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ニジェールはウラン価格を1kg当たり0.80ユーロから200ユーロへ値上げ

 2023/09/03の報道で、重要なウラン供給国であるニジェールの暫定政権は、ウラン価格を1kg当たり0.80ユーロから200ユーロにまで値上げすることが報じられた。以前の価格は国際市場価格よりも極端に低いものだったので、今回の是正措置によって、ニジェールはウラン資源に関して漸く公正な対価を確実に受け取ることが出来る様になる。

 ニジェールのウランの主な輸出先は旧宗主国であるフランスで、過去10年間にフランスが輸入したウランは、主にカザフスタン(27%)、ニジェール(20%)、ウズベキスタン(19%)の3ヵ国から来ている。

 フランスはカナダからのウランは1kg当たり200ユーロで購入していた。ニジェールにはカナダの1/250の代金しか支払っていなかった計算になる。

 またニジェールでウランを採掘しているフランス企業はニジェールに税金を払っていない、つまりニジェールは鉱石の販売や鉱山会社の利益から収入を得ていないと言われている。

 推定に拠れば、フランスは過去10年間にニジェールから年間約17,640tのウランを輸入しているが、年間3億5,280万ユーロを支払うべきところを、僅か141万1,200ユーロしか支払っていない。

 またフランスはニジェールに対して年間約3億以上(351,388,800)ユーロ、過去10年間でウランに関しては約35億(351,388,000)ユーロの債務を負っている。

 ニジェールの知識層の間では、ドイツがナチスの占領に関してポーランドに賠償圧力を掛けられたのと同様に、フランスもまたニジェールに賠償請求されるべきだと云う感情が一般的だ。

 但し軍事クーデター後も、ニジェールはフランスや欧州諸国へのウランの輸出を停止してはいない。

 ニジェールは世界で7番目に重要なウラン供給国であり、世界の4%分を供給している。ウラン価格は最近高騰しており、2023年には40%も上昇している。ニジェールのクーデターがウラン価格上昇の契機になるであろうことは当初から予想されていた。

 今回の措置は不平等で不健全な慣行を廃止し、健全なビジネスを推進する上で好ましいものと言えるが、これはウラン依存のニジェール経済を多角化し、経済のレジリエンスを高めることにも役立つ。

 またこれは他のウラン供給諸国のウラン価格交渉にも波及効果を及ぼすかも知れない。

 またこれにより大きな打撃を受けるフランスも、(最善のシナリオでは)心を入れ替えてニジェールとの不平等な収奪関係を改める様になるかも知れない。

Niger Raises Uranium Price From €0.80/kg to €200/kg
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川流桃桜

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