西洋は政治的にその他の世界から切り離されていると、EUの研究が認めた(要点)
西洋(the West)全体がその他の世界(the Rest)とは異なる道筋を歩みつつあることを、EUの報告書も認めている件について、調査結果を簡単に紹介する。
West is out of touch with rest of world politically, EU-funded study admits
United West, divided from the rest: Global public opinion one year into Russia’s war on Ukraine

2023/02/22、欧州外交問題評議会は国際世論調査に基付き、「米国の世界的優越性」のシステムが急速に衰退しており、グローバル・サウスの多くの人々が新しい「多極世界」を望んでいることを認める報告書を発表した。
調査は2022年12月下旬〜2023年1月上旬に、15ヵ国の合計19,765人の成人を対象にして行われた(但し中国、インド、ロシアでは都市部の住人のみ)。
ウクライナでのNATO=ロシア代理戦争について「プーチン戦争」「ロシアの侵略」などと表現するなど、調査方法には明らかな偏りが見られるにも関わらず、そのタイトル「西洋は団結し、その他の世界から切り離される(United West, divided from the rest)」に見られる様に、西洋が世界全体の中で孤立していることを認めている。
因みに西洋諸国は合計約10億人で、世界人口の約13%に相当する。中国、インド、ロシア、トルコを合わせると30億人強で、これは世界人口の約38%。
米国がウクライナを支持する理由についてどう思いますか?
中国では45%、ロシアでは38%、トルコでは30%、インドでは23%が、米国は単に「西洋の支配体制を守る」為にウクライナを支援していると考えている。

欧州がウクライナを支持する理由についてどう思いますか?
中国では40%、ロシアでは46%、トルコでは27%、インドでは23% が、欧州はは単に「西洋の支配体制を守る」為にウクライナを支援していると考えている。

(ウクライナ紛争について)どうすべきだと思いますか?
インドでは54%、トルコでは48%、ロシアでは44%、中国では42% が、「ロシアとウクライナの間の紛争は、ウクライナがロシアに支配権を与えることを意味するとしても、可能な限り早く終わらせる必要が有る」と考えている。またこれらの国々では「ウクライナに対するロシアの領土侵攻を受け入れることになるとしても、西洋の支配を後退させる必要が有る」と答えた人も同様に多い。「戦争が長引いてより多くのウクライナ人が殺されたり家を失ったりするとしても、ウクライナはその全ての領土を再奪取しなければならない」と答えた人はロシアでは5%と勿論低いが、他はどの国でも2〜4割程度は居る。但し西洋の方若干高い。

ロシアはあなたの国にとってどんな国だと思いますか?
米国、英国、EUでは大多数の人々がロシアを「対立している敵」と見做しているが、インド、中国、トルコではパートナーまたは同盟国と見做している。

現在のロシアとウクライナ間の紛争を見て、ロシアはあなたが以前考えていたよりも強かったと思いますか、弱かったと思いますか?
インド、トルコ、中国、そしてロシアの人々の大多数が、ロシアは強かったと考えているのに対して、西洋の人々は弱かったと考えている。

どの国が真の民主主義に最も近いと思いますか?
中国では77%が、自国こそがそうだと答えている。中国、インド、トルコ、ロシアでは、西洋諸国が真の民主主義に最も近いと答える割合は低い。

今後十年間で世界はどうなると思いますか?
中国では30%、ロシアでは33%が、世界は益々多極化すると考えている。他方英国では29%、EUでは28%、米国では26%が、世界は米中が主導する二極ブロックに分断されると考えている。

報告書はこう結論している:「西洋は今やより団結しているかも知れないが、それは世界政治に於ける影響力が増大したことを意味する訳ではない。逆説的なのは、この新たな結束が、ポスト西洋世界の出現と重なっていることである。西洋は崩壊してはいないが、その団結は、最早他の大国を思い通りに動かせる訳ではない。」
West is out of touch with rest of world politically, EU-funded study admits
United West, divided from the rest: Global public opinion one year into Russia’s war on Ukraine

2023/02/22、欧州外交問題評議会は国際世論調査に基付き、「米国の世界的優越性」のシステムが急速に衰退しており、グローバル・サウスの多くの人々が新しい「多極世界」を望んでいることを認める報告書を発表した。
調査は2022年12月下旬〜2023年1月上旬に、15ヵ国の合計19,765人の成人を対象にして行われた(但し中国、インド、ロシアでは都市部の住人のみ)。
ウクライナでのNATO=ロシア代理戦争について「プーチン戦争」「ロシアの侵略」などと表現するなど、調査方法には明らかな偏りが見られるにも関わらず、そのタイトル「西洋は団結し、その他の世界から切り離される(United West, divided from the rest)」に見られる様に、西洋が世界全体の中で孤立していることを認めている。
因みに西洋諸国は合計約10億人で、世界人口の約13%に相当する。中国、インド、ロシア、トルコを合わせると30億人強で、これは世界人口の約38%。
米国がウクライナを支持する理由についてどう思いますか?
中国では45%、ロシアでは38%、トルコでは30%、インドでは23%が、米国は単に「西洋の支配体制を守る」為にウクライナを支援していると考えている。

欧州がウクライナを支持する理由についてどう思いますか?
中国では40%、ロシアでは46%、トルコでは27%、インドでは23% が、欧州はは単に「西洋の支配体制を守る」為にウクライナを支援していると考えている。

(ウクライナ紛争について)どうすべきだと思いますか?
インドでは54%、トルコでは48%、ロシアでは44%、中国では42% が、「ロシアとウクライナの間の紛争は、ウクライナがロシアに支配権を与えることを意味するとしても、可能な限り早く終わらせる必要が有る」と考えている。またこれらの国々では「ウクライナに対するロシアの領土侵攻を受け入れることになるとしても、西洋の支配を後退させる必要が有る」と答えた人も同様に多い。「戦争が長引いてより多くのウクライナ人が殺されたり家を失ったりするとしても、ウクライナはその全ての領土を再奪取しなければならない」と答えた人はロシアでは5%と勿論低いが、他はどの国でも2〜4割程度は居る。但し西洋の方若干高い。

ロシアはあなたの国にとってどんな国だと思いますか?
米国、英国、EUでは大多数の人々がロシアを「対立している敵」と見做しているが、インド、中国、トルコではパートナーまたは同盟国と見做している。

現在のロシアとウクライナ間の紛争を見て、ロシアはあなたが以前考えていたよりも強かったと思いますか、弱かったと思いますか?
インド、トルコ、中国、そしてロシアの人々の大多数が、ロシアは強かったと考えているのに対して、西洋の人々は弱かったと考えている。

どの国が真の民主主義に最も近いと思いますか?
中国では77%が、自国こそがそうだと答えている。中国、インド、トルコ、ロシアでは、西洋諸国が真の民主主義に最も近いと答える割合は低い。

今後十年間で世界はどうなると思いますか?
中国では30%、ロシアでは33%が、世界は益々多極化すると考えている。他方英国では29%、EUでは28%、米国では26%が、世界は米中が主導する二極ブロックに分断されると考えている。

報告書はこう結論している:「西洋は今やより団結しているかも知れないが、それは世界政治に於ける影響力が増大したことを意味する訳ではない。逆説的なのは、この新たな結束が、ポスト西洋世界の出現と重なっていることである。西洋は崩壊してはいないが、その団結は、最早他の大国を思い通りに動かせる訳ではない。」
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