米国が「ウクライナ占領地域」での「不正選挙」を主張する中、ロシアのドネツク州での選挙の現場(解説と要点)
2022/09/23〜27に開催されたウクライナ東部・南部4地域に於けるロシアへの編入を問う住民投票が完全に正当なものであり、強制や不正など報告されなかったことは、このブログでも取り上げて来た。紹介した現地レポート動画の多くがYoutubeからは削除されてしまったが、それらに目を通した者の一人として、キエフや西洋大手メディアの大本営報道が100%嘘っぱちであることはこの私が証言する。
彼等はロシア軍が投票を強制して回ったとか、さも見て来たかの様に主張しているが、そのソースは明示されていないか、キエフ側だ。そもそも、4地域全てを合わせれば人口は1,000万人を超える。これらの有権者全ての世帯をロシア兵が戸別訪問して頭に銃を突き付けてさぁ投票しろと強いるなどと云うことが物理的に可能かどうか、常識的に考えて見れば良い。ウクライナに派遣された軍は、部分動員令前はプーチンが大統領権限で動かせる範囲内での規模のものに過ぎず、全て合わせても15万に過ぎないのだ(勿論ウクライナ全土を征服したいのであればこれっぽっちではとても足りないだろう)。
米国が朝鮮やヴェトナムで南北統一選挙を否定し、人々に一方的に傀儡政権を押し付けようとした時には大規模な弾圧を行っている。だが現地レポートを見れば判る通り、4地域ではそんな弾圧は起こっていないし、特にドネツク・ルガンスク両地域では、多くの人々が解放軍であるロシア軍に感謝している。そして仮に弾圧が行われたとしても、現地住民達が黙って命令されるが儘になって大人しく従ったと考えるのは、(民族的)ロシア人をナメているしか言い様が無い。2014年にウクライナ議会を乗っ取ったクーデター勢力が軍に弾圧を命じた時、東部・南部の民主主義者達は文字通り素手で戦車隊に立ち向かった(そしてそれらを実際に止めた!)。ロシア人は侵略者に黙って服従する様なタマではないのだ。同じ様に、クリミアでの住民投票でも強制が行われたとする主張も事実無根だ。銃弾は1発も発射されていない。全く撃たずにどうやったら百数十万人もの人々を脅迫など出来るのだろう。現地住民達の自発的な協力が無ければ、投票など不可能だ。———こう主張することで、私は別にロシアの味方をしている訳ではない。私は単に事実と民主主義の味方をしているに過ぎない。
Mariupol resists Banderite coup d'etat May 11th 2014
現地では世界各国から来た100人位の国際監視員が監視を行っており、私がチェック出来たのはその内の一部に過ぎないが、キエフによる脅迫と砲撃を別とすれば、誰も不正行為など目撃していないし、投票現場に大勢配置されていたのは兵士ではなく法執行官だ。キエフ軍による市民を狙った攻撃が続く中で安全な環境が確保されるよう尽力し、人道支援を行っていたロシア軍やドンバス軍については、多くの市民達は大いに感謝していた。8年間続いた戦火による恐怖と緊張の中でも、人々の目は自らの手で歴史を作ることの喜びに輝いており、あれが民主主義でないとしたら、世の中一体何を民主主義と呼ぶべきなのだろうと思う。国連憲章には人民自決の原則が謳われている。人民の運命は、違法に権力を奪取した他国の傀儡政権ではなく、人民自身が決めるべきだ。この基本を見失ってしまうと、何もかも訳が分からなくなる。
さてそこまで確認したところで、2023/09/10(幾つかの地域では09/08〜09)に実施されたロシアの地方選挙の話に移ろう。上記4地域は住民投票によってロシア連邦への仲間入りを果たしたので、当然選挙を行っている。ロシア連邦加盟後初の選挙だ。住民投票の時にも私が大変参考にしたジャーナリストのパトリック・ランカスター氏が現地の様子を伝えてくれているので、以下にその要点を纏めてみる。
Inside Russia's Elections In Donetsk As USA Claims "Sham Elections" In " Ukraine's Occupied Areas"
・彼が09/08に訪れたドネツクの投票所は、昨年9月の住民投票で使われたのと同じ場所で、玄関の上にはロシアとドネツクの国旗が飾られてある。この日は平日だったので投票者は少なく、投票のピークは明日以降。ドネツク人民共和国の政府と各地区の代表を比例制で選ぶ選挙だ。入口には警備員が1人だけ立っているが、別に人々に銃口を向けたりはしていない。
・キエフ軍による砲撃が続いていて現地の状況は依然として危険なので、投票所ではなく、最寄りの指定の場所での投票を選択することも出来る。投票日には3日間の余裕を設けてある。
・肉体的に投票所まで来る能力の無い高齢者は個別訪問によって期日前投票を行うことも出来、多くがそちらを選択しているが、中には「歴史を作る」ことに参加したいからと云う理由で、家族と共に投票所まで投票に来ることを選択した人達も居る。彼等はこの日を待ち望んで来たのだ。
・ウクライナかロシアかの帰属を問われた投票者達や投票所スタッフは全員、ロシア連邦だと答え、ロシアやプーチン、或いはソ連を称賛している。1人はウクライナに敵対したい訳ではなく、米国とNATOがロシアを挑発するのに反対しているだけだと発言している。皆明るい表情でお祭り気分だと言っている。
・監視員は違反を目撃していないし、それに重要なのは、皆笑顔で希望に溢れていることだと言っている。
・この日、09/08はドンバス解放記念日と云う祝日だったらしい。1943/09/08にナチスから解放された記念日だ。祝日なのに休日ではないらしいが。不幸にも、2014年にもまたファシストによる侵略が起こった。それをやったのは彼等の以前の祖国であったウクライナだ。そこへ人道支援(軍事支援ではない!)の手を差し伸べてくれたのがロシアだった。だから皆ロシアには感謝している。
・投票所の中なのに1人がカラオケでロシアの愛国歌を歌っており、周囲の人々も口ずさんでいる。
・ドネツク郊外部のマキェエフカの投票所では、与党統一ロシアが優勢だが、インタビューを受けたロシア自由民主党の候補も頑張っている。彼はドンバスは完全にウクライナであったことは一度も無く、レーニンが人工的に作った領土だと言っている。フルシチョフがクリミアにしたことも同様だと。クチマやヤヌコヴィッチの様にこの地域が親ロシアであることを利用して人気を稼ごうとした政治家達も居たが、全て嘘で、ドンバスに対する差別は結局最後まで無くならなかった。———他の世論調査結果等でも思ったことだが、ロシア人の大家族的な帰属意識と云うのは、部外者には予想出来ない程強いものなのかも知れない。
・高齢者向けの個別訪問による投票の様子も紹介されている。勿論スタッフは誰も銃なんか持って行かない。衝立が用意されていて秘密投票が確保されている。フツーに用紙に記入して箱に入れてお終い。「頭に銃を突き付けて投票を強要するロシア兵」など現実には存在しない。
彼等はロシア軍が投票を強制して回ったとか、さも見て来たかの様に主張しているが、そのソースは明示されていないか、キエフ側だ。そもそも、4地域全てを合わせれば人口は1,000万人を超える。これらの有権者全ての世帯をロシア兵が戸別訪問して頭に銃を突き付けてさぁ投票しろと強いるなどと云うことが物理的に可能かどうか、常識的に考えて見れば良い。ウクライナに派遣された軍は、部分動員令前はプーチンが大統領権限で動かせる範囲内での規模のものに過ぎず、全て合わせても15万に過ぎないのだ(勿論ウクライナ全土を征服したいのであればこれっぽっちではとても足りないだろう)。
米国が朝鮮やヴェトナムで南北統一選挙を否定し、人々に一方的に傀儡政権を押し付けようとした時には大規模な弾圧を行っている。だが現地レポートを見れば判る通り、4地域ではそんな弾圧は起こっていないし、特にドネツク・ルガンスク両地域では、多くの人々が解放軍であるロシア軍に感謝している。そして仮に弾圧が行われたとしても、現地住民達が黙って命令されるが儘になって大人しく従ったと考えるのは、(民族的)ロシア人をナメているしか言い様が無い。2014年にウクライナ議会を乗っ取ったクーデター勢力が軍に弾圧を命じた時、東部・南部の民主主義者達は文字通り素手で戦車隊に立ち向かった(そしてそれらを実際に止めた!)。ロシア人は侵略者に黙って服従する様なタマではないのだ。同じ様に、クリミアでの住民投票でも強制が行われたとする主張も事実無根だ。銃弾は1発も発射されていない。全く撃たずにどうやったら百数十万人もの人々を脅迫など出来るのだろう。現地住民達の自発的な協力が無ければ、投票など不可能だ。———こう主張することで、私は別にロシアの味方をしている訳ではない。私は単に事実と民主主義の味方をしているに過ぎない。
Mariupol resists Banderite coup d'etat May 11th 2014
現地では世界各国から来た100人位の国際監視員が監視を行っており、私がチェック出来たのはその内の一部に過ぎないが、キエフによる脅迫と砲撃を別とすれば、誰も不正行為など目撃していないし、投票現場に大勢配置されていたのは兵士ではなく法執行官だ。キエフ軍による市民を狙った攻撃が続く中で安全な環境が確保されるよう尽力し、人道支援を行っていたロシア軍やドンバス軍については、多くの市民達は大いに感謝していた。8年間続いた戦火による恐怖と緊張の中でも、人々の目は自らの手で歴史を作ることの喜びに輝いており、あれが民主主義でないとしたら、世の中一体何を民主主義と呼ぶべきなのだろうと思う。国連憲章には人民自決の原則が謳われている。人民の運命は、違法に権力を奪取した他国の傀儡政権ではなく、人民自身が決めるべきだ。この基本を見失ってしまうと、何もかも訳が分からなくなる。
さてそこまで確認したところで、2023/09/10(幾つかの地域では09/08〜09)に実施されたロシアの地方選挙の話に移ろう。上記4地域は住民投票によってロシア連邦への仲間入りを果たしたので、当然選挙を行っている。ロシア連邦加盟後初の選挙だ。住民投票の時にも私が大変参考にしたジャーナリストのパトリック・ランカスター氏が現地の様子を伝えてくれているので、以下にその要点を纏めてみる。
Inside Russia's Elections In Donetsk As USA Claims "Sham Elections" In " Ukraine's Occupied Areas"
・彼が09/08に訪れたドネツクの投票所は、昨年9月の住民投票で使われたのと同じ場所で、玄関の上にはロシアとドネツクの国旗が飾られてある。この日は平日だったので投票者は少なく、投票のピークは明日以降。ドネツク人民共和国の政府と各地区の代表を比例制で選ぶ選挙だ。入口には警備員が1人だけ立っているが、別に人々に銃口を向けたりはしていない。
・キエフ軍による砲撃が続いていて現地の状況は依然として危険なので、投票所ではなく、最寄りの指定の場所での投票を選択することも出来る。投票日には3日間の余裕を設けてある。
・肉体的に投票所まで来る能力の無い高齢者は個別訪問によって期日前投票を行うことも出来、多くがそちらを選択しているが、中には「歴史を作る」ことに参加したいからと云う理由で、家族と共に投票所まで投票に来ることを選択した人達も居る。彼等はこの日を待ち望んで来たのだ。
・ウクライナかロシアかの帰属を問われた投票者達や投票所スタッフは全員、ロシア連邦だと答え、ロシアやプーチン、或いはソ連を称賛している。1人はウクライナに敵対したい訳ではなく、米国とNATOがロシアを挑発するのに反対しているだけだと発言している。皆明るい表情でお祭り気分だと言っている。
・監視員は違反を目撃していないし、それに重要なのは、皆笑顔で希望に溢れていることだと言っている。
・この日、09/08はドンバス解放記念日と云う祝日だったらしい。1943/09/08にナチスから解放された記念日だ。祝日なのに休日ではないらしいが。不幸にも、2014年にもまたファシストによる侵略が起こった。それをやったのは彼等の以前の祖国であったウクライナだ。そこへ人道支援(軍事支援ではない!)の手を差し伸べてくれたのがロシアだった。だから皆ロシアには感謝している。
・投票所の中なのに1人がカラオケでロシアの愛国歌を歌っており、周囲の人々も口ずさんでいる。
・ドネツク郊外部のマキェエフカの投票所では、与党統一ロシアが優勢だが、インタビューを受けたロシア自由民主党の候補も頑張っている。彼はドンバスは完全にウクライナであったことは一度も無く、レーニンが人工的に作った領土だと言っている。フルシチョフがクリミアにしたことも同様だと。クチマやヤヌコヴィッチの様にこの地域が親ロシアであることを利用して人気を稼ごうとした政治家達も居たが、全て嘘で、ドンバスに対する差別は結局最後まで無くならなかった。———他の世論調査結果等でも思ったことだが、ロシア人の大家族的な帰属意識と云うのは、部外者には予想出来ない程強いものなのかも知れない。
・高齢者向けの個別訪問による投票の様子も紹介されている。勿論スタッフは誰も銃なんか持って行かない。衝立が用意されていて秘密投票が確保されている。フツーに用紙に記入して箱に入れてお終い。「頭に銃を突き付けて投票を強要するロシア兵」など現実には存在しない。
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