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「陰謀論」と云う言葉で傲慢な偽善を正当化したカール・ポパー

歴史家でマルクス主義者のヴィジャイ・プラシャド氏の主張では、「陰謀論」と云う概念をの開拓者はカール・ポパーだそうだ。彼の著書から該当部分を訳出してみた。文中に出て来るジョー・マッカーシーやジョン・バーチ協会は、「世界支配を目論む共産主義者達は陰謀のネットワークを張り巡らせている」と云う事実無根の反共陰謀論を広めた連中。



 
 「「陰謀論」と云う概念を開拓したのは、反共主義哲学者のカール・ポパーの1945年の著書、『開かれた社会とその敵』だ。ポパーは戦争や失業や貧困が「何等かの強力な諸個人やグループの直接的な計画の結果」であると云う見解に反対した。戦争や失業の社会的メカニズムを理解しようとする社会理論———例えばマルクス主義———は、単なる陰謀論だとしてやんわりと却下された。ポパーは、陰謀論(conspiratorial)組織は偏執狂であり———ナチズムの様に———全体主義やジェノサイド的政策に行き着くものだと指摘した。ポパーのリベラル派は、米国や社会についての左派的批判を陰謀論的だと見做した。実際の陰謀論———例えばジョー・マッカーシーやジョン・バーチ協会———は鼻であしらわれ、軽んじられはしたが、真剣に取り上げられることは無かった(何せダニエル・ベルが書いた様に、共産主義者達は———ジョン・バーチ協会とは違って———『あらゆる民主主義社会にとって脅威となる」陰謀を企んでいたのだから!)。これは陰謀に対する筋の通った反論ではなく、資本主義や帝国主義に対するあらゆる批判に対する、階級的な攻撃だ。」
 



 因みにポパーは傲慢で独善的な態度で有名で、『開かれた社会とその敵』は、彼の批判者によって『その敵の一人によって書かれた開かれた社会』だと揶揄されたことも有る。

 また、世界最悪の「慈善家」の一人であるジョージ・ソロスが「世界に民主主義を広める」と云う名目で設立したオープン・ソサイエティ財団は、ポパーの著作からその名前を取っている。この財団がやっているのは、西洋の一極覇権秩序に対して十分に従順ではない国で、草の根運動に見せ掛けてその国の政府や体制に反対する抗議行動を起こし、帝国主義勢力がより従順な者達へと指導者層の首を挿げ替える手助けをすることだ(一言で言うとカラー革命)。この財団によって「開かれた」社会は、強者による弱者の搾取や弾圧に対して大いに「開かれた」社会になる。

 新植民地主義や帝国主義、新自由主義の現実を前にして何も語らない西洋の———言い換えれば資本主義システムの中核諸国の中流以上の白人成人男性の知的エリートの———社会理論は、奴隷制や女性の権利を放置した儘自分達だけの「民主主義」について語っていた古代ギリシャの男性達の言説と大差無い。この場合、「彼等が何について語っているか」ではなく、「彼等が何について沈黙しているか」の方が遙かに重要になる。チャールズ・ミルズの言うこの「無知の認識論」の問題と取り組もうとしない社会理論は、今日の後期資本主義社会に於ては基本的に全て偽善の臭いがする。
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川流桃桜

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