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バイデンが第三次世界大戦を仄めかしたのは軍産複合体の利益を維持するのが目的だ(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/10/20のバイデンの大統領演説は第三次世界大戦の恐怖を煽っていたが、これは彼の主張する様な「民主主義vs独裁制」と云う(イラク戦争の時のブッシュJr.並みの)幼稚な御伽噺とは何も関係無く、議会の混乱によって軍産複合体の計画が狂ってしまったのが原因だ。
Biden’s World War III Innuendo Aims To Maintain The Military-Industrial Complex’s Profits



バイデンが第三次世界大戦の恐怖を煽る

 大統領執務室から中継された2023/10/20のバイデンの大統領演説は、第三次世界大戦が急速に近付いているか、或いは既に始まっているが気付かれていないだけであることを強く示唆していた。
Watch Biden's full Oval Office address on Israel-Hamas conflict


 バイデンはウクライナに於けるNATOとロシアの代理戦争最新のイスラエル・ハマス戦争を比較し、これらは「民主主義vs独裁制」と云うグローバルな闘争の一環であると吹聴した。

 彼はまた第二次世界大戦について言及し、アメリカ人は再び「民主主義の武器庫を構築」していると付け加えた。

 これらの恐怖を煽る発言は、1,060億ドルの国家安全保障パッケージの内から両方の紛争に750億ドルもの資金を提供(610億をウクライナに、140億をイスラエルに)するよう議会に要請したことを正当化するのが目的だった。



バイデンが恐怖を煽った理由

 この演説の背景には、マッカーシー前下院議長の解任と、その後任の不在によって引き起こされた議会の機能不全が有った。バイデンの発言は明らかに、この点で議員達に妥協を強いる為のものだった。だが真の目的は、議会の機能不全の結果として軍産複合体の利益が突然不確実なものになった為、その利益を維持することだった。

 来年に迫った選挙、その結果としてあらゆる問題について党派間の分裂が悪化したこと、そしてキエフの反攻が大失敗して結局ロシアを倒すことが出来なかったこと———これら全ての要因によって、ウクライナへの更なる資金提供は、これまで以上に物議を醸すものとなった。

 そして先ずマッカーシーの後任を選出しないことには、この難題の資金計画はどうにもならない。従って第三次世界大戦についての恐怖心を煽ることで、議員達を脅かして妥協させる必要が有ったのだ。



バイデンの与太話

 実際には、ウクライナ代理戦争とイスラエル・ハマス戦争は起源が全く異なっているので、互いに何の関係も無いし、民主主義がどうとの云う話とも全く関係は無い。

 ウクライナ戦争は、米国が何年にも亘ってロシアの正当な国家安全保障上の利益を一方的に侵害した結果、最終的にロシアが自国を守る為には軍事介入する以外に選択肢が無いと判断したことによって引き起こされた。

 対照的に、イスラエル・ハマス戦争は、米国が国際法に従ってイスラエルにパレスチナの独立を認めさせることを拒み続けたことが遠因で、直接的には、ハマスがその状況をテロ攻撃を正当化する為に利用した。

 従って両戦争は東欧と西アジアそれぞれで衰退しつつある一極覇権を維持したいと云う米国の願望の結果として勃発したものであって、米国は双方に対して責任を負っている。

 「民主主義」的側面に関して言えば、現実はバイデンが理想化した姿とは正反対のものだ。

 米国はウクライナでロシアを軍事的に脅迫してバルカン化し、同時にイスラエルによるパレスチナの不法占拠を支援することを計画していた。この観点から見ると、これらの紛争は米国が覇権主義的な利益を反民主主義的な手法によって追求した結果として引き起こされたものであって、ロシアとハマスは、隣人の民主主義を破壊したいと云う謎の執念に突き動かされていた訳ではない。

 従ってバイデンのレトリックは全くの誤りであって、彼がこれらの紛争の為により多くの資金を議会に確保させようと、つまり軍産複合体の利益を維持することにそれ程必死になっている理由は別に在る。



全ては金儲けの為に

 米国は過去20ヵ月間にウクライナに対して1,130億ドルを注ぎ込んで来たが、今だにロシアを倒すことは出来ていない。またイスラエルに対しては1946年以来1,240億ドルを注ぎ込んで来たが、今だにパレスチナ人を制圧することが出来ていない。資金は重要ではないと云う訳ではないが、資金だけでは達成出来ないことも有ることはこれらの例によって証明されている。今更資金を追加したところで地政学的な状況がどうにかなる訳ではないのだ。

 従って、バイデンが追加の1,060億ドルの資金調達要求を可決する為にマッカーシーの後任について早急に妥協するよう議会に圧力を掛けている唯一の理由は、2022年2月以降の「新常態」を前提として軍産複合体の利益を維持することに他ならない。

 ロシアの特別作戦はこれらの企業にとって天の恵みだった。それにより旧冷戦時代レヴェルの資金調達と利益を確保する口実が出来たからだ。その後の彼等の計画は、議会が彼等の要求に対して素直にハンコを押すだろう(それを断るのは「非愛国的」だし、米国の利益だと言われているものを危険に曝すことになると脅されるから)と云う予想に基付いていた。
 
 だからこそ彼等は草の根と党派間の圧力によってウクライナへの追加の資金提供がこれまで以上に物議を醸している問題について、それ程心配していなかったのだ。

 彼等の計算に含まれていなかったのは、、共和党の「ウルトラMAGA」派閥がマッカーシー下院議長に対してレジーム・チェンジを成功させるシナリオだった。これにより議会は混乱に陥って更なる資金調達が保証出来なくなり、突如として彼等の事業計画は脅かされることになった。

 彼等は出来るだけ早急に全てを軌道に戻そうと必死だ。だからこそ彼等のロビイスト達はバイデンに何等かの圧力を掛けて第三次世界大戦についての恐怖を煽るように促したのだが、これは不首尾に終わるかも知れない。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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