シリアとの和平:トルコの外交政策パズルの最後のピース(要点)
地域内に於けるトルコの立ち位置の現状について、ハサン・ウナル氏の分析。
Peace with Syria: The final piece in Turkey’s foreign policy puzzle
2022/08/05のソチでの会談に於て、エルドアンとプーチンは幅広い地政学的ヴィジョンについて或る程度の合意に至った様で、特にシリアに対するトルコの姿勢には変化が見られ、1998年のアダナ協定の更新についての議論が起こっている。
シリアとの国交正常化によってトルコが得るものは多く、シリア難民を出身地に送還し、アダナ協定を更新して、ワシントンが支援するクルディスタン労働者党(PKK)とそのシリア支部に対して共同戦線を張ることが出来る。
シリアの主権の再確立と引き換えに、ダマスカスに北キプロス・トルコ共和国を承認するよう要請することさえ出来るかも知れない。
トルコ市民の反米感情は85〜95%に上っている為、親欧米の野党は議席を伸ばせない上、野党もまたシリアのアサド大統領に対しては批判的だが、インフレ率の上昇やリラの暴落でトルコ与党に対する国民の信頼は低下している。
与党が生き残りたかったら、アサドを軍事的・政治的にシリア大統領の座から追放しようとする非現実的で行き当たりばったりの方針は撤回するしか無い。
泥沼に陥った対シリア政策は、スンニ派諸国の間でさえトルコを地域内で孤立させて来た。
アンカラとダマスカスとの関係正常化は地域の安定にとっても重要だ。
Peace with Syria: The final piece in Turkey’s foreign policy puzzle
2022/08/05のソチでの会談に於て、エルドアンとプーチンは幅広い地政学的ヴィジョンについて或る程度の合意に至った様で、特にシリアに対するトルコの姿勢には変化が見られ、1998年のアダナ協定の更新についての議論が起こっている。
シリアとの国交正常化によってトルコが得るものは多く、シリア難民を出身地に送還し、アダナ協定を更新して、ワシントンが支援するクルディスタン労働者党(PKK)とそのシリア支部に対して共同戦線を張ることが出来る。
シリアの主権の再確立と引き換えに、ダマスカスに北キプロス・トルコ共和国を承認するよう要請することさえ出来るかも知れない。
トルコ市民の反米感情は85〜95%に上っている為、親欧米の野党は議席を伸ばせない上、野党もまたシリアのアサド大統領に対しては批判的だが、インフレ率の上昇やリラの暴落でトルコ与党に対する国民の信頼は低下している。
与党が生き残りたかったら、アサドを軍事的・政治的にシリア大統領の座から追放しようとする非現実的で行き当たりばったりの方針は撤回するしか無い。
泥沼に陥った対シリア政策は、スンニ派諸国の間でさえトルコを地域内で孤立させて来た。
アンカラとダマスカスとの関係正常化は地域の安定にとっても重要だ。
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