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米国とカタールはイスラエル・ハマス戦争に対するロシアとインドの政策の信用を落とそうとしている(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。最新のイスラエル・ハマス戦争に於て、ロシアとインドは、どちらかを犠牲にすることなく、双方のバランスを取ることは実際に可能であることを証明した。これはこの紛争のそれぞれを支援している米国とカタールを動揺させており、従って彼等はロシアとインドの信用を落とそうと偽情報キャンペーンを展開している。
The US & Qatar Are Trying To Discredit Russia & India’s Policy Towards The Israeli-Hamas War



ロシアとインドはバランスの取れた立場を堅持している

 2023/10/07に開始された最新のイスラエル・ハマス戦争は、国際社会を正反対の陣営に二分したが、ロシアとインドはこの紛争に対してバランスの取れた政策を取っていることで、注目に値する例外となっている。どちらもテロに対するイスラエルの自衛権を支持しているが、関連する安保理決議に従ってパレスチナが独立する権利も支持している。

 これらについての以前の分析は以下の通りだ。

 最新のイスラエル・ハマス戦争に対するロシアの公式反応を解釈する(抄訳)
 ロシアはパレスチナ独立を支持しているが、これは反イスラエル政策だと吹聴されるべきではない(抄訳)
 Russia Has A Balanced Approach Towards The Latest Israeli-Hamas War
 Interpreting India’s Position Towards The Latest Israeli-Hamas War

 唯一の違いは、ロシアがこの紛争をこれまで解決出来なかったとして米国を非難しているのに対し、インドはその点については何も触れていないことだ。この点を除けば、両者の立場は一致している。

 両国が実際に示しているのは、どちらかを犠牲にすることなく、双方のバランスを取ることは実際に可能であると云うことだ。これはこの紛争のそれぞれを支援している米国とカタールを動揺させている。



米国とカタールの偽情報作戦

 イスラエルを支持する米国はロシアの信用を落とそうとしているが、これを主導しているのは、2022年5月にロシアから入国禁止になったジュリア・デイヴィスだ。彼女は政府から一部資金提供を受けているシンクタンク「欧州政策分析センター(CEPA)」で、「『今日は良いニュースしか無い』———イスラエル人の死をロシアのプロパガンディストが祝う」と云う記事を発表したが、これは政府とは関係の無いインフルエンサーの意見とロシア政府の意見を意図的に混同し、ロシア政府がハマスの味方をしているかの様な印象を与えるものだった。

 ハマスを支持するカタールから公的資金提供を受けているアル=ジャジーラは、インドの信用を落とそうとして、「分析:何故これ程多くの反パレスチナ偽情報がインドから発信されているのか?」と云う記事を発表している。著者はカタールから公的資金を受けているハマド・ビン・ハリファ大学の准教授であるマーク・オーウェン・ジョーンズだ。これもまたディヴィスの記事と同様、特定のアカウントのソーシャル・メディアへの投稿が、インド政府の政策の影響を受けたものであると主張して、読者が両者を混同することを狙っている。

 前掲の分析を読んだ読者であれば、これらの記事が文字通りプロパガンダであることに気が付くだろう。

 これらの記事は、想定読者がロシアとインドの公式政策を知らず、また彼等が両国には言論の自由が無いと考えていることを前提としている。だが実際にはロシア人もインド人も、テロ支援によって法律に違反しない限りは、この紛争に関して好きな意見を表明する権利を持っている。そしてどちらの政府も、影響力の有るソーシャルメディア・アカウントを管理してはいないし、これらのアカウントは時々、自国の意見とは相反する意見を表明している。

 従ってこれらの事実を知らない人々は、米国とカタールによって操作される可能性が有る。

 両国は、ロシアはイスラエルを犠牲にしてハマスを支持し、インドはパレスチナ人を犠牲にしてイスラエルを支持していると人々に思わせようとしている。これは両国の例に倣って他の国々もこの紛争に対してバランスと取れたアプローチを取り始めることを恐れているからだ。
 
 米国はイスラエルを全面的に支持し、カタールはハマスの指導部を受け入れている為、この紛争では対立する立場に立っているが、両国は公式には依然として戦略的パートナーであり、従って緊密に連携している。それを考えると、米国は対ロシア、カタールは対インドで、偽情報作戦を分担した可能性は排除出来ない。米国はインドを中傷することでインドとの戦略的パートナーシップを損なうリスクを冒したくはないからだ。アル=ジャジーラは既に何年も前からインドに於けるイスラム教徒の安全について恐怖を煽っているので、カタールはこの役割を喜んで果たしたのだろう。



誤解は正されるべき

 但し、ソーシャル・メディアのアカウントの意見とその国の政府の意見と混同すると云う過ちは、代替メディアでも見受けられる。RTのブラッドリー・ブランケンシップ氏や、戦略文化研究所のペペ・エスコバル氏の記事等がその例だ。これらはどちらも優れた代替メディアだが、これらの記事はどちらもインドの公式政策についてのファクト・チェックが為されていない。

 これらは、この紛争に対するインドの公式の立場に関する誤解が如何に広まっているかを示しているが、この誤りを正しておくことは重要だ。ロシアがメディアがインドについてカタールの偽情報作戦に引っ掛かったら、今度はインドのメディアがロシアについて同じことをするかも知れない。

 だが実際にはバランスの取れた両国の公式政策は、米国を非難するかと云う一点を除けば同じであって、これは相互に助け合うものだ。これは両国の戦略的パートナーシップの形を具体的に(特にグローバル・サウスに対して)明らかにするものだ。

 ロシアのメディアは、反帝国主義路線を取って来たRTのお陰で、発展途上諸国の間で既に絶大な尊敬を集めている。またインドメディアは、モディ首相がG20サミットで自国をグローバル・サウスの声として紹介した結果、この1年で名声を高めている。ロシアもインドも偽情報キャンペーンの被害者であり、それが(ロシア・メディアの編集者さえ誤解する位に)非常に効果的であることを考えると、両国にはこの作戦を阻止する為に協力する理由が有る。

 最新のイスラエル・ハマス戦争に対するロシアとインドの真にバランスの取れた政策が広く知られれば知られる程、他国がこれらの例に倣って、国連内に影響力の有る中立ブロックが形成される可能性が高まる。そうなれば、それはパレスチナの独立はイスラエルの正当な安全保障上の利益に対する脅威となるという誤った認識を力強く払拭すると共に、戦争終結後に最終的にパレスチナに自由を与えるよう、イスラエルに圧力を掛ける可能性も有る。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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