来たるトルコの選挙に本当に干渉しているのは誰か?(抄訳)
2023年5月のトルコの大統領選挙についてのアンドリュー・コリブコ氏の分析。複雑な状況では白黒で物事を判断しないようにしよう。
Who’s Really Meddling In The Upcoming Turkish Elections?
先ずは現状を確認しておこう:
1)トルコの与党公正発展党(AKP)は、今度の選挙に米国が介入していると主張している。スレイマン・ソイル内務大臣は、米国は2016年夏のクーデター未遂以来、そして最近では野党勢力を選挙戦から撤退させるディープフェイク動画を通じて、トルコの民主主義に干渉していると非難した。
2)野党有力候補は、今度の選挙にロシアが介入していると主張している。野党共和人民党(CHP)のケマル・キリクダログル党首は、陰謀の背後にロシアが居ると主張した。
3)ロシアは選挙介入の疑惑を否定している。ペシュコフ報道官は、その様な情報を広める者は嘘吐きだと発言した。彼はまたトルコの主権外交政策を尊重していると述べたが、これはトルコに関するプーチン大統領の以前の評価とも合致している。
この状況は、代替メディア・コミュニティの住人の多くにとってはジレンマを引き起こす。非ロシア人の親ロシア派の多くにとっては、エルドアンは軽蔑の対象でしかないからだ。だが、野党が政権を握った時にはトルコとロシアとの関係に亀裂が入ることがいよいよ明白になって来ている。
野党がどう振る舞うか、予想してみよう。
a)野党が勝利した場合:「我が国の選挙に介入するなんてケシカラン! ロシアとの戦略的パートナーシップは見直して、距離を置こう!」———これは新冷戦に於て、エルドアンの様に両陣営の間でバランスを取るのではなく、ゼロサムでトルコを味方に付けたい米帝の思惑に動かされてのことだ。
b)野党が敗北した場合:「ロシアが介入したのだからこんな選挙は無効だ!」と云う訳で、カラー革命が用意される。
但し与党AKPも、米国に対して同じ様な非難を行う可能性も有る。
両者に違いが有るとすれば、野党のシナリオは、背後で外国勢力と繋がっているので、正真正銘のカラー革命となるのに対し、与党のシナリオは自国の主権を守る為の「民主的安全保障」、つまり対ハイブリッド戦争の戦術と戦略の実践例となることだ。同じ抗議行動が起こったとしても、売国奴の抗議と愛国者の抗議とでは天と地程の差が存在する。
この違いが理解出来ていないと、エルドアン憎しの余りに野党を応援する代替メディア・コミュニティの住人達は、米国のレジーム・チェンジの為の「役に立つバカ」になってしまう。
エルドアン大統領に対する不満が何であれ、様々なデリケートな問題に関して両者の間に意見の相違が有るにも関わらず、エルドアン大統領はロシアにとって信頼出来るパートナーであることを証明して来た。
対照的に、キリクダログル氏はの方は、カラー革命か、または米国の命令でトルコをロシアから遠ざける準備を既に行っている。選挙結果がどう転ぶにせよ、不安定化が待っていることは間違い無い。
Who’s Really Meddling In The Upcoming Turkish Elections?
先ずは現状を確認しておこう:
1)トルコの与党公正発展党(AKP)は、今度の選挙に米国が介入していると主張している。スレイマン・ソイル内務大臣は、米国は2016年夏のクーデター未遂以来、そして最近では野党勢力を選挙戦から撤退させるディープフェイク動画を通じて、トルコの民主主義に干渉していると非難した。
2)野党有力候補は、今度の選挙にロシアが介入していると主張している。野党共和人民党(CHP)のケマル・キリクダログル党首は、陰謀の背後にロシアが居ると主張した。
3)ロシアは選挙介入の疑惑を否定している。ペシュコフ報道官は、その様な情報を広める者は嘘吐きだと発言した。彼はまたトルコの主権外交政策を尊重していると述べたが、これはトルコに関するプーチン大統領の以前の評価とも合致している。
この状況は、代替メディア・コミュニティの住人の多くにとってはジレンマを引き起こす。非ロシア人の親ロシア派の多くにとっては、エルドアンは軽蔑の対象でしかないからだ。だが、野党が政権を握った時にはトルコとロシアとの関係に亀裂が入ることがいよいよ明白になって来ている。
野党がどう振る舞うか、予想してみよう。
a)野党が勝利した場合:「我が国の選挙に介入するなんてケシカラン! ロシアとの戦略的パートナーシップは見直して、距離を置こう!」———これは新冷戦に於て、エルドアンの様に両陣営の間でバランスを取るのではなく、ゼロサムでトルコを味方に付けたい米帝の思惑に動かされてのことだ。
b)野党が敗北した場合:「ロシアが介入したのだからこんな選挙は無効だ!」と云う訳で、カラー革命が用意される。
但し与党AKPも、米国に対して同じ様な非難を行う可能性も有る。
両者に違いが有るとすれば、野党のシナリオは、背後で外国勢力と繋がっているので、正真正銘のカラー革命となるのに対し、与党のシナリオは自国の主権を守る為の「民主的安全保障」、つまり対ハイブリッド戦争の戦術と戦略の実践例となることだ。同じ抗議行動が起こったとしても、売国奴の抗議と愛国者の抗議とでは天と地程の差が存在する。
この違いが理解出来ていないと、エルドアン憎しの余りに野党を応援する代替メディア・コミュニティの住人達は、米国のレジーム・チェンジの為の「役に立つバカ」になってしまう。
エルドアン大統領に対する不満が何であれ、様々なデリケートな問題に関して両者の間に意見の相違が有るにも関わらず、エルドアン大統領はロシアにとって信頼出来るパートナーであることを証明して来た。
対照的に、キリクダログル氏はの方は、カラー革命か、または米国の命令でトルコをロシアから遠ざける準備を既に行っている。選挙結果がどう転ぶにせよ、不安定化が待っていることは間違い無い。
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