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米国はウクライナにロシアとの和平拒否を強制した———元ドイツ首相(抄訳と補足)

RTの記事の抄訳と補足。2023/11/01の記事で、ドイツの元首相ゲルハルト・シュレーダーは、2022年3月の段階で進められていた和平交渉を米国が妨害したことを証言した。ロシアの特別軍事作戦は開始から僅か1ヵ月で決着が付いてしまったので、2022年3月の段階でロシアとキエフは和平交渉を進めていたが、西洋の妨害によってオジャンになったことは既にこのブログでも取り上げたが、それがまたひとつ裏付けられた形だ。何度も指摘していることだが、ウクライナ戦争を止めたかったらモスクワやキエフに訴えても無駄だ。これはワシントンが始めてワシントンが続けさせている戦争だ。
US forced Ukraine to reject peace with Russia – ex-German chancellor



 ドイツの元首相ゲルハルト・シュレーダーは2023/11/01のベルリン・ツァィトゥングのインタビューで、イスタンブールで2022年3月にウクライナとロシア当局者の間で行われる和平交渉の仲介を依頼されたと証言した。

 彼に拠れば、ゼレンスキー大統領の代表者団はNATO加盟を諦める等の重要な問題に関して譲歩する用意が有った。だが、

 「ウクライナ人が和平に同意しなかったのは、それが許されていなかったからです。彼等は先ずアメリカ人に、話し合ったこと全てについて伺いを立てなければなりませんでした。」
 
 ロシアは和平交渉を西洋が妨害したと主張して来たが、それがドイツ側から裏付けられた形になる。またキエフがワシントンの傀儡に他ならないことも再確認された。

 因みにシュレーダーは10/13のインタビューで、プーチンのことを今でも友人だと思っていると発言し、彼を非難することを拒否したが、現在の独仏の指導者達が紛争の外交的解決策を見付けられなかったことを嘆いた(幼稚園児の様な他の政治家達と比べると、かなり成熟した大人の態度だと言えるだろう)。

 彼はまた「アメリカ人はロシア人を抑えられると信じている」と述べ、米国の自信過剰が、ロシアと中国を接近させる結果になったと指摘した。「アメリカ人は、両国を牽制するのに十分な力があると信じています。私見ですが、これは間違いです。アメリカ側が今どれ程分裂しているか見て下さい。議会の混乱を見て下さい。」

 彼は西欧に於ける米国の同盟諸国が2022年3月に和平を推進する機会を「掴むことが出来なかった」と嘆いた。当時ゼレンスキーは、クリミアとドンバス地域の離脱領土に関して妥協する用意が有った。

 「武器の供与は永遠の解決策ではありませんが、誰も話したがらない。………誰もが塹壕の中に座っています。後何人死ななければならないのでしょう?」

 彼は和平交渉を復活させることが出来るのはフランスのマクロン大統領ドイツのショルツ首相だけだと主張した。

 「ショルツとマクロンは実際、ウクライナの和平プロセスを支持すべきです。それは単に米国の問題ではなく、何よりも欧州の問題だからです。」

 「何故ショルツとマクロンは武器供与を会談の申し出と組み合わせなかったのでしょうか? プーチンと話せるのはマクロンとショルツだけです。」

 シュレーダーはまたウクライナのNATO加盟はNATOをモスクワの西の国境まで拡大することになり、その米国の圧力にロシアの指導者達が脅威を感じていることを指摘した(西洋がロシアの懸念に全く真剣に向き合おうとして来なかったのは知っての通りだ)。

 彼はまた「ロシアの拡張主義」には現実的な根拠が無いと一蹴した。「ロシア人がやって来ると云うこの恐怖は馬鹿げています。西欧を占領するどころか、どうやったらNATOを打ち負かすことが出来ると云うのでしょう?」

 「ですから、ポーランドもバルト三国も、そして勿論ドイツの誰も(因みに全てNATO加盟国ですが)、自分達が危険に曝されていると信じる必要は無いのです。」

 他方彼は、西洋の指導者達は、モスクワで誰が権力を握っていようと、ロシアはウクライナもジョージアもNATOに吸収されることを許さないことを理解する必要が有ると主張した。

 「この脅威分析は感情的なものかも知れませんが、ロシアでは現実です。西洋はこれを理解し、それに応じて妥協を受け入れる必要が有ります。そうでなければ和平を達成することは困難になるでしょう。」

 歴史をお浚いしておくと、ロシアはここ2世紀で3度(ナポレオンの遠征と二度の世界大戦。クリミア戦争まで含めると4度)も国境の西側から他国の侵攻を受けており、特にナチス・ドイツのバルバロッサ作戦では人口の約1/7を失うと云う大惨事を被っているので、「国境の西側には絶対にロシアに敵対的な国を作らせてはならない」と云うロシア人の決意は歴史的に見て根拠の有る話なのであって、それは領土拡張とか世界征服の野望の為ではなく、自国の防衛を目的としたものだ。明治以降の日本は基本的にずっと侵略する側だったので、日本人の多くはどうも侵略された側から見た光景と云うものについて些か鈍感過ぎるのではないかと思う。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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