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NATOが支援するキエフの反攻開始に際して注目すべき10の重要ポイント(抄訳)

キエフ軍反攻作戦を控えて、アンドリュー・コリブコ氏の分析。
Ten Critical Observations At The Onset Of Kiev’s NATO-Backed Counteroffensive


 
 ウクライナでのNATOとロシアの代理戦争は、キエフが米国主導の軍事ブロックの支援を受けて反撃開始の準備をしている現在、これまでで最も重大な局面を迎えている。 どちらかが突破口を開けば、年末までに開始される予定の中国(そして恐らくはフランスと共同)の仲介による停戦交渉に先立って、相手側に譲歩を強いる可能性が有る。同様に、膠着状態が続けば、恐らくここ数ヶ月の接触線が凍結されることになる。

 ここでは、西洋とロシアのそれぞれの視点から、あらゆる事柄に関して10の重要な注目点を紹介する。



 1)NATOはこれがロシアとの「兵站競争」/「消耗戦」であることを認めている。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は2023/02/13の記者会見で、加盟国全体が軍産製造の面でロシアに追い付けていないことを認め、それが政治的疲労に繋がる可能性について警告した。
 
 2)ワシントン・ポストはキエフの兵站と人員の問題を明らかにした。

 ワシントンン・ポストは2023/03/13の記事で、キエフは兵站と人員に深刻な問題を抱えており、反攻は自殺行為であることを報じている。

 3)ポーランド陸軍参謀長は上記の評価を認めた。
 
 上記の「政治的に不都合な」評価に、ポーランド陸軍参謀長のラジムント・アンジェイチャク氏も賛同し、その信憑性を裏付けている。

 4)ポーランドの副首相は、欧州の半分がロシアとの和平を望んでいると発言した。

 ポーランドのピョートル・グリンスキー副首相は、欧州の半分はロシアとの和平を望んでおり、年末までにこの交渉を進めることは可能だと発言した。

 5)キエフ支持者の一部は既に「背中を刺される」陰謀論をでっち上げている。

 元ロシアのチェス・チャンピオンで現在は米国に住んでいるガルリ・カスパロフは、キエフが圧勝する可能性が薄いことに気が付き、その場合の説明として「背中を刺される」陰謀論Twitterで呟いた(つまりいざ負けた時に備えて、それはロシア軍が強かった訳でもキエフ軍が弱かった訳でもなく、味方が裏切ったからだと云う口実を予め用意した)。

 6)「5Dチェス」と「お先真っ暗」の物語が知覚を操作する。

 ロシア人達とその支持者達の知覚は、「全ては計画通りに進んでいる」と「あらゆる希望を捨てよ」と云う両極端の物語によって操作されている。 その結果、紛争について根本的に不正確な評価しか出来ていない。

 7)国防省とワグナー・グループの対立はロシアの国家安全保障にとっては脅威だ。

 これらふたつの愛国勢力の間で激化している競争は、ロシアの特別軍事作戦を損ない、ひいてはロシアの国家安全保障を危険に曝す危険がある(これはこの問題が士気の範囲内なのか、ワグナーのプリゴジンが主張する様に兵站にも関わっているのかには関係無い)。

 8)最近の報道は、ロシアが接触線の防衛に苦戦していることを示唆している。

 ロシアのブリャンスク等へのテロ攻撃、、アルチョモフスク(バフムート)北部の戦術的撤退、そしてロシア上空での数機の軍用機の撃墜等、接触線の防衛は恐らく非常に困難な任務となる。

 9)キエフもNATOも、ロシアの「レッドライン」をこれまで全て越えて来たことを気にしていない。

 キエフもNATOも、これまでロシアの「レッドライン」を全て越えて来た:紛争地帯への最先端兵器の移送ロシア国内でのテロクリミアの橋の爆破、住民投票後のヘルソン地域の一部の占領クレムリンの爆撃。従って、次に何が起こるかは誰にも分からない。

 10)ロシアは依然として事態のエスカレーションを主導することを嫌っている様だ。

 NATO支援のキエフによるドンバス再征服の脅威と、その後の国家安全保障上の脅威の連鎖に対して、先んじて特別軍事作戦を開始したことを除けば、ロシアは事態の展開を形作るのではなく、展開に対応して来ただけだ。ロシアは何故か戦略的防衛の立場を維持している。



 以上の点を要約すると、欧州側の兵站上の問題と政治的疲労がキエフの反撃を妨げる可能性が有る一方で、ロシアが抱える不安定化リスクとしては、国防省とワグナー・グループの対立の継続、接触線沿いの防衛上の困難、消極的姿勢等が挙げられる。

 停戦交渉が始まる可能性が高い年末までに突破口を開くチャンスを得るには、それぞれが相手の問題を利用しながら、それぞれの問題を解決する必要が有る。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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