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ワシントン・ポストはキエフ軍の状況が実はどれだけお粗末であるのか、遂に事態の全貌を語った(抄訳)

ワシントン・ポストが伝えた真実について、アンドリュー・コリブコ氏の解説の抄訳。私も何度も指摘して来たが、西洋のウクライナ関連報道は、戦争「についての」報道ではなく、それ自体が戦争遂行の一部だ。この点を踏まえた上できちんと行間を読まないと、日々のニュース「報道」がどれだけ嘘だらけで政治戦略的意図に満ち溢れたものであるかを見過ごしてしまう。
The Washington Post Finally Told The Full Truth About How Poorly Kiev’s Forces Are Faring



 2023/03/13、NATO陣営のエスタブリッシュメント紙、ワシントン・ポストは、「ウクライナは損失により熟練した兵士と弾薬が不足し、悲観論が高まる」と云う記事を発表し、キエフ軍の状況が実はどれだけお粗末であるのかについての真実を西洋の人々に伝えた。

 その内容を簡単に言うと、NATO新冷戦ブロックは今後の反攻で軍事的奇跡を達成しない限り、大敗する瀬戸際に在り、キエフの一部の人々は、反攻は自殺行為以外の何物でもないと懸念している。彼等の軍は経験が浅く、訓練も不十分で、場合によっては文字通り丸腰でロシアとの戦いに臨んでいるからだ。

 NATOとロシアの代理戦争について詳しく知らない読者は面食らったかも知れないが、これまで度々指摘して来た様に、ロシアは経験豊富な予備兵の部分的動員と強固な軍産複合体のお陰で、NATOの完全支援を受けたキエフ軍に対して見事に持ち堪えている。

 この記事はウクライナの戦況に関する代替メディア・コミュニティの住人達のこれまでの評価を裏付けている。彼等の認識は西洋の大手メディアのそれとは真逆で、ロシア軍はキエフ軍に対して一貫して優位に立っている。

 ワシントン・ポストの記事を理解する為に必要なこうした文脈を踏まえた上で、その記事の要点を以下に列挙してみる。



 ・キエフは前宣伝だけは凄い反攻が成功するかどうか、静かに疑っている。

 「曾てはロシアに対してかなり優位に立っていると考えられていたウクライナの軍事力の質は、最も経験豊富な戦闘員達がこの一年間の死傷によって相当数が戦場から離脱した為に低下しており、一部のウクライナ当局者は、キエフが大いに期待されている春の攻勢に対して用意が出来ているかどうか、疑問を抱いている。」

 ・西側諸国は、ウクライナの死傷者数はキエフが主張する数の略10倍であると推定している。

 「米国と欧州の当局者達は、昨年初めにロシアの侵攻が始まって以来、12万人ものウクライナ兵が死傷したと推定している。(略)ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニ氏は8月、9,000人近くの兵士が死亡したと述べた。12月、ゼレンスキー大統領の顧問ミハイロ・ポドリャクは、その数は最大1万3000人に上ると述べた。」

 ・ウクライナ国軍(UAF)はあらゆる面でこれまでよりも弱体化している。

 「統計はさて置き、現場のウクライナ軍関係者に拠ると、損失を補う為に連れて来られた経験の浅い徴兵者の流入により、ウクライナ軍の状況は変化しており、砲弾や迫撃砲弾を含む基本的な弾薬の不足にも苦しんでいる。」

 ・古参兵は既に全員死亡するか負傷し、経験の浅い新兵だけが残っている。

 「『6ヵ月の戦闘を生き延びた兵士と射撃場から帰還した兵士は、全くの別物で、天と地の差が有ります。そして戦闘経験の有る兵士はほんの僅かしか居ません』とクポル氏は付け加えた。『残念ながら、彼等は全員既に死亡しているか負傷しています。』」

 ・キエフは自軍が虐殺される懸念にも関わらず、それでも反撃を開始するだろう。

 「『誰だって奇跡は信じたい』とクポル氏は言った。『それは虐殺と死体の山になるか、それともプロによる反撃になるかのどちらかです。選択肢はふたつあります。どちらにせよ反撃は行われるでしょう。」

 ・過剰宣伝されたNATOの戦車連合は単なる象徴であって、事態は何も変わらない。

 「西洋諸国が約束した戦車の数は『象徴的な』量であると、或るウクライナ政府高官は、匿名を条件に率直に語った。」

 ・ウクライナの高官達も、来るべき反攻が自殺行為であることを知っている。

 「『我々には人員も武器も有りません』と高官は付け加えた。『そしてその比率は御存知の通り、攻勢を行っている時には2倍か3倍の人員を失うことになります。 これ程多くの人員を失う訳には行きません。』」

 ・キエフの最近の新兵達は文字通り戦い方を知らない為、ロシア人から逃げている。

 「写真を撮られることに同意し、率直な評価をしたことで個人的な反感を買う可能性が有ることを理解していると述べたクポル氏は、一発も手榴弾を投げたことが無く、砲火の下で簡単に陣地を放棄し、銃器の取扱いに自信の無い、新しく徴兵された兵士達と戦いに行くことについて説明した。」

 ・これまでの1,000億ドル以上の援助でも、UAFを適切に訓練し装備するには足りない。

 「『我々は全ての訓練センターにNATOの教官達を必要としています。我々の教官達はそこの塹壕に送られなければなりません。何故なら、彼等は任務に失敗したからです。』クポル氏は、米国製MK19自動擲弾銃用の単純な迫撃砲弾や手榴弾の不足を含め、深刻な弾薬不足を説明した。」

 ・ウクライナ当局は組織的解決策を早急に実施する代わりにコピウムを過剰摂取している。

 「『あなたは最前線に居ます』とクポル氏は言った。『敵がこちらへ向かって来ているのに、撃つものは何も有りません。』 クポル氏は、キエフは組織的な方法で新しい部隊を用意することにもっと集中すべきだと述べた。『我々がやっているのは、インタビューに応じて、もう勝った、後一寸だ、もう2週間もすれば勝てる、と人々に伝えることだけの様です』と彼は語った。」

 ・ロシアの終わりの無い砲撃によって、新兵達は塹壕で冷静さを失っている。

 「砲撃は時に非常に激しいので、或る兵士がパニック発作を起こして、その後『他の者達がそれに気付く』ことも有ると、(安全上の理由からポスト紙が名前のみで特定しているウクライナ人兵士のドミトロ氏は)述べた。最初、仲間の兵士達が酷く動揺しているのを見た時、彼はリスクの現実を説明しようとしたとドミトロ氏は語った。その次の時、『彼等は躊躇いもせずに持ち場から逃げ出しました。』『彼等を責めようとは思いません。彼等は取り乱していたんです』と彼は語った。」

 ・キエフは負ければ西側諸国から見捨てられるのではないかとの恐れから、死傷者数を隠している。

 「匿名を条件に率直に語った或るドイツ当局者は、ベルリンはウクライナ人の死傷者は、死者と負傷者を含めて12万人に上ると推定していると述べた。『彼等は我々を信用していない為、我々とは情報を共有しないのです」と当局者は語った。」

 ・ウクライナ地上軍司令官は、ロシアの新兵達が自分達の新兵達よりも訓練を受けていることを認めている。

 「訓練を受けていない動員されたロシアの戦闘員が戦闘に投入されているとの報告にも関わらず、(ウクライナ地上軍司令官)シルスキー(オレクサンドル上級大将)は、現在現地に着いている戦闘員達は十分に準備が整っていると述べた。『我々はこうした現実の中で生き、戦わねばならないのです』と彼は語った。『無論、それは我々にとっては問題です。』」

 ・キエフは米国の勧告を拒否し、アルチョモフスク/「バフムート」の肉挽き機に何千人も投げ込み続けた。

 「ウクライナが(バフムートで)多くの死傷者を出していることを踏まえ、ワシントンの当局者達はキエフの撤退拒否に疑問を呈している。 米国当局者に拠ると、米国は遅くとも1月以来、ウクライナに対し同市から撤退するよう勧告して来た。」

 ・過去9年間に米国から訓練を受けたウクライナ将校の多くは既に殺害されている。

 「ウクライナは過去9年間で米国の訓練を受けた下級将校の多くを失い、侵攻開始時にウクライナ人をロシアの敵から区別するのに役立った指導者集団が蝕まれているとウクライナ当局者は語った。 今やこれらの部隊の後任が必要だと当局者は述べた。『彼等の多くは殺害されました。』」

 ・ウクライナの志願兵達は消え去ってしまい、今戦闘に参加しているのは強制的に徴兵された者達だけ。

 「侵攻開始当初、ウクライナ人達は兵役志願に殺到したが、今では国中の登録しなかった男性達が、路上で徴兵票を手渡されるのではないかと恐れ始めている。ウクライナ国内治安当局は最近、当局が召喚状を配布している場所をウクライナ人が回避するのに役立っていたテレグラムのアカウントを閉鎖した。」

 ・ペンタゴン当局者達は、キエフの反攻の見通しについて既に期待を和らげている。

 「米軍当局者達は、新しい装備と訓練を以てしても、ロシアがかなりの防衛陣を築いている巨大な前線全域を攻撃するには、ウクライナの兵力は足りていないと考えている。その為部隊は、戦車や装甲車両で突破出来る弱点を探る訓練を受けている。」

 ・キエフが直ちにロシアにノックアウトの一撃を与えない限り、この代理戦争は負ける可能性が高い。

 「米当局者達は、ウクライナの攻勢は4月下旬か5月上旬に始まると予想しており、戦争が長引けば人も資金も兵器製造も優っているロシアに有利になる可能性が有る為、キエフへの補給の緊急性を痛感していると述べた。」



 これまで兵站と訓練に於て成功を収めて来たロシア軍と違って、キエフ側の状況は全く悲惨なものだったのだが、西洋の人々はこれらの事実を知らされず、代わりに際限無くコピウムを与えられて来た。

 近い内にロシアが突破口を開くか、キエフの反攻が一部の予想よりも更に酷い失敗に終われば、全てが直ちに明らかになるかも知れれない。

 ワシントン・ポストは真実を報告することで、その時、人々が次々と齎される悪いニュースに衝撃を受けないよう、西洋諸国の代理勢力の状況が本当は如何にお粗末なものであるかを伝えて心構えをさせたのだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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