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モルドバ・ルーマニア・ウクライナの三国国境に対するロシアの精密軍事攻撃は幾つかのメッセージを発している(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2023/07/24にモルドバ・ルーマニア・ウクライナの三国国境で行われたロシア軍の精密攻撃は、最終的に和平交渉の再開を早めるかも知れない。
Russia’s Surgical Strike On The Moldovan-Romanian-Ukrainian Tri-Border Sent Several Messages
Moldovan-Romanian-Ukrainian Tri-Border



 2023/07/24、ロシアはモルドバとルーマニアとの三国国境に近い、ウクライナの町レニの標的に対して精密攻撃を実施した。

 以下の動画はその時の港での爆発のひとつを示していると言われている。
 

 またこの画像はその後破壊された穀物倉庫だと言われている。
grain warehouse destroyed

 だが、ロシアは純粋な民間インフラへの攻撃は行わないと主張している為、そこに軍事資産やテロ資産が隠されていた可能性は排除出来ない。

 何れにせよ、この精密攻撃は幾つかの重要なメッセージを発信していたので注意を払うべきだ。

 1)レニはNATO加盟国のルーマニアのドナウ川を挟んで反対側に位置しており、これはロシアがウクライナの何処であろうと標的を攻撃し、最大限の精度で攻撃出来ることを実証した。NATO憲章第5条の管轄権の直ぐ外側に在るNATOの軍事資産やテロ資産は、最早安全だと考えることは出来ない。

 2)キエフは軍事/テロ資産を守る為に穀物取引を悪用していたので、ロシアは以前はこれらには手を付けなかったのだが、今やこうした安全保障上の脅威に対して真剣に対処している。ロシアは西洋が約束を履行してくれるのを虚しく待ち続けたのだが、最終的に協定の延長を拒否した為、キエフは最早この隠れ蓑は使えなくなった。

 3)この精密攻撃は、キエフの軍事兵站ネットワークに於けるドナウ川の役割に関して、ロシアが実用的な情報を持っていることを証明した。これもまた穀物取引によって以前は手を付けることが出来なったが、今は違う。同様の精密攻撃は今後も続くかも知れない。

 4)この精密攻撃を阻止する為の努力は為されなかった。NATOは接近するミサイルを探知しなかったか、探知したが迎撃をしなかった。これはつまり、NATOがウクライナ全土に対して防空の傘を差し伸べないことをロシアが知ったことを意味する。何れにしろNATOは弱腰に見える為、これはロシアの国境付近での攻撃を勢い付けるだろう。

 5)キエフの軍事兵站ネットワークのどの部分も、最早安全ではない。このペースで進めば、NATOとロシアの「兵站競争/消耗戦」に於て、ロシアの優位性が更に高まるかも知れない。ウクライナの軍事力の低下が加速し、キエフのパトロン達が紛争凍結のスケジュールを前倒しせざるを得なくなれば、多くの予想よりも早く和平交渉が再開されるかも知れない。


 
 これら5つのメッセージを踏まえてみると、今回の精密攻撃は見掛けよりも遙かに重要な意味を持つことが解る。ロシアはこれまで以上にNATOに近付いただけでなく、NATOはそれを止めようともしなかった。つまりNATOは、このロシアとの代理戦争にこれ以上深く巻き込まれたくないと考えているのだ。ポーランドが夏の終わりまでに一方的に介入しなければ、その直後に和平交渉が再開されるかも知れない。
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川流桃桜

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