日本が南シナ海演習に参加したことは5つのメッセージを送っている(抄訳)
アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。日本は台湾を巡って中国への介入に備えて、米国の「不沈空母」になろうとしている。つまりウクライナと同様、台湾やフィリピンやROKやオーストラリアと共に、自国の利益を犠牲にして、覇権の為の代理戦争用の捨て駒に自らなろうとしているのだ。
Japan’s Participation In This Week’s Reported South China Sea Drills Sends Five Messages
2023/08/20、AP通信はフィリピンの安全保障当局者2人の話として、米国が日本とオーストラリアと共同で、フィリピン沖の係争中の南シナ海海域で共同訓練を主導すると報じた。米国は空母を派遣し、他の2国はヘリコプター空母を派遣する。訓練は数カ月前に計画されており、従って最近の中国・フィリピン間の事件とは恐らく関連していないとこの報告は指摘している。
この訓練への日本の関与について、以下の5点が指摘出来る。
1)日本はアジア太平洋地域に米国の「ルールに基付く秩序」を押し付けたい。
日本の戦後の平和憲法は軍隊の行動に厳しい制限を設けているが、今日ではその概念が米国の偽善的な「ルールに基付く秩序」を守る為に悪用され、既に進行中の再軍備化と、 アジア太平洋地域での軍事的影響力の拡大を加速する口実にされている。
2)この任務は、日本首相が以前詳述した覇権ヴィジョンと一致している。
岸田文雄首相は2023/0113、ジョンズ・ホプキンス大学での講演で、事実上のマニフェストを発表している。岸田は日本向けの覇権ヴィジョンを開陳しており、これを読めば、今回の展開は完全に予見可能だった。
3)岸田はこの数日前にワシントンで中国の主張に反対すると合意したばかりだった。
2023/08/18、岸田はワシントンDCを訪れ、ROK(大韓民国)と米国の大統領との「キャンプ・デーヴィッドの精神」共同声明で、中国の領土の主張に反対することを約束した。岸田は国のパトロンへの忠誠心を疑われないように、今回の訓練によって迅速にこれを実行に移している。
4)このタイミングは、舞台裏で広範広範な調整が行われたことを示唆している。
最近の中国とフィリピンとの対立は、フィリピンが係争中のサンゴ礁に建設資材を密輸しようとして失敗したこと(08/05)に端を発するものだが、振り返ってみれば、これは戦術の米日韓三者協議と米豪日共同訓練にタイミングを合わせて仕掛けられた可能性が有る。つまり訓練を挑発ではなく防衛策と印象付けようとした訳だ。
5)日本の「自衛隊」は今やフィリピンの領土権の主張を守ることになる。
以上のことから、自称「平和国家」日本は、同じ米国の属国仲間であるフィリピンに代わって、南シナ海で中国に対して軍事挑発をするに至った。これにより生まれたばかりの米日比の三国同盟が強化されることになるが、それは最終的には中国を「封じ込める」AUKUS+構想に繋がるものだ。
アジア太平洋地域に於ける日本の新たな軍事的役割は、戦後前例の無いものだが、これは台湾で中国に対して介入するシナリオに備えて「不沈空母」を用意する為に、米国の承認を得たものだ。07/23に日本の井野俊郎防衛副大臣が英国メディアに語ったところでは、これは防衛装備支援や後方支援の形を取る可能性が有る。
南シナ海で日本が今後軍事的示威行動を行うことのメッセージは上記の通りだ。それが含意するとんでもなさを考えると、全世界がこれを無視すべきでない。
Japan’s Participation In This Week’s Reported South China Sea Drills Sends Five Messages
2023/08/20、AP通信はフィリピンの安全保障当局者2人の話として、米国が日本とオーストラリアと共同で、フィリピン沖の係争中の南シナ海海域で共同訓練を主導すると報じた。米国は空母を派遣し、他の2国はヘリコプター空母を派遣する。訓練は数カ月前に計画されており、従って最近の中国・フィリピン間の事件とは恐らく関連していないとこの報告は指摘している。
この訓練への日本の関与について、以下の5点が指摘出来る。
1)日本はアジア太平洋地域に米国の「ルールに基付く秩序」を押し付けたい。
日本の戦後の平和憲法は軍隊の行動に厳しい制限を設けているが、今日ではその概念が米国の偽善的な「ルールに基付く秩序」を守る為に悪用され、既に進行中の再軍備化と、 アジア太平洋地域での軍事的影響力の拡大を加速する口実にされている。
2)この任務は、日本首相が以前詳述した覇権ヴィジョンと一致している。
岸田文雄首相は2023/0113、ジョンズ・ホプキンス大学での講演で、事実上のマニフェストを発表している。岸田は日本向けの覇権ヴィジョンを開陳しており、これを読めば、今回の展開は完全に予見可能だった。
3)岸田はこの数日前にワシントンで中国の主張に反対すると合意したばかりだった。
2023/08/18、岸田はワシントンDCを訪れ、ROK(大韓民国)と米国の大統領との「キャンプ・デーヴィッドの精神」共同声明で、中国の領土の主張に反対することを約束した。岸田は国のパトロンへの忠誠心を疑われないように、今回の訓練によって迅速にこれを実行に移している。
4)このタイミングは、舞台裏で広範広範な調整が行われたことを示唆している。
最近の中国とフィリピンとの対立は、フィリピンが係争中のサンゴ礁に建設資材を密輸しようとして失敗したこと(08/05)に端を発するものだが、振り返ってみれば、これは戦術の米日韓三者協議と米豪日共同訓練にタイミングを合わせて仕掛けられた可能性が有る。つまり訓練を挑発ではなく防衛策と印象付けようとした訳だ。
5)日本の「自衛隊」は今やフィリピンの領土権の主張を守ることになる。
以上のことから、自称「平和国家」日本は、同じ米国の属国仲間であるフィリピンに代わって、南シナ海で中国に対して軍事挑発をするに至った。これにより生まれたばかりの米日比の三国同盟が強化されることになるが、それは最終的には中国を「封じ込める」AUKUS+構想に繋がるものだ。
アジア太平洋地域に於ける日本の新たな軍事的役割は、戦後前例の無いものだが、これは台湾で中国に対して介入するシナリオに備えて「不沈空母」を用意する為に、米国の承認を得たものだ。07/23に日本の井野俊郎防衛副大臣が英国メディアに語ったところでは、これは防衛装備支援や後方支援の形を取る可能性が有る。
南シナ海で日本が今後軍事的示威行動を行うことのメッセージは上記の通りだ。それが含意するとんでもなさを考えると、全世界がこれを無視すべきでない。
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