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ベラルーシは最近のポーランド国境事件に最善の方法で対処した(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。ポーランドとベラルーシの国境では緊張が高まっているが、両者の対応は非常に対照的で、その成熟した対応は、ベラルーシの和解提案が誠実なものであることを物語っている。
Belarus Handled A Recent Border Incident With Poland In The Best Way Possible


 

ポーランド軍ヘリによる国境侵犯事件

 2023/09/01、ポーランド軍ヘリによる国境侵犯事件が起きた。
 
 09/04、ベラルーシのヴィクトル・クレニン国防大臣は、ミンスク政府はこれを意図的な挑発とは考えておらず、パイロットの訓練不足によるものであり、従って国境の警備を強化するつもりは無いと述べた。

 彼はまたベラルーシはポーランドとは異なり、国境事件に関連して「国民を怖がらせ」たり、軍事駐留を強化したりしていないと指摘した。つまりベラルーシは、隣国のハイブリッドの脅威を抑止すると云う口実で自国の軍備増強を正当化しようとはしていないのだ。

 ポーランド-ベラルーシ国境沿での緊張を高める出来事はこれまでにも幾つか起こっているが、ベラルーシのルカシェンコ大統領はそれに対して和解の提案を行っている(今回の事件の背景として、リンク先の記事にも目を通しておくことをお勧めする)。



ベラルーシの対応

 ベラルーシは間違い無く、今回の国境事件で最善の対応を行った。ポーランドの恐怖を煽る口実としてこの事件を利用する可能性も有ったのだが、ベラルーシは責任感を持ってそれを拒否し、ルカシェンコの和解提案が誠実なものであることを再確認した。

 またロシアはベラルーシに対してCSTO(集団安全保障条約)の相互防衛義務を負っているので、この対応は、NATOから深刻な攻撃を受けた場合はロシアが自国を保護してくれると云うベラルーシの信頼も示している。

 若しベラルーシがこの事件に対してポーランドの様に被害妄想的な反応を返していたら、それはポーランド与党が軍備増強を行う口実として利用されただろう。西洋大手メディアもこの動きを利用して、ベラルーシは相互防衛義務に関してロシアを信頼していないと云う話を広めたかも知れない。これらはベラルーシの利益には反するものだが、ミンスク政府の成熟した対応によってどちらのシナリオも実現しなかった。



ポーランド側の対応の欠点

 他方、以前の国境侵犯事件に対するポーランド側のイカれた過剰反応は、以下の2点を示している。

 1)ポーランド与党は、本当に動揺しているか、10/15の次の選挙に先立って票を獲得する為だけに危険な程の挑発を行っているか、どちらかである。

2)どちらにせよこのアプローチは、ワルシャワが攻撃の際にワシントンが守ってくれると云う確信を持てていないことを、図らずも示している。

 同様の事件に対するポーランドとベラルーシの対応は、クレニン氏が指摘した通り、非常に対照的だ。客観的な観察者であれば、ポーランドよりもベラルーシに対して大いに敬意を払うことだろう。
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川流桃桜

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