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2023/05/25の核関連ニュース3項目を読み解く(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。NATOは核を使って事態をエスカレートさせようとしており、ロシアとベラルーシはその逆を試みている。
Interpreting The Three Nuclear-Related News Items From Thursday



 2023/05/25、核関連で立て続けに3つもの重要な展開が見られた。

 1)ロシア連邦保安局(FSB)は、05/09の戦勝記念日にロシアの原子力発電所2基を標的にしたウクライナのテロ計画を未然に阻止したことを明らかにした。
Ukraine-trained saboteurs tried to blow up Russian NUCLEAR power grid – FSB


 2)ロシアとベラルーシは、ロシアがベラルーシの領土内に戦術核兵器を保管する協定に署名した。

 3)TASS通信の情報筋は、キエフはハリコフの核燃料貯蔵施設を爆破してそれをロシアの所為にしようとする計画を立てている可能性が有ると述べた。



 1)と3)は、キエフが核テロリズムに関与していることを示しているが、キエフを支援している西洋諸国は、このテロを暗黙の裡に承認している。その理由は:

 1)が成功すれば、ロシアを深刻に不安定化させる可能性が有る。チェルノブイリの様な危機が起これば、ロシアはその注意を前線から国内に振り向けざるを得ない。NATOはこれにより反攻に向けて前線のロシア軍を弱体化するか、譲歩を強要することが出来ると踏んだのかも知れない。

 3)はNATOが接触線にまで出向いて紛争に直接関与する口実を作り出す可能性が有る。

 2)に関して言えば、「ロシアはヤケになって核兵器を使用した」と云う偽情報が流されるシナリオが考えられることを指摘しておかねばならない。その場合これを引き金として「放射性降下物に対処する」と云う口実でNATOがポーランドからハリコフまで殺到し、ベラルーシの南国境を脅かす可能性が有る。そうなると当然隣接するロシアの西国境も脅かされることになり、事態は大きくエスカレートする。

 ロシアとベラルーシはこのシナリオを回避する為に、ベラルーシに戦術核を配備したものと思われる。NATOがロシアの代理侵略をベラルーシで再現するのを防ぐには、その様な陰謀を企むことが利口なことかどうか、彼等に考え直させる必要が有るのだ。NATOがエスカレーションを企んでいるのに対して、両国はその正反対の意図を持っている

 要するに、同じ日に核関連のニュースが3件も掲載されたことは、アルチョモフスクでのロシアの勝利からキエフの反攻までの間に、NATOとロシアの代理戦争がどれ程深刻化しているかを示している。キエフは西洋諸国の黙認の下、非正規型の核を用いたエスカレーションを企んでいるが、ロシアとベラルーシはその逆に、紛争のエスカレーションを目的としたこの種の陰謀を阻止しようとしている。

 そもそもこうした劇的な陰謀が進められている唯一の理由は、NATOが通常の手段ではロシアを倒すことが出来ないからだ。

 現在の行き詰まりを受け入れて、接触線を凍結すると云うプラグマティックな選択をする代わりに、NATO諸国は依然としてロシアを倒すことに執着している。何故なら、それらの指導者達は国内での評判の全てを、ロシアに対する勝利に賭けているからだ。彼等の誰もが、ロシアに対する非妥協的な姿勢を崩すことによって、次の選挙を前にして有権者達の前で「面子を失う」リスクを負いたくないと思っている。だからこそ、こうした前例の無いエスカレーションを真剣に検討しているのだ。
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川流桃桜

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