エジプトとトルコが不和解消に向けて動く中、両国の20年間の関係を振り返る(抄訳)
アル=ジャジーラの記事の抄訳。10年振りに和解に向けて動きつつあるエジプト-トルコ関係を時系列で振り返る。
A look at two decades of ties as Egypt, Turkey move to end rift
2013年以来、10年間対立関係に在ったトルコとエジプトは急速に外交関係回復に向けて動いている(但しシリア侵略へのトルコの加担等、意見の相違も残っている)。
過去20年間の両国の関係を時系列で振り返ってみる。
2005年:両国間の経済関係が強化し、両国は自由貿易協定に署名。
2011年: エジプトで反政府デモが激化。トルコのエルドアン大統領は、2月のエジプト革命で大統領が打倒される数日前に、エジプトのホスニ・ムバラク大統領に「国民の声を聞く」よう指示した。また彼はアラブの春の影響を受けた国々歴訪の一環として、9月にエジプトを訪問した。
2012年:2012年:ムスリム同胞団のモハメド・ムルシが、エジプト初の民主的に選出された大統領に就任し、絆が強まる。エルドアン大統領率いるAK党とムスリム同胞団はイデオロギー的に類似点が有ると見られている。エルドアン大統領は再びエジプトを訪問し、両国間の前向きな関係を強化する融資協定に署名した。
2013年:軍事クーデターによりモルシ大統領が打倒される。これが劇的な転換点となった。エルドアンはこれを「容認出来ないクーデター」と呼び、その首謀者であり後に大統領に就任するアブドルファッタハ・エル=シシを「違法な暴君」と呼んだ為、外交関係は代理公使レヴェルまで引き下げられた。11月、カイロはトルコ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(「好ましからざる人物」)」と宣言。トルコは徐々にムスリム同胞団幹部を含むエジプト亡命者や野党メディアの中心地となり、エルドアンはエジプトの反クーデター抗議活動で流行した手振りを採用した。
これ以降、両国はリビア紛争に於ける支援を巡って対立し、ガスが豊富な東地中海の海上国境を巡っても対立した。
2020年:エジプトとギリシャは、天然ガス鉱床の探索と開発の権利を巡る東地中海の海上境界紛争でトルコと対立。
2021年:エジプトとトルコは二国間関係の回復について話し合う為、5月と9月に模索的会談を開催。同時期、トルコの同盟国であるカタールと、サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトとが対立する湾岸危機が終結したことで、地域同盟が変化している。
2022年:ワールドカップ開幕中にカタールのドーハでエル=シシとエルドアンが初めて会談し握手を交わす。

2023年:2月、エジプトのサメ・シュクリ外相は、数万人が死亡した壊滅的な地震後の連帯を示す為にトルコを訪問。エジプト当局者のトルコ訪問は10年振りとなる。
同3月、トルコのメヴルト・チャウショール外相は、アンカラとカイロの関係修復に向けた努力が続く中、エジプトを日帰り訪問し、トルコ高官としては10年振りにエジプトを訪問した。
What challenges do Turkiye & Egypt face in restoring full ties? | Inside Story
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2005年:両国間の経済関係が強化し、両国は自由貿易協定に署名。
2011年: エジプトで反政府デモが激化。トルコのエルドアン大統領は、2月のエジプト革命で大統領が打倒される数日前に、エジプトのホスニ・ムバラク大統領に「国民の声を聞く」よう指示した。また彼はアラブの春の影響を受けた国々歴訪の一環として、9月にエジプトを訪問した。
2012年:2012年:ムスリム同胞団のモハメド・ムルシが、エジプト初の民主的に選出された大統領に就任し、絆が強まる。エルドアン大統領率いるAK党とムスリム同胞団はイデオロギー的に類似点が有ると見られている。エルドアン大統領は再びエジプトを訪問し、両国間の前向きな関係を強化する融資協定に署名した。
2013年:軍事クーデターによりモルシ大統領が打倒される。これが劇的な転換点となった。エルドアンはこれを「容認出来ないクーデター」と呼び、その首謀者であり後に大統領に就任するアブドルファッタハ・エル=シシを「違法な暴君」と呼んだ為、外交関係は代理公使レヴェルまで引き下げられた。11月、カイロはトルコ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(「好ましからざる人物」)」と宣言。トルコは徐々にムスリム同胞団幹部を含むエジプト亡命者や野党メディアの中心地となり、エルドアンはエジプトの反クーデター抗議活動で流行した手振りを採用した。
これ以降、両国はリビア紛争に於ける支援を巡って対立し、ガスが豊富な東地中海の海上国境を巡っても対立した。
2020年:エジプトとギリシャは、天然ガス鉱床の探索と開発の権利を巡る東地中海の海上境界紛争でトルコと対立。
2021年:エジプトとトルコは二国間関係の回復について話し合う為、5月と9月に模索的会談を開催。同時期、トルコの同盟国であるカタールと、サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトとが対立する湾岸危機が終結したことで、地域同盟が変化している。
2022年:ワールドカップ開幕中にカタールのドーハでエル=シシとエルドアンが初めて会談し握手を交わす。

2023年:2月、エジプトのサメ・シュクリ外相は、数万人が死亡した壊滅的な地震後の連帯を示す為にトルコを訪問。エジプト当局者のトルコ訪問は10年振りとなる。
同3月、トルコのメヴルト・チャウショール外相は、アンカラとカイロの関係修復に向けた努力が続く中、エジプトを日帰り訪問し、トルコ高官としては10年振りにエジプトを訪問した。
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