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寛容について

2023/02/06のトルコ・シリア・レバノンの大地震について、フランスの風刺雑誌シャルリ・エブドがまたやらかした。「戦車を送る必要無し」と云うキャプションと共に、左の画像を公開したのだ。同誌はイスラム教徒に対して差別的な表現をすることで有名だが、このあからさまに人命を軽視する表現に対抗して、Twitterは右の画像で溢れた。表現の自由の名の下に、他者を貶め侮蔑しその存在を軽んじる表現が罷り通っているが、そもそも表現の自由とは何の為に必要なのか。野蛮な憎悪と偏見を掻き立て、啓蒙の理想を自食的に否定させる為か。*因みに私だったら、この「戦車を送る必要無し」と云うキャプションは、ニヤニヤ笑う西洋の政治指導者達の台詞として描く。そうすれば立派な風刺画になる。
 toilet paper charlie hebdo
Turkey-Syria earthquake: Charlie Hebdo sparks outrage over cartoon mocking disaster


米国の159の大学の37,000人の学生を対象にした世論調査では、66%が他人の話を怒鳴って妨害することは正当であり、23%は暴力行使も言論の自由に含まれると回答。まぁ、政府やマスコミがその日々お手本を見せちゃってるからねぇ。
Heckler's Veto: 66% Of College Students Say Stopping Speech Is Free Speech

授業中に生徒達にムハンマドの風刺画を見せたことを理由に教師を斬首した18歳の若者は、シリアのイドリブに拠点を置くロシア語を話すジハード主義者と接触していた。シリアを侵略している勢力がやらせているISISの勧誘活動にでも引っ掛かったのだろうか。
Professeur décapité : le meurtrier était en contact avec un djihadiste russophone en Syrie

西側市民の多くが理解していないのは、イスラム教徒全般を悪魔化しようとする試みは、西側帝国主義勢力の戦争プロパガンダの一環だと云うことだ。9.11後、米帝はイスラム教徒全般を弾圧する一方でアルカイダやISISの様な過激派の傭兵を雇って「テロとの戦争」を遂行した。
The Scourge of Islamophobia in France

イスラム教徒全般に対する差別や不寛容や排斥主義を助長するマクロンの言動は、イスラム社会全体に大きな怒りと反発を引き起こしている。「言論の自由」とはそもそも何の為に必要とされたものだったのか、西洋人は自らの傲慢さを捨てて今一度問い直すべきだ。
Macron’s Attack on Islam Reveals “Intolerance and Hatred,” Says Nobel Peace Laureate

所謂「イスラム原理主義」「イスラム過激派」なるものの正体は、西側帝国主義勢力が育てた便利な使い捨ての傭兵集団であり、言うなれば西洋文明の産物だ。それを同じ帝国主義勢力がイスラム教徒を悪魔化する為に利用している。言語道断だ。
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通常はいがみ合っているイスラム諸国が、「傲慢な帝国主義者のイスラム差別に抗う」と云う点で一致している。私達が守るべきはこうした抵抗の為の言論、解放の為の言論、不寛容を許さない為の言論だ。「不寛容に対して寛容たれ」は自己矛盾だ。
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言論の自由が目指すものは、より寛容な社会だ。より不寛容な社会を目指す言論まで容認してしまうと、自由主義者達は自らの理想の土台を掘り崩すことになる。これは単なる知的なパズルではない、喫緊の解決を要する現実の問題だ。無節操な「言論の自由」は、最早当初の理想を見失った内容空疎な自由だ。知的なパズルに溺れて、「そもそもそれは何の為か」と云う問題意識を忘れるべきではない。人類は野蛮な社会に退行する為に諸権利を勝ち取って来た訳ではないのだ。
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川流桃桜

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一介の反帝国主義者。
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