15にアビィ首相は現在のジブチの港に過度に依存している状況から脱却する為、紅海へのルートを多角化する必要性について強調しているので、エチオピアの紅海評議会への参加は、これまで以上に意味を持って来ている。

 紅海評議会とはサウジが主導して2020年1月に創設された組織で、正式名称は「紅海及びアデン湾のアラブ及びアフリカ沿岸諸国評議会」。全沿岸諸国で構成され、包括的な地域統合プラットフォームとして機能することが期待されている為、加盟諸国は、集団的利害に関連する問題、特に経済と安全保障の問題について協力することになる。

 但し評議会が世界で最も人口の多い内陸国であり、その安定が紅海に直接依存しているエチオピアを排除し続ける限り、「アフリカの角の沿岸諸国が、内陸国であるエチオピアを封じ込めようと共謀しているのではないか」と云う疑いの目で見られることになる。理事会はエチオピアに少なくともオブザーヴァーの地位を提供することで、評議会は排他的で閉鎖的で、ゼロサム・ゲームを推進して多極化の流れに逆らう組織なのではないかと云う疑念を払拭出来るだろう。

 似た様な事例は有る。北極評議会の場合、フィンランドとスウェーデンは北極海に直接アクセス出来る訳ではないのに、評議会に正式に加盟している。中国とインドは北極海からは遠く離れているにも関わらず(そして評議会の設立メンバーには中国と敵対する米国が含まれているにも関わらず)、オブザーヴァーだ。これら4ヵ国を含め、他の加盟諸国も皆、北極海に正当な (主に経済的) 利害を持っている。

 これを考えると、内陸国であるエチオピアにも正式な加盟国、少なくともオブザーヴァーの地位を提供出来ない理由は無い。

 サウジが非妥協的な加盟諸国に対して主導力を発揮すれば、次の3段階を踏んでこの問題は簡単に解決出来る。

 1)エチオピアとUAEを紅海評議会に招待する。UAEはイエメンとソマリランドへの投資によりこの水域にも利権を持っている。これにより評議会が紅海に正当な権益を持つ非沿岸諸国にも敬意を払うことを示すことが出来る。

 2)この地域に軍事基地を有する国々を含めて、オブザーヴァーの数を拡大する。有望な候補はEU(フランスとイタリア経由)、中国、日本、米国、或いはインドだ。

 3)正式加盟諸国とオブザーヴァー諸国が仲介役を務め、エチオピアが最終的にこの水域への直接且つ完全なアクセスを取り戻すことが出来る様にする。これはジブチにまで安全保障を拡大することで促進されるかも知れないが、これはウクライナに於けるNATOとロシアの代理戦争や、最新のイスラエル・ハマス戦争に関する最新の提案と路線が一致しており、これによりアフリカの角地域での戦争を先んじて回避することが出来る様になる。

 紅海の港を獲得する為にエチオピアが湾岸国の一部を侵略・併合するのではと云う憶測(現実的な根拠は無い)も、ジブチの安全が保障されれば払拭されるだろう。エチオピアにも同様の安全保障が拡大される可能性も有る。

 その場合、この地域に既に軍事基地を持っている利害関係者達(ジブチに駐留する多様なグループやイエメンのUAE)は、自然な流れとしてこの提案の保証人となることだろう。

 エチオピアを紅海評議会に含めなければ、要らぬ疑惑を呼び起こし、アフリカの角地域の安全保障上のジレンマが更に悪化することになり、それは計算違いから紛争に繋がるかも知れない。そうなる前に、全ての責任有る利害関係者達は先手を打って回避するよう努めるべきだ。
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川流桃桜

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