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ロシア(2022年)

続きは次のスレッドに。
 ロシア(2023年〜)

★ロシアがどれだけでかくて国際的に存在感を持っているかを、極く単純な事実の羅列から振り返ってみる。
ロシアについての一般的事実

★ドミトリー・メドベージェフ、2022年末のインタビューから抜粋。激動の1年を結果を振り返る。
「私達の人々、私達の土地、私達の真実」:ロシア連邦安全保障理事会ドミトリー・メドベージェフ副議長が、世界秩序を変えた2022年の結果について語る(抜粋)

2022/12/22、ロシアの民間軍事会社ワーグナー・グループのトップは、DPRKから武器供給を受けていると云う米国の主張を「ゴシップと憶測」として一蹴。せめて逆ならまだ理解出来るのだが、何故こんな突拍子も無い話をホワイトハウスは流す気になったのか。
Head of Russia's Wagner Group Dismisses Talk of N. Korean Weapons as Gossip

大西洋評議会の対ロシア制裁データベース。「ロシアの違法行為」とやらを云々する人達の目には全く問題と映っていないらしいが、外国の資産強奪は歴とした犯罪行為であって、往々にして多くの人々の生活を破壊し命を奪う人道犯罪だ。何度も指摘しているが、「敵」の悪魔化の成功は、「我々」が何をやっているかについての無知とセットになっている。「敵」が何をやっているかを理解していない層と、自分達の国が何をやっいるかを理解していない層は大体重なっているだろうと思う。
Russia Sanctions Database

★プーチンガメルケルにまんまと騙されていたと云うコリブコ氏の分析の要点。
ミンスク合意は策略に過ぎなかったとメルケルが認めた。紛争が長引くことは確実だ。(要点)

2022/11/25、ロシアのオレグ・シロモロトフ外務次官が、ロシアがウクライナを「テロ国家」に指定しない理由を説明:「国家テロリズム」の教義は、国連憲章に違反する内政干渉や、全ての国の主権平等の原則に違反する一方的な強制的措置を正当化する為に、米国や他の西側諸国によって悪用されているが、その様な措置は容認出来ない。犯罪行為としてのテロ行為に関して責任を問われるべきは常に個人であって、国家全体ではない。ウクライナをテロ国家に指定することは、本質的に、「法的に欠陥が有る。」「我々は国際法違反者の様にはなりません。」
 西側諸国よりも遙かに準法精神に溢れ、しかも国家よりも個人を重視すると云う点に於てよっぽど民主主義的ではなかろうか。
 私は2022/02/24に「あらゆる法を破ってもお構い無しに他国に爆弾を落とすNATOや米軍と違って、ロシア軍はちゃんと法的手順を踏んだ上で行動している」と呟いて多くの非難を浴びたが、私はこの発言を撤回したり訂正する必要性を、今でも全く感じていない。まぁ目の前で度々重大な国際法違反が行われていても全く見えない人の方がどうも多数派らしいので、私の様な意見は超少数派の様ではあるが。私は相手によってその適用を使い分けられる様な法は法とは呼べないと思っている。なので相手に応じて違法行為を正当化したり、遵法行為を違法呼ばわりして問題無いと思う様な連中は見下げ果てた恥知らずだと思うし、そう云う連中とは徹底的に意見が合わない。こう言って私が何のことを言っているのか理解出来ない人は………まぁそう云うことなのだろう。彼等は私とは全く別の現実を生きている。こうしたことは日頃の心掛け左右されるらしいので、解らない人は本当に全く解らないらしい。
Russia explains why it won't declare Ukraine a 'terrorist state'

★コリブコ氏の分析。ロシアの特別軍事作戦について、20の建設的な批判を行なっている。
ロシアの特別軍事作戦に対する20の建設的批判(要点と補足)

★「ドゥギンがプーチンの辞任を要求した」と云う西洋のデマについて、コリブコ氏の解説。
ドゥギンは、ロシアの特別軍事作戦を建設的に批判する意図を明らかにした(要点)

ロシアのセルゲイ・スロヴィキン陸軍大将による、ロシア軍のヘルソン撤退についての状況説明。成程ね。ロシア軍は最初から人命(民間人だけではなく自軍の兵士は勿論、キエフ軍の兵士さえ)・インフラの損失を最小限に抑えるよう、長期戦を想定して行動しているので、今までの行動と別に矛盾は無い。今後は正式に「国土防衛戦」になるので、可能な限り被害を抑えることが最優先だろう。
Pulling back ‘to save lives’: Key points from top Russian commander’s Kherson speech
「人命を救うため」の撤退。ロシアの最高司令官による、ヘルソン撤退に関する声明の要点

2022/11/14、国連総会緊急会合での「ウクライナへの賠償」決議に関する、ロシアのネベンジア常任代表の声明全文。この「損害賠償」とやらが何処から支払われることになるのかは明らかだ。西洋がロシアから強奪した数千億ドル分の海外資産だ。この資金を正当な所有者に返還したり、ウクライナを支援するのに利用するのではなく、西洋は増え続けるキエフへの武器供給に資金を提供するのに使おうとしている。目を覆うばかりのこの偽善を、ネベンジア代表は「何世紀にも及ぶ奴隷制と抑圧、植民地主義と新植民地主義による支配、軍事侵略と介入、封鎖、一方的な制裁、占領され征服された国々の天然資源の恥知らずな搾取」の延長線上に位置付けている。一主権国家の資産を盗んで転用するなどと云う蛮行が白昼堂々と罷り通っている訳だが、西洋はこれを「ルールに基付く国際秩序」と呼んでいる。これが何を意味するかは明らかだ。「俺達がルールだ。国際法秩序など関係無い。他の国々は黙って従え。」
Statement by Permanent Representative Vassily Nebenzia at the Emergency UNGA Meeting on Reparations to Ukraine

★コリブコ氏の記事。
あらゆる形態のLGBT+プロパガンダを禁止するロシアの最新法案の背景事情(要点)

★RTの記事。紛争は芸術の新しい潮流を生み出した。
最前線からの韻:ウクライナ紛争がロシアの新しい愛国詩の波にどの様にインスピレーションを与えたか(要点と解説)

2022/10/26にプーチン大統領が視察した「サンダー」演習では核ミサイルの演習が行われたが、これは核攻撃を受けた場合の報復核攻撃を想定したものであって、ロシアは「抑止力としての核」「自国防衛の為の核」と云う従来の路線を変更する様なことはしていない。「ロシアは核による先制攻撃を計画している」とする西側の主張は、現実の演習によって裏付けられていない。他方、これに先立つNATOの"Steadfast Noon"演習では戦術核、つまり限定的に使用することを想定した「使い易い核」の演習が行われている。
Putin oversees retaliatory nuclear strike drills.


そう言えばこれはまだ紹介したことが無かったと思うので、今更だけれども紹介する。オリバー・ストーンによるプーチン大統領のインタビュー集。最早日本語環境で国際情勢について嘘や偏向無く書かれた本を見付けるのは至難の業になってしまったが、これは数少ない例外。「プーチンは現代のヒトラー!」とか幼稚なスローガンを叫ぶだけで満足することをバカバカしいと感じる人、プーチンとはどんな人で何をやって何を考えている人なのか本気で知りたいと思う人、現代のロシアとはどんな国なのかを真面目に理解したいと思う日本人であれば必読。細かな間違いはちらほら有るが、大枠では正確な情報を知ることが出来る(プーチンは隠し事はするが嘘は吐かない)。まぁ日本語メディアでしかロシアについて知って来なかった人にとっては恐らくチンプンカンプンの話題が頻出すると思うのだが、それは日本語メディアが嘘を吐いているか間違っているか偏向しているか、或いは全く/殆ど報じて来なかっただけの話であって、情報はこの本の方が合っている。まぁこれは私が私の知り得た情報に基付いてそう判断しているだけの話であるので、何処の馬の骨とも判らない私の言うことなんか信じる必要は無い。私は私が思ったことを伝えただけ。自分で読んで自分の頭で考えて自分で情報を集めて判断を下せば良い。


裏付けの取れていない「証言」に基付いて「ロシア軍は兵士達にバイアグラを配って集団レイプをやらせている」と言う主張が行われている様だが、リビア侵攻に先立って同じ様な手口を使って「カダフィは自軍の兵士達にバイアグラを配って集団レイプをやらせている」と云う主張が為されたことを憶えている人であれば、全く馬鹿馬鹿しい話だと思うことだろう。リビアの一件は全くの捏造だった。今回もそうだろう。少なくとも、その主張が事実であることを示す具体的な証拠は何ひとつ出て来てはいない。
Viagra-fueled Russian rampage?


★マイク・ウィットニー氏の論説の要点を纏めてみた。
ロシアの軍事介入が「侵略」だったとは思わない人も居る。これがその理由だ(要点)

2022/10/28のロシア国防省の発表では、部分動員の予定目標30万人は無事達成された。13,000人が召喚状を待たずに自発的に志願した。82,000人が紛争地域に派遣され、218,000人が訓練センターや訓練場で戦闘任務に備えている。召集された予備兵の平均年齢は35歳。装備の問題は有ったが初期のもので既に解決済み。 万事予定通りの様だ。
Russia reveals key mobilization numbers

★コリブコ氏の分析の要点。因みにRTの元記事では、素早い勝利ではなくゆっくり整然とした勝利を追求するロシア軍の戦略は、ロシア軍自身の損失を最小限に抑えるだけでなく、民間人の犠牲者の数を大幅に減らすことになると発表されている。
ロシアの特別作戦の現状についての「ハルマゲドン将軍」の洞察を分析する(要点)

ブライアン・バーレティック氏による解説。ロシアは手当たり次第に動員して碌に訓練もせずに前線に放り込んでいる、などと主張しているNYタイムズの記事は何から何まで嘘。例えば西側のシンクタンク、CSISの記事も、こうした馬鹿げた戦争プロパガンダが全くの虚偽であることを示している。バーレティック氏は軍経験者なので、施設がオンボロだとか装備を自分で買うとか云った事情は世界中の軍隊でも同じであって、別にロシア軍だけで起こっている訳ではないと指摘している(一部で純粋に官僚的なミスが起こっているのは事実だが、全体の状況に影響を与える程のものではない)。そして「限界」のリスクを抱えているのはロシア軍ではなくウクライナ軍の方。例によって大手メディアの報道は大衆を騙して「合意の捏造」を行う為のものだが、エリート層しか読まない記事は全く別の現実を語っている。

 2022/09/26のCSISの記事はそれ自体興味深い。これはそこらの素人アナリストが書いたものではなく、エリート層が読んで自分達の政策決定の参考にする記事だ。例えば「ロシア軍は隣国を侵略するのではなく、侵略から本土を守るように構成されている」、「ロシアはNATOの直接介入やロシア本土へのウクライナの動きに対する核の脅威を制限している.」など、メディアががなり立てている嘘をあっさり否定している(「ロシア軍の損失が大きい」と云う主張などは恐らく嘘または希望的観測だろうと思うが)。そしてロシア軍は米軍などに比べると非常に小さいので、戦線を広げたくないのは当然であって、戦線の縮小はロシア軍が合理的な計算に基付いて動いていることを示唆している。この記事は「動員の目的は、戦場での勝利ではなく、究極的には政治的なもの(停戦や交渉)である」とロシアの思惑について率直に認めているので、西側にまともな頭の持ち主が残っていれば、今の狂ったウクライナ代理戦争から距離を置こうとする動きが強まるかも知れない。
What Does Russia’s ‘Partial Mobilization’ Mean?

「ロシアは帝国主義国なのか?」と云うスタンフィールド・スミス氏の分析。まぁレーニンの近代資本主義/帝国主義論をベースにしているので、現在のグローバル化した資本主義/帝国主義の現実には忠実には即していないかも知れないが、ロシア経済は帝国主義的と呼ぶには矮小だし、西側帝国主義勢力の様に、帝国主義的な野心から他国へ軍事介入を行ったことも無い。「ロシアは帝国になるべきだ」と云う主張もしているらしいアレクサンドル・ドゥギン氏が「プーチンの盟友」だなどと云うフェイクニュースが西側で流されているのは、恐らく西側の人々がそうした実態を無視して帝国的なイメージをロシアに対して抱くことを期待してのことだろう。公平に冷戦後の国際情勢を見てみれば、真の帝国主義勢力が西側諸国なのは明らかだ。

Is Russia imperialist?

戦況の細かい進展についての解説や分析は賞味期限が短いので、私はこのブログでは余り紹介していないが、地政学アナリスト、ジャック・ボー氏のこの記事は現状を再確認する上で非常によく纏まっていると思う。ウクライナ軍にハリコフを明け渡したことは、ブチャの様に新たな「濾過」作戦(虐殺)の遂行を許す状況を作り出したと云う意味で、ロシア軍にとって失態ではあったかも知れないが、全体の状況はロシア側の思惑通りに展開しており、彼等は極めて合理的・人道的・合法的に行動している。懸念しなければならないのは狂った西側の暴走の方だ。
Kharkov and Mobilization
ジャック・ボー:ハリコフからの撤退とロシア軍の新動員について考える

「ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は(2022年)9月22日、動員対象者の雇用維持に関する政府決定に署名した。23日に発効し、21日にさかのぼって施行した。」ロシアの動員対象者の雇用は保証される。
動員対象者の雇用維持定める政府決定が施行 (ロシア)

★ロシアの動員システムと、今回の動員令についての基本的な事実のお浚い。
ロシアの動員プロセスに関する主な事柄(要点)

2022/09/29のマリア・ザハロワ報道官の記者会見。相変わらず理路整然として雄弁だが、ロシアの精神主義を垣間見せる発言が有ったので抜粋しておく。正に「炎のザハロワ」だ。
 
 「私はこれを、リベラルな独裁の論理を長年公言して来た人々に言いたい。精神は状況や脅迫や誘惑よりも強いのです。私は西側諸国に話し掛けています。あなた方と私達は、異なる『誇り』を持っています。あなた方はパートナーを『肉体的に』信頼することを選択しましたが、私達は精神的にパートナーを選びました。」

 「これらのテロ攻撃の目的は明らかです。人々を脅迫し、その選択を放棄させ、彼等全員を追い詰めて、この世界には正義はなく、これからも決して存在しないだろうと信じ込ませることです。これは、力による支配が常に勝ると彼等に信じ込ませようとする試みです。しかし、そうではありません。それがドンバスの人々です。人生が彼等を鍛えました。彼等には精神が有り、本当の意味での自由が有ります。ドンバスの、そしてヘルソンとザポリージャ地域の人々は挫けてはいません。ワシントンはまたしても、自ら紛争の当事者となりながらも、如何に現実との接点を失っているかを顕にしたのです。」
Russian Foreign Ministry Statement on Ukraine, Nord Stream Sabotage

★西側のシンクタンク、カーネギー国際平和基金がロシアの世論調査の結果を分析していたので気になる点をメモしてみた。
良かれ悪しかれ我が国:ウクライナに関するロシアの世論(要点)

政治学者ウラジミール・コルニーロフ氏の論説「幻想を捨て去る時が来た。西側はロシアを破壊する為に戦争を繰り広げている」。まぁ西側の要人や学者やメディアの中にはロシアの不安定化や解体を公然と叫んでいる連中が大勢居るし、冷戦後の新しい世界秩序に大人しく従おうとするロシアの努力は悉く西側によって裏切られて来た訳なのだから、「あいつら嘘吐きの侵略者共とこれ以上話し合っても無駄だ」と思う人々は今後も増えて行くことだろう。自分達が世界を支配する為なら第三次世界大戦さえ辞さない野蛮なケダモノは、到底西側市民の手には負えないのだから、被害者諸国は腹を括って最悪に備えるしか無い。
Vladimir Kornilov: Time to drop our illusions, the West is waging a war to destroy Russia

2022/09/23のロシア軍の発表では、プーチン大統領が予備兵の動員を命じてから約24時間で、少なくとも1万人がウクライナでの戦闘に参加することを申し出た。既に諸外国からはウクライナでのナチ退治に参加したがる義勇兵が大勢来ているし、意外な展開ではない。彼等にとってはこの特別軍事作戦は紛れも無く、非道な侵略者から祖国を守る為の戦いなのだ。戦争プロパガンダに洗脳され切って加害者側の嘘に基付いてしか現実を見ることの出来ない西側市民の大多数がこの展開を理解出来る様になる日は来ないかも知れない。
Russia Says 10,000 Volunteer for Ukraine Fight in 24 Hours

【推奨】2021/07/21に公開され、その後ロシア軍の全兵士が読むことを義務付けられたプーチン露大統領の記事。ロシアとウクライナはその歴史・文化・宗教・言語・アイデンティティに於て一体であり、反ロシア勢力が分断を作り互いに敵対させようとする企みは許されない。
Every Russian Soldier Is Required to Read This 2021 Putin Article on Ukraine

【重要】2022/09/21のプーチン大統領の演説の全文。2022/02/24の演説以降、最も重要な演説と言えるだろう。
Address by the President of the Russian Federation
 NHKはまたプーチン大統領の演説全文を邦訳している。素晴らしい。NHKは普段は嘘ばかり吐いている御用クズメディアだが、「敵国」の情報もこの様に検閲無しに流す様になれば、頭が冷える日本人も増えるだろう。
【演説全文】プーチン大統領 “予備役”部分的動員発表 なぜ?
 INTERNATIONALIST 360°による英訳。
Address by the President of the Russian Federation as the Nation Moves to Partial Mobilization
 寺島翻訳メソッドNEWSさんによる日本語訳。
予備役部分動員を開始するにあたって行われたプーチン大統領の演説

ロシア世論調査センターの調査に拠ると、2022年3〜8月に掛けて、ウクライナでの特別軍事作戦に対するロシア国民の支持は70〜73%と、一貫して高水準を保っている。抗議が起こる可能性は4月以降12%に満たない。
Poll shows Russian public support for special operation stably high over six months

2022/09/22、ロシアのペシュコフ報道官は、100万人が兵役に召集されることが可能になったと云う噂について「嘘」だと断定。この噂の出所はEUに本拠を置く Novaya Gazeta Europe で、この数字は法令の未発表の条項に記載されていると主張したが、情報源はロシア大統領府の匿名者で、証拠書類は無い。これはロシアで最も古いリベラル紙のひとつである Novaya Gazeta の元スタッフによって設立されたが、最高裁判所は9月に、規制に違反したとしてライセンスを取り消している。
Kremlin brands media claim of huge mobilization ‘a lie’

2022/09/21、ショイグ国防相に拠ると、部分動員される約30万の予備兵は、ロシアの全動員能力の1%強に相当する。因みに基本的な歴史的事実を復習しておくと、大祖国戦争に於てソ連はナチスドイツを倒す過程で、2,600万とも2,700万とも言われる膨大な数の人々を失っている。
Russian MoD clarifies details of mobilization

2022/09/21のロシアのショイグ国防相の発表に拠ると、ウクライナでの特別軍事作戦中に死亡したロシア兵は5,937人。ウクライナ兵は61,207人が死亡し、49,368人が負傷した。ウクライナ軍が雇っている傭兵は2,000人以上が排除され、今残っているのは1,000人以上。
Russia reveals military losses in Ukraine

2022/09/21にロシアは約30万の部分動員を発表。それに続いてドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソンでロシア編入に関する住民投票が行われ、恐らく圧倒的多数でロシア編入が決まるだろう。ウクライナ軍は既にロシア領内でも砲撃やテロを行なっているが、これでウクライナ東部や南部の諸州に対する攻撃は、ロシアに対する攻撃となる訳だ。事情がまだ飲み込めていない人の為に解説すると、ロシア軍の特別軍事作戦には、大統領の裁量内で動かせる範囲でしか派遣されて来なかった(70万のウクライナ軍に対して僅か20万)。プーチン大統領が2022/07/07に「概して私達はまだ本格的には何も始めてはいないことを、誰もが知っておくべきです」と言っている通り、本格的な動員はまだだったのだ(だから「ロシア軍が人員不足に困って囚人を使っている」と云う報道は端的に嘘。それをやっているのはウクライナの方)。私もこれまで「ロシアの特別軍事作戦」とか「ウクライナ紛争」と呼んで「戦争」と云う言葉は使って来なかったが、「戦争」はまだ始まってもいない。これから始まるのだ(因みに2022年の衝突を予測していたセルゲイ・グラジエフは、対立のピークは2024年だと予測している)。
From ‘Special Military Operation’ to Open War
 上記のプーチンの発言動画。
Springprincess #IStandWithRussia🇷🇺 @TamrikoT

Twitterから回収。2022/02/25の記事。ウクライナに対しては主にNATO諸国が軍事装備を送り付けて支援しているが、どの分野でもロシア軍が圧倒している。2020年の国防予算はロシアが600億ドル、ウクライナが60億ドル。世界火力ランキングではそれぞれ2位と22位。兵器と云うものは使いこなすには完熟訓練が必要になるので、NATOが幾ら武器だけ送ったところで、ウクライナ軍が直ぐ使える様になる訳ではない。
 
Graphics: The military balance of power in Russia-Ukraine tensions

Twitterから回収。2022/01/07の記事。ウクライナ軍の予算は9億ドルだが、ロシア軍は240億ドル。2014年に比べてウクライナ軍の予算が倍加しているのは確かだが、依然としてロシアの敵ではない。NATOは基本的に自分達よりずっと弱い相手しか襲わないが、ロシアにそれは通用しない。日本には「ロシア軍はソ連時代のオンボロ兵器を使っている」「ロシア軍は人員不足に悩まされている」などと云う与太話を真に受けている人も多い様だが(冷戦時代から全く何ひとつ頭をアップデートして来なかったのだろう)、ウクライナでの特別軍事作戦に於て、ロシア軍は全力投入などしておらず、極めて限定的な動員しか行なっていない。国際情勢をウォッチしている人であれば大抵知っていることだろうと思うが、ロシア製の兵器は超優秀であって、ロシア軍は地上最強の部類に入る。ウクライナ軍は国を挙げて人質立て篭もり事件を起こしている様なものなので必然的に解放には時間が掛かるが、ロシア軍がNATOの様に民間人や生活・産業インフラ等の被害を気にしない非人道的な軍隊だったら、ロシア軍がウクライナ軍を制圧するのはそう時間を要することではなかっただろう。

Ukraine’s Army Is Underfunded, Outgunned and Not on the Same Planet as Russia’s

★ロシア軍の名誉の為にTwitterから回収しておく。特別軍事作戦開始直後、ロシア軍は最初に降伏勧告を行い、民間人だけではなくウクライナ軍兵士の犠牲をも最小限に抑えようとした。
ロシア特殊作戦部隊からウクライナの兵士達に向けた警告とメッセージ(2022/02/26)

「ハリコフでの反撃」についての分析は、余りに賞味期限が短そうに思われたので私はチェックはしてもいちいち投稿していなかったのだが、コリブコ氏のこの指摘は興味深い。ロシア軍はこれまで抑制された特別軍事作戦を行なって来たが、キエフは最初から民間人を盾にして総力戦の積もりで戦って来た。ハリコフに於てはロシア軍は諜報能力の欠陥によって南部を攻撃すると云うフェイントに騙されて不意を突かれ、その後の展開に於ては勝利していることは間違い無いのだが、ロシア軍に対する信頼は内外で傷付いた。そもそもロシア軍が最初から総力戦を回避せず、早い段階で敵の重要なインフラを完全に破壊していたなら、そもそもハリコフ反攻は起こらなかっただろう。NATOはキエフを支援し続けており、連中はそれでどれだけ犠牲者が増えようとも良心の呵責を一切感じていない為、ロシアも今後は総力戦の構えで臨まなければならないかも知れない。プーチンはこれまで大統領権限の枠内に限定してロシア軍を動かして来た訳だが、長い戦線を戦う為に正式な動員をしなければならない日が近いかも知れない(因みに、西側の妄想戦記を鵜呑みにしている人の中には、ロシア軍が全力で戦っていると信じている人も少なくない様だが、プーチン大統領自身が語った様に、ロシアはまだ全然本気を出していない。この辺を勘違いしていると、恐らく後でびっくりすることになる。)
20 Strategic Observations About Kiev’s NATO-Backed Blitz Across Kharkov Region

2022/09/06、ロシアのザハロワ報道官は、「我々はメディア戦争に関与するつもりは有りません」と発言。「しかし我々は自らの情報空間を必ず守り抜き、伝統的なジャーナリズムや従来のニュース・メディア、現代のマス・コミュニケーション・メディアと見做されるものを発展させています。」まぁ西側の大手メディアは今や完全に大政翼賛化して毎日呆れる程大量のフェイクニュースや偏向報道を垂れ流し、ハイブリッド戦争である新冷戦に於ける認知戦の分野での心理兵器として機能しているが、それに張り合って一種の情報軍拡競争をヒートアップさせるのは確かに馬鹿馬鹿しい。嘘に嘘で反撃するのは愚か者のやることだ。嘘には真実で対抗すれば良い(どの様に真実を伝えるか、には色々と改善の余地は有るだろうが)。
Russia won’t engage in media wars but defends its information space — MFA

2022/08/29、ロシアのイゴール・バリノフ連邦民族問題局長とプーチン大統領との会談。ロシアの民族宗教分野での一般的な状況は安定しており、人口の80.7%が民族間関係を、81.4%が民族宗教関係を肯定的に捉えており、ロシアの市民的アイデンティティは93.4%と云う非常に高い水準に戻っている。
Meeting with Head of the Federal Agency for Ethnic Affairs Igor Barinov

★ウクライナ紛争に関するデバンキング記事を訳してみた。
米国政府がウクライナ戦争について吐いている16の真っ赤な嘘

★『ナショナル・インタレスト』に掲載された、ロシアの対アフガニスタン(タリバン)政策を批判する記事に対する、コリブコ氏の反論の要点。
ロシアの対アフガニスタン政策について、『ナショナル・インタレスト』はこれ以上無い程間違っている(要点)

★スコット・リッター氏による解説の要点。ウクライナに於けるロシア軍の特別軍事作戦の第3段階。
スコット・リッター:ウクライナに於ける第3段階(要点)

★コリブコ氏の分析。ウクライナでのロシアでの特別軍事作戦の展開が遅いのは、「ロシア軍が弱い」からではない。色々と原因が考えられる。
ロシアの特別軍事作戦のペースが遅いが着実であることについての15の説明(要点)

★ユーゴやルワンダ等数多くの戦争犯罪裁判を手掛けたことで知られる国際刑事弁護士クリストファー・ブラック氏のエッセイの全訳。NATOはファシズム陣営であり、ロシアは全人類共通の敵と戦っている。
ファシズム:我等が共通の敵(全訳)

★ロシアのネベンジア国連大使の2022/05/05のスピーチ全文(英訳)より。
ロシアのワシリー・ネベンジア国連大使「これはウクライナでの戦争ではなく、西側集団とロシアの間の代理戦争です。」(抜粋)

★著者は著名な地政学アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏。補足は訳者による。
ウクライナに於けるロシアの特殊作戦に関する10の嘘のデバンキング(抄訳と補足)

★スコット・リッター氏のインタビュー「ウクライナ紛争は米/NATOの代理戦争ですが、ロシアは決定的に勝利する用意が出来ている」の要点。現状が簡潔に纏められていると思う。
ウクライナ紛争は米/NATOの代理戦争ですが、ロシアは決定的に勝利する用意が出来ている(要点)

★2022/03/26に発表されたアンドリュー・コリブコ氏の論説。「ロシアがウクライナを侵略しなければ世界は平和だった」と信じている人は、それ以前の経緯も周囲の文脈もまるで見えていない。ロシアが重い腰を上げて毅然として軍事介入を行わなければ、1962年のキューバ危機以上の核対決のリスクが高まり、第三次世界大戦が起こる可能性は人類史上最も高くなっていたことだろう。ロシア軍が動いてくれたからこそ、今はまだこの程度で済んでいるのだ。
ロシアは自らの独立と主権を守る為に存亡を懸けた闘争を繰り広げている



   *編集上のミスにより、2022年3月下旬〜8月までの投稿は消失したので、個別記事に纏めた分以外は欠落している。



国内市場の保護、 企業活動の機能維持、変化に適応する為の人と企業の支援、雇用の維持、と、ロシアは制裁に対して落ち着いて対応しており、恐らく事前に予想し準備をして来た。プーチンの支持率も高いし、経済戦争もロシアが勝っている。
Russia Adjusts to “Sanctions from Hell”

制裁によりロシアから撤退した西側企業の概要の解説記事。何処まで本気なのかは解らないが、顔触れは錚々たるもの。寧ろ居なくなってくれた方が清々するのではないかと思う碌でもない強盗共がズラリ。
Which companies have pulled out of Russia?

西側帝国主義諸国の制裁を受けて、ロシアは寧ろより健全で頑強な経済的主権を確立しようとしている。若しプーチンが本当にここまでの事態を予想し最初から計算の上だったのであれば、彼は不世出の戦略家だ。蹂躙され嘲弄され続けたロシアが正に必要としている人物だ。
一極が終わった姿

ラヴロフ外相「私達はこの問題を、政府であろうと企業であろうと、西側のパートナーには二度と依存しない形で解決します。私達は二度とこんな状況を作らせません。私達はその方法を見付けるでしょう。これはずっと前にやっておくべきだったことです。」
 ———言っちゃったよ。
Never again will we rely on the West: Lavrov says Russia will solve its economic issues

モスクワ国際関係大学の関係者1,400人以上がロシア軍のウクライナに於ける特殊軍事作戦に反対する公開書簡に署名しているが、同校の出身者であるコリブコ氏がこれに真摯に異議を呈している。西側の言い分を鵜呑みにしている人はロシア国内にも多い様だ。
Here’s Why I Respectfully Disagree With MGIMO’s Open Letter On Ukraine

コリブコ氏の分析。ロシアの3つの「民主的治安措置」は、制裁の呼び掛けの禁止、フェイクニュースの拡散の禁止、ロシア市民の権利を侵害した外国人に対する制裁、と、西側のハイブリッド戦争に対応したもの。批判は構わないが国の安全保障を脅かすものは不許可。
Russia’s Latest Democratic Security Measures Will Ensure Domestic Stability

ロシアの世論調査。60%が、ウクライナ東部の緊張の原因は米=NATOと回答。ドンバスの扱いについては割れているが、独立を支持する人が増えている。ウクライナに対する悪感情は増加している。
UKRAINE AND DONBASS

ロシアの世論調査。84%はロシア軍を信頼し、71%がウクライナでの特殊軍事作戦を支持。作戦目的は46%がロシア防衛と対NATO、19%がウクライナの政治的進路変更、18%がドンバスの人々の保護と回答。
Армия и общество на фоне специальной военной операции

(投稿不能のコリブコ氏の解説を参考)ロシアではウクライナ作戦について大統領や政府を批判するのは構わない。でも偽情報を拡散し自国への制裁を呼び掛ける行為には刑事責任が問われる。現状ではまぁ妥当な措置。こんなことを「言論の自由」として許す国は普通は無い。
プーチン大統領、ロシア軍に関するフェイクニュース拡散、及び対露制裁の呼びかけを刑事的に罰する法律に署名

【推奨】セルゲイ・カラガノフ教授の論説。ロシアの外交は「建設的破壊」の時代に入った。西側システムの凋落は明らかだが、もっと根本的に西でも東でもない、外交、政治学、経済学、哲学全てに亘る領域の再考と新しいイデオロギーの構築が必要だと説く。
Sergey Karaganov: Russia’s new foreign policy, the Putin Doctrine

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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
全体像が知りたい場合は「カテゴリ」の「テーマ別スレッド一覧」を参照。

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