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イスラエルによるガザ再占領は、どんなに長く続いても覆せないだろう(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/11/08、ヨルダンはイスラエルに対して警告した。だがイスラエルに対して本格的な戦争を始めたい国は何処にも無い。イスラエルによるガザの再占領が既成事実となってしまっても、どの国も苦情を云うのが精々だろう。
Israel’s Re-Occupation Of Gaza, For However Long It May Last, Is Likely A Fait Accompli



 2023/11/06、ネタニヤフ首相は「イスラエルは無期限にガザの安全保障全体の責任を負うことになる」と宣言した。

 11/08、これに対しヨルダンのサファディ外相は、パレスチナ人の権利とパレスチナ独立国家の承認を通じた平和と政治的解決を強調し、「ヨルダンは、アラブまたは非アラブ勢力による戦後のガザ統治に関する如何なる協議も拒否する」と述べた。

 問題は、ヨルダン王室は実際にはこのシナリオを回避する為の政治的意志を欠いていることだ。

 実のところヨルダンだけではなくアラブ諸国はどれひとつとして、イスラエルによるパレスチナ人のジェノサイドと一般に言われている事態を阻止する為に、これまでに具体的なことを何もしていない。

 従ってイスラエルによるガザの再占領は、どんなに長く続くとしても、覆せない可能性が高い。何故なら、アラブ人もトルコも、必要に応じて戦争で暴力を止めると云う脅迫すらしていないのに、ジェノサイドを阻止する為に実際に戦争を始めるなどとは想像出来ないからだ。

 例えば、エジプトはイスラエルの南進を阻止する為にラファ検問所を越えてガザ地区に軍隊を派遣するかも知れないが、この地域に対する責任を再び負うことになることは望んでいないし、そうした動きが誤算によってより大きな戦争を引き起こすかも知れないことを恐れている。

 ヒズボラさえ、ハマスやパレスチナ人を支援する為に総攻撃命令を出すことには消極的だ。これは恐らく事態が「相互確証破壊」(MAD)に至ったことを暗黙の内に認めているからだと思われる。

 これらの観察は、ヨルダン、エジプト、ヒズボラその他の高潔さを非難することを目的としたものではない。単に客観的な状況をはっきりさせているだけだ。

 最新のイスラエル・ハマス戦争が勃発して以来、アラブ人、ヒズボラ、トルコ、或いはロシアさえも、パレスチナ人を守る為にイスラエルに対して本格的な戦争をする用意をしていると主張するフェイクニュースが氾濫している。


 しかし、これまでのところそのどれも実現していない。

 寧ろ上記の関係国のどれひとつとして、イスラエルに対するエネルギーその他の輸出を遮断する政治的意志すら持っていないことを、世界中が目にしている。

 彼等がやることは精々大使を召還することだが、イスラエルに対して戦争を企てるなどと云うことは考えられない。

 これは、彼等がイスラエルと戦争を始めたら簡単に起こる可能性の有る第三次世界大戦のリスクを冒すべきだと言っている訳ではない。また、このシナリオを回避することがパレスチナ人を見捨てることになると言いたい訳でもない。

 ロシアの原則的中立政策とそれに伴う停戦努力などは、間違い無く積極的な貢献だ。これが紛争をどの程度形作ることが出来るかには限界が有るが、そうした政策が無いよりは有った方が良い。

 上記の様な状況を念頭に置くと、ヨルダン外相の声明は単なる遠吠えに過ぎない。そして、それが武力による確かな脅威によって裏付けられる可能性は低い。

 ガザ再占領が既成事実になってしまった暁には、どの国も苦情を申し立てるだけなのがオチだろう。そして一部のアラブ諸国は、最終的にはその占領政権に参加する可能性さえ有る。
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川流桃桜

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