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12年前、NATOは「民間人を保護する」為にリビアに爆撃を加えた。その結果数万人が死亡し、国は瓦礫の山と化した(要点と補足)

リビアのムアンマル・カダフィ大佐の元報道官、ムサ・イブラヒム氏の記事の要点。2011年にリビアで本当は何が起こったのか。
12 Years Ago NATO Bombed Libya to “Protect Civilians”, Leaving Tens of Thousands Dead and a Country in Ruins
12 Years Since NATO Bombed Libya, Gaddafi’s Ex-Spox. Gives Exclusive Update on Saif Al-Islam




 2011/03/19、40年に亘って安定と繁栄を教授し、アフリカ全土の中で最高レヴェルの人間開発指数(HDI)を記録していたアフリカ連合創設メンバーの主権国家、リビア対して、NATOブロックは8ヶ月間に及ぶ軍事攻撃を行った。

 NATOがこれを正当化した根拠は、国連安保理決議1973号だ。だがその時既にフランス軍はリビア軍に対して襲撃を行っていた。リビア軍は善意と平和的な意図を示し、抗議活動が行われていたベンガジ市から既に撤退していたにも関わらずだ。400人以上の休息中のリビア将校、兵士、医療関係者、報道関係者が、正当化されず宣言もされていない他国の空爆に対して、反撃する機会も無く虐殺された。

 その後26,000回を超える空襲、100回の巡航ミサイル攻撃、NATOの30加盟諸国の連合軍による海上封鎖によって、更に数万人が命を落とした。 犠牲者の中には、あらゆる分野の恐るべき数の民間人が含まれていた。女性と子供の犠牲者が特に多かったが、これはNATOが民家、アパート、学校、コミュニティセンター等の民間の建物を意図的に標的にした為、そこに避難していた者が殺害されたからだ。イラク、セルビア、アフガニスタン、シリアで何度も繰り返された様に、NATOは民間施設に収容されている戦闘機や兵器を探していると主張して、これらの攻撃を正当化したが、 その証拠は現在に至るまで提示されていない。

 ここに至るまでの数週間、イブラヒム氏はリビア政府を代表して無数の記者会見やメディア出演を行い、たったひとつの要求を繰り返した。それは、国連の直接の監督の下で全ての敵対行為を停止し、アフリカ連合が国際的な事実調査団を設置して、誰がどの様な行為を行ったかを特定し、リビアの全ての紛争当事者達の全国会議への道を開くことだ。この真摯な訴えは西洋の覇権中心地では検討もされずに拒否され、西洋のメディアからは嘲笑された。

 西洋が承認し賞賛した唯一の「解決策」は、更に多くのロケットと爆弾、そしてイスラム主義者と部族主義者のテロリスト・グループに引き続き武器を供給することだった。

 その後数年間で、リビア革命政府に対する「人道に対する罪」の告発は、証明されなかったか、虚偽であることが明らかにされた。西洋はその後12年に亘ってリビアを完全に支配下に置いていたものの(土地、資源、機関、アーカイブ)、リビア軍が8,000人をレイプし、10,000人の民間人を殺害し、トリポリ近郊を破壊し、またリビア政府が「リビアの春」(2011/02/15〜22)発生当初にアフリカの傭兵を雇い入れた証拠を、提示することが出来なかった。



 カダフィ率いるリビア革命政府が犯した本当の「犯罪」は、1950〜60年代にアフリカ大陸が名目上の脱植民地化を果たして以来見られなかった様な、ラディカルでしかも独立した方法で、アフリカ大陸の政治的、経済的、文化的文脈を作り直していたことだ。

 カダフィの革命政府の「犯罪」は、1999/09/09にアフリカ連合を設立したことに始まる。彼はその後略奪され、搾取されたアフリカの為の革命的プロジェクトを次々と発表した。西洋の旧宗主諸国から完全な真の独立を獲得することを目指して、汎アフリカの経済、安全保障、通信の機関を構築したのだ。それらには以下のものが含まれる:
 ・アフリカ中央銀行(ACB)
 ・アフリカ・ゴールデン・ディナール(アフリカの独自通貨)
 ・アフリカ金準備制度
 ・アフリカ安全保障理事会(ASC)
 ・統一アフリカ軍(UAA)
 ・アフリカ議会
 ・アフリカ天然資源保護機構(AONR)
 ・アフリカ・コミュニケーション・ネットワーク(ACN)
 ・アフリカ共同市場

 殺害された時点で、カダフィはこれらの機関の設立準備を行い、リビアの金準備の構築を開始し、アフリカ・ゴールデン・ディナールの発行を目前に控えていた。これらは西洋の権力集中からアフリカ大陸を解放し、グローバル経済構造を変革し、グローバル・サウスの他の地域に「団結し、組織し、戦う」よう促したことだろう。

 欧米はアフリカ人であるカダフィに対して、アフリカに「干渉」しないよう警告した。米国はアフリカ系大統領の下で2008年に汎アフリカ軍である AFRICOM を創設した。アフリカ連合とアフリカ議会への英仏米の外交官達による干渉が指数関数的に増加する一方で、アフリカの富(特に金)の強奪は激化した。
 
 2000年代に西洋の大手メディアはアフリカとの経済関係に於ける「新しくて協力的な」精神に焦点を当てたが、これは西洋の覇権の軍事的、経済的、政治的課題と軌を一にした動きだ。

 2011年になると、西洋はチュニジアとエジプトの政治的混乱に付け込んで工作員に命じ、偽の革命を起こさせた。この時先頭に立ったのはリビア・イスラム戦闘集団(LIFG)であり、これは1980〜90年代のアフガニスタンで米国やNATOから武器や訓練を提供された、アフガニスタン人とリビア人のテロリスト・グループだ。



 西洋が占領した12年間で、リビアは違法に「輸入」されたアフリカ人移民の悪名高い奴隷市場と化し、フランスが画策したアフリカのサヘル部族紛争(チャド、ニジェール、マリ)の戦場となった。アフリカ解放の旗手だったリビアは今や瓦礫の山だ。外国が支配する10の軍事基地には20,000人以上の外国軍と傭兵が駐留しており、NATOの介入開始以来、5,760億ドルの経済的損失を被っている。

 西洋の利益の為に西洋から資金提供されて継続している内戦によって、更に60,000人以上のリビア人が死亡した。経済と社会の全部門(教育、健康、住宅、雇用、生活水準)は12年間の紛争と政治的混乱によって荒廃し、解体され、破壊された。

 アフリカ・ゴールデン・ディナールから統一アフリカ軍に至るまで、アフリカ解放の為の諸機関の殆どは完全に凍結し、アフリカ連合はその切れ味を失った。カダフィ殺害後、アフリカでの西洋の搾取的な経済的、政治的、軍事的プレゼンスは増大したが、これこそ正にカダフィが暗殺された真の理由なのだ。

 2022/09/25、2011年以来8番目のリビア特別代表にアブドゥライ・バシリー氏が就任した。以来彼はリビアの軍閥やその民兵を定期的に訪問し、安保理の決まり文句を繰り返している。曰く、「我々は全てのリビア人に民主主義と繁栄を齎す為にここに居ます。我々は人権を擁護し、市民を保護します。この政治的プロセスに反対する者は、国際司法の前に連れて行かれるでしょう。」彼はまるでこの12年間の破壊と荒廃が存在しなかったかの様に話す。

 だが希望は残っている。西アフリカでは西洋の軍隊の駐留を終わらせようとする大衆運動が盛んで、解放と主権を求める呼び掛けは各国政府の注目を集め始めている。アフリカの自由、独立、尊厳についての議論の場では、カダフィの言葉と構想が再び語られている。

 「リビアのグリーン・レジスタンスとアフリカの人民運動に関する仕事をしていると、何千人ものアフリカの自由の闘士達が提起する次の質問に何時だってぶつかります:何をすべきか? 私の答えは、全てのアフリカの同志達に対して常に率直でシンプルです:団結し、組織し、戦いましょう!」
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