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ヴィジャイ・プラシャド———ハイブリッド戦争とアメリカ帝国主義(要点)

ハイブリッド戦争について、ヴィジャイ・プラシャド氏の解説。
Vijay Prashad - Hybrid Wars and US Imperialism




 殆どの人々がハイブリッド戦争の存在に気が付かないのは、それは不可視であることがその必須条件だからだ。

 表面化すればそれは違法な介入主義であり、新植民地主義に他ならないことが大勢の人々の目に明らかになってしまう。

 だからこれらには秘密工作やプロパガンダで不可視化し、目の前に存在しても気が付かれないようにする様々な心理的工夫が凝らされている(例えば、我々は決して戦争犯罪は犯さない、他国を爆撃するのは人道の為だ、などと繰り返す)。

 これは既に十分に文書化された記録等で証明されているので、陰謀「論」ではなく現代史に於ける陰謀の単なる事実だ。

 これは昨日今日始まった訳ではなく、手法が洗練されたのは冷戦末期からだが、第二次大戦以降非常に一貫したアメリカ帝国の世界覇権構想の一環だと理解する必要が有る(繰り返すが陰謀論ではない。植民地解放運動とそれに対する帝国主義勢力の反動、米帝の非道な介入の歴史については、優れた本が沢山出ている)。

 ハイブリッド戦争の多くは現地の状況に合わせて代理勢力を使うので、米軍やNATO軍が直接関与するケースは稀。

 そしてメディアやSNSを使って標的(政権、体制)の権威や信用を失墜させるメッセージ(嘘だろうと一向に構わない)を繰り返し、金融攻撃等で経済を不安定化し、人為的に世情不安を作り出して人々を分断する。

 力尽くの砲艦外交が来るのはその後だ。

 共産圏が消滅した1990年代以降、植民地解放運動は分断され断片化され細分化され、ひとつに纏まることが非常に困難になったが、その背景にはこうした執拗な一連の秘密工作の影響が有る。

 人工芝運動はメディアによって喧伝されるが、本物の草の根の連帯は激しく攻撃されるのだ。

 人民の国際的な連帯を復活させるには、脱植民地化の概念を復活させる必要が有る。

 帝国主義と脱植民地化との闘争には妥協も傍観者も有り得ないので、人はどちらの陣営に付くかを鮮明にする必要が有る。

 中立や無関心は、帝国主義を黙認するのに等しい。
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川流桃桜

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