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ロシアは恐らくイスラエルによるシリア空爆を止めない(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。イスラエルが第二戦線が開かれるのを阻止する為にシリアを爆撃したとしても、ロシアはそれを黙認するだろうと予想される。
Russia Isn’t Expected To Stop Israel’s Strikes In Syria




 以前、ロシアは最新の紛争の拡大を望んでいないので、「ロシアが最新のイスラエル・ハマス戦争にシリアを巻き込ませる可能性は低い」と分析したのだが、ロシアはシリアを支配している訳ではないので、この件に関して出来ることは限られている。従ってこの分析でも、シリアがロシアの意向に反して紛争に関与した場合(そしてそれをロシアが止められなかった場合)、ロシアは「自国とユダヤ人を守る為に必要と思われる方法でイスラエルに対応させる可能性が高い」と予測した。

 この予測はこれまでにも何度か裏付けが取れている。イスラエルはイランの武器輸送を妨害すると云う口実で、10/12と10/14にシリアの空港を爆撃したが、これに対してロシアは介入しなかった(後でイスラエルを非難はしたが)。ロシアにとってはこれが可能な限り最もプラグマティックな立場なので、今後もこの姿勢を維持するだろう。

 その観点からすれば、シリアにはイランと軍事協力する権利が有るが、イスラエルにも、第二戦線が開かれるのを阻止する権利が有ることになる。

 ロシアがイスラエルの国際法違反には抗議するが、再発防止の為には何もしようとしないのはこれが理由だ。ロシアは、イランがイスラエルに対して第二戦線を開くと云うシナリオに比べれば、イスラエルがシリアを攻撃する方がまだマシだと考えているのだ。

 だが、レバノンから第二戦線が開かれる可能性は依然として残っているので、それがイスラエルと米国の共同による大規模爆撃作戦を促す可能性が有る。それは正にロシアがシリアに対して起こって欲しくないと思っていることだ。大規模爆撃が実施されれば、ロシア軍が2015年以来積み上げて来た対テロ作戦の成果は全て一瞬で覆されるかも知れない。そうなればISISや他のテロ組織が息を吹き返すかも知れない。2015年以前の安全保障上の脅威が復活してしまうのだ。

 但し、レバノンに対する大規模な爆撃は同様の脅威を齎す可能性が有るが、その隣国であるイスラエルとシリアは外国人戦闘員の参戦を認めていないので、多少は上手く管理出来る筈だ。

 シリアがイスラエルに対して第二戦線を開くことにロシアが強く反対しているもうひとつの理由は、それが齎す政治的圧力だ。第二戦線が開かれれば、西洋大手メディアはロシアがこれに関与していたと主張するだろうし、それによってゼレンスキーが主張していた「ハマスのテロ攻撃の背後にはロシアが居る」と云う陰謀論に塩を送ることになるだろう。

 そしてまたイスラエルがシリアを破壊している時にロシアが傍観していれば、グローバル・サウスの目には映りが悪いことをロシアは理解している。

 シリアに於ける自国の安全保障上の利益を守る為だけに、イスラエルの同盟国である米国を敵に回して第三次世界大戦のリスクを冒すつもりはロシアには無い。だからこそ、ロシアがこのシナリオを阻止する為に軍事介入する可能性は低いと予測される。だが評判を落としてソフトパワー上の悪影響が出るのも避けたいところだ。

 従ってロシアは、イスラエルがシリアに在るイランの資産を爆撃することを黙認し続けるだろうと予想される。これは第二戦線が開かれるのを阻止するのが目的であり、紛争拡大はロシアの利益に反している。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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