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ゼレンスキーは第二のサーカシュヴィリになるのだろうか?(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の解説の抄訳。ゼレンスキーはグルジアのサーカシュヴィリと同様、米帝にとっては使い捨ての駒に過ぎない。
Will Zelensky Become The New Saakashvili?



 2023/07/03、刑務所に収監中のジョージア/グルジアの元大統領ミヘイル・サーカシュヴィリの証言映像が出回ったが、その中の彼は大分痩せ細っていた。これを受けてウクライナのゼレンスキー大統領は、ジョージアが彼を「拷問」しているのだと非難し、「ロシアはジョージア当局の手を通してウクライナ市民ミヘイル・サーカシュヴィリを殺害している」と主張した。
WARNING: GRAPHIC CONTENT - Zelenskiy summons Georgia ambassador over ex-president


 「2008年のグルジア紛争は2022年のウクライナ紛争の米国のテンプレートだった」と以前に指摘したが、ウクライナもまたグルジアと同様の運命を辿る可能性が有るので、両国の置かれている状況の類似性は認識しておいた方が良いだろう。両国とも、米国の対ロシア戦争の代理勢力だった。

 当時サーカシュヴィリは南オセチアを急襲するよう命じられたが、彼はその作戦が迅速に成功し、その地域を再征服出来ると確信していた。ところが実際には、ロシアは5日間の平和執行任務を開始するよう促され(所謂「5日間戦争」で、これは西洋の公式プロパガンダではロシアの方から仕掛けたことにされている)、グルジアは南オセチアとそのその近隣のアブハジアを失うことになった。ロシアは両地域を主権国家として承認した後、その状態が今日まで続いている。

 同様に2022年、ゼレンスキーは支援者達からドンバスを急襲するよう命じられ、迅速に成功すると確信していたが、土壇場になってロシアが特別軍事作戦を開始し、これを先制した。キエフはこれらの地域を再征服するどころか、2022年9月に完全に国際法に則って行われた住民投票によって、ドンバスの他2つの地域まで失うことになった。

 グルジアはアッと言う間に敗北したが、キエフはそれ以来16ヶ月も紛争を継続している。が、これもまた失敗に終わるだろう。NATOが支援するキエフの反攻は大惨事でしかないし、キエフ当局者に加えて西洋の主流メディアさえこの件について言い訳を始めている。ゼレンスキーがNATOサミットまでに少なくとも何等かの成果を上げるよう軍に要請したことからも判る様に、彼は時間が無くなって来ていることを解っているのだ。彼は西洋のパトロン達の過剰な期待を批判してすらいて、他のキエフ当局者達も同様に激怒していると報じられている。キエフ軍の最高司令官ヴァレリー・ザルジニーもまた反攻を批判されていることに対して怒りを表明している。

 キエフの意思決定者達が、ウクライナがNATOに招かれない可能性が高いことに気が付いているのは明らかだ。

 そもそも彼等がグルジアのシナリオをウクライナで再現しようとする米国の口車に乗ってドンバスを再征服しようとしなければ、その為に何万人もが無駄死にすることは無かった。また2022年3月の和平プロセスを英米枢軸が妨害しなければ、その後キエフがヘルソンとザポリージャまで失う展開にはならなかった。キエフの置かれている状況はグルジアよりも遙かに悪い。プーチンメドベージェフが指摘した様に、反攻失敗後にNATOがキエフへの武器供与を停止すれば、ゼレンスキーの政治資本は完全に消えて無くなることになる。

 2022年の和平プロセスを貫徹していれば、ゼレンスキーは国民の支持も、軍-諜報-オリガルヒ・エリートの三頭制も維持出来たかも知れないが、ここまで失敗続きの後で今更妥協を強いられたとなれば、最早支持を得ることは事実上不可能だ。余りにも多くの人命が失われ、財産が破壊され、諸地域がロシアと一体化してしまったので、一時的な敵対行為の停止、況してや休戦協定やに平和条約でさえも、最早勝利と呼ぶことは出来ない。キエフの反攻失敗は、西洋文明に於ける最悪の屈辱のひとつになりつつある。挽回のチャンスは日に日に薄れて行っている。

 このシナリオに於て、NATOがウクライナに対する影響力を維持する為に、また起こり得る反乱を先制的に阻止する為に、ザルジニー最高司令官や軍事情報部(GUR)長官ブダノフの様な人気の有る高官をゼレンスキーの後釜に据えると云うレジームチェンジ計画を支持していたとしても驚くべきことではない。この二人にしても西洋のパトロン達にしても、自分達がどれだけ無意味な犠牲を払わされたかを悟った後のウクライナ国民の怒りがゼレンスキー一人に向いてくれた方が都合が良い。

 仮に彼等が国際世論を顧慮してゼレンスキーを権力の座に留まらせると云う賭けに出たとしても、彼は出馬を決めれば厳しい戦いに直面することだろう。
 
 何れにしろ、西洋が和平交渉を強要した瞬間に、ゼレンスキーの政治生命は終わるだろう。

 サーカシュヴィリと同様、ゼレンスキー氏もまた政敵から権力の濫用を問われる可能性が有るし、その場合、国内に留まっていたとしても、サーカシュヴィリの様にカラー革命を実行しようとして国に戻って来たとしても、恐らくは刑務所入りだ。グルジアは最近プリゴジンの反乱未遂に付け込んでソチを侵略する西洋の計略を暴いたばかりだが、これと同じ様にウクライナが失った主権の多くを西洋から取り戻せば、彼が裁かれる事態が起こる可能性は高くなる。

 サーカシュヴィリが投獄されたのは、彼が米国の命令で権力を濫用し、パトロン達の命令で始めたロシアとの代理戦争に敗れた後、比較的主権的な政府が発足し、彼を裁判に掛けるとの公約を果たした為だ。ゼレンスキーもまた米国の命令で権力を濫用し、パトロン達の命令で始めたロシアとの代理戦争に敗れた。彼がサーカシュヴィリの二の舞になる可能性は高い。
 
 米国に同盟国は存在しない。少なくとも、自国の利益を犠牲にしてでも支援しようとする相手は存在しない。ゼレンスキーのウクライナやサーカシュヴィリのグルジアの様な属国か、稀に最終的に対等な相手として扱われるかも知れない、インドの様なパートナーしか存在しない。ゼレンスキーのウクライナは、衰退しつつある米国の一極覇権を回復する為に搾取される属国に過ぎないが、今では最早その目的を果たすどころか、ブローバックのリスクを孕む重荷になりつつある。

 従って、ゼレンスキーはサーカシュヴィリと同様、遅かれ早かれ何等かの形で処分されることになるだろう。残された可能性は、自由の身であり続けるか、裁判に掛けられるか、或いは命を失うかだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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