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西洋市民は元NATO最高司令官のウクライナに関する言葉に耳を傾けるべきだ(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。解り難い部分は多少改変した。2023/11/11、元NATO最高司令官が、プラグマティックな妥協による紛争解決の提案を行った。彼程の名声と権威を備えた人物がこの種のことを示唆したのはこれが初めてだ。
The Western Public Should Heed The Former NATO Supreme Commander’s Words About Ukraine




 2023/11/11、元NATO最高司令官ジェイムズ・スタヴリディス提督はブルームバーグで「ウクライナ再建に対する韓国の教訓」と云う記事を発表した(記事は有料だがこちらで無料で読める)。
https://www.deccanherald.com/opinion/south-koreas-lessons-for-ukraines-reconstruction-2767478" target="_blank" title="South Korea’s Lessons for Ukraine’s Reconstruction">South Korea’s Lessons for Ukraine’s Reconstruction

 彼が主張する教訓は次の通り:

 1)西洋に真剣な復興支援を要求する。

 2)鉄壁の安全保障を獲得する。

 3)ロシアによるクリミア占領を当面は黙認する。

 この3つ全てに、西洋市民は出来るだけ早急に注意を払うべきだ。

 この夏、誇大宣伝されたとんでもなく費用の掛かるキエフの反攻が予想通りに失敗したことにより、秋にはこの紛争の将来を巡って、ゼレンスキー大統領とザルジニー最高司令官との対立が激化した。この間、米国の対ウクライナ援助は議会の機能不全によって妨げられ、当局者達が和平交渉の再開を迫ったと報じられた

 ゼレンスキーは交渉を断固として拒絶し、いざとなったら米国の援助無しで戦い続けるとさえ宣言した。だが米国がそうしたシナリオを彼にやらせる可能性は低い。彼が拒み続ければ、米国は強制的に命令に従わせるか、さもなくばザルジニーと首を挿げ替えるだろう。

 失われた領土を再征服し、ロシアに突破されてこれまでの成果を全て引っ繰り返されるかも知れない接触線を維持する為に、これまで余りにも多額の投資が行われて来た。米国はこの代理戦争での決定的な敗北を受け入れるか、NATOが直接軍事介入を行っても第三次世界大戦にまでは至らない可能性に賭けるか、どちらかを迫られている。

 政策立案者達は誰もそうしたジレンマを望んでいない。だからこそ、米国はロシアとの「兵站競争/消耗戦」に敗れ、接触線を凍結しない限りは更なる損失が避けられないことを悟ってからは、紛争から徐々に離脱しつつあるのだ。

 だからこそ、彼等はゼレンスキー大統領に和平交渉を再開するよう圧力を掛けている。こうした外交的文脈の中で、スタヴリディスの記事は掲載された。

 彼は私人の立場で発言しているが、元NATO最高司令官と云う肩書きのお陰で、西洋の読者に軍事戦略的権威の立場から発言していると認識されている。このことは、この紛争に関する一般的な言説を、これまでの完全勝利と云う過大な要求から離れて、彼の提案(特に最後のもの)が支持しているプラグマティックな妥協による解決に向けて作り直す上で、彼の言葉に並外れた重みを与えている。

 彼はあからさまに反ロシア的姿勢を表明しているし、ウライナが次のROK(韓国)になると云う非現実的な予測を行っているが、それでも彼の提案は以下の点でそれぞれ賢明なものだ。

 1)紛争後の復興に焦点を当てることは、戦闘を無期限に永続させようとする軍産複合体の試みに対抗出来る唯一のロビーに、強力な経済金融勢力を結集させるのに役立つ。戦時よりも平時により多くの金を稼ぐ人が多い。これは停戦を求める上で説得力を持つ議論だ。

 2)「永続的な安全保障」に関しては、NATOのウクライナ支援が証明している様に、既に非公式に存在しているので、どの道既成事実だと言える。NATOには、憲章第5条の集団安全保障の様な保証をウクライナにまで拡大する政治的意志は欠けているかも知れない。だが一部の加盟国は二国間または多国間でそうした交渉を行うかも知れない。
 
 3)接触戦を事実上凍結せよと云う最後の提案は最も重要だ。彼程の名声と権威を備えた人物でこの種のことを示唆した者は、今まで誰も居なかったからだ。彼が殊更に反ロシア的な言辞を強調しているのは、過去20ヵ月間に亘って「勝利は間近だ」と云うプロパガンダに惑わされて来た人々に対して、この衝撃を幾らか緩和しようとしてのことだろう。彼等がどう感じるにせよ、この紛争は来年までに終結するかも知れない。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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