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カラバフ紛争が終われば、「ジェノサイド」ではなく正義と発展が待っているだろう(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。カラバフ紛争が終わった後に待っているのは正義と発展であって、アルメニアやその情報戦エージェント達が米国の介入を正当化する為に恐怖を煽っている「ジェノサイド」などではない。アルメニアはすべきことを果たして南コーサカス統合の動きに乗り遅れないようにすべきである。
Justice & Development, Not “Genocide”, Will Follow The End Of The Karabakh Conflict



 2023/09/19のアゼルバイジャンによる対テロ作戦は、これまで外国軍による南コーカサスの分割統治を可能にしていた30年に及ぶカラバフ紛争を、決定的に終わらせることになった。

 アルメニア政府、仏米を拠点とするアルメニアのディアスポラ・ロビー、そしてそのオンライン支持者達が騒いでいるのは、2020年に一度凍結された紛争を無期限に長引かせたいと望んでのことだが、彼等は今、この新たな現実を受け入れざるを得なくなっている。

 彼等は根拠も無く「ジェノサイド」の恐怖を煽っているが、実際に紛争が終わることによって起こるであろうと予想出来ることは以下の通りだ。


 
 ・アゼルの国内避難民が遂に故郷に帰還する。

 1980年代後半〜90年代前半にアルメニア占領軍によって民族浄化の対象となった120万人以上のアゼルバイジャン人は、カラバフに対するバクーの令状が回復されることで、漸く先祖達からの土地に戻ることが出来る様になる。

 ・帰還者達は地元のアルメニア人に対して復讐ではなく和解を以て接する。

 帰還したアゼルバイジャン人は、カラバフに残っている地元のアルメニア人に対し、占領に対する復讐を求めるのではなく、アゼルの法に従うことに同意した上で和解することに前向きだ。彼等は報復行為は自国の評判を傷付けるだけであることを知っている。

 ・凶悪犯罪を犯した者達は裁かれることになる。

 手に血が付いている人々との和解は不可能だ。アゼルは裁判を受けさせる為に引き渡しを要求している戦犯等のリストを、カラバフの分離主義勢力に渡したと報じられている。これは恐らく彼等が既にアルメニアに逃亡している場合には、アルメニアからの引き渡しも含まれると思われる。

 ・アルメニアは30年に及ぶアゼルの不法占領に対して賠償金を支払わねばならない。

 アルメニアがアゼルの領土の1/5近くを完全に破壊した30年に及ぶ不法占領に対して賠償金を支払うのは当然だ。それ無くしては、両国の関係を真に正常化することは不可能だろう。

 ・アルメニアは2020年にロシアが仲介した停戦合意を完全に履行しなければならない。

 二国間関係の回復には、アルメニアが2020年11月にロシアが仲介した停戦合意を完全に履行する必要が有る。特にこの合意はロシア国境警備隊によって守られたアゼルの都市ナヒチェヴァンとの接続を含む、地域の経済輸送リンクの封鎖解除を義務付けている。

 ・ザンゲズル回廊はアルメニア経済の将来にとって最大の希望だ。

 上述の経済輸送リンクはアゼルではザンゲズル回廊と呼ばれている。十分な起業家精神が有れば、アルメニアはこのルートに沿ったアゼルとトルコの貿易から利益を得ると共に、付加価値を持った独自のニッチ市場を切り開くことも出来るだろう。これはアルメニア経済の将来にとって最大の希望だ。

 ・ロシアはアルメニアがアゼルと和平合意に達するよう、引き続き奨励する。

 09/31に行われた電話会談で、ロシアのプーチン大統領はアゼルのイルハム・アリエフ大統領に対し、ロシアがこの地域の正式な和平を推進し続けることを確認した。また特にロシアが地域交通網(ザンゲズル回廊)の封鎖解除を望んでいることにも触れている。



結論

 ここから判る通り、カラバフ紛争が終わった後に待っているのは正義と発展であって、アルメニアやその情報戦エージェント達が米国の介入を正当化する為に恐怖を煽っている「ジェノサイド」などではない。

 南コーカサスは現在、台頭しつつある世界秩序に於ける独立した地経学的極へと統合しつつあるが、アルメニアは他国に遅れを取らずにそこに合流することが望ましい。

 その為にアルメニアがやらねばならないことは、全ての戦犯を引き渡し、賠償金を支払い、ザンゲズル回廊の封鎖を解除し、アゼルバイジャンと和平を結ぶことだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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